親しい友人やお世話になった方が、癌のような難しい病気に罹患した場合、入院見舞いに伺うタイミングやかける言葉やお見舞いの品物、お見舞いに行かない時のメールや手紙は難しいものです。相手のことを気遣うあまりに言葉を選び過ぎ、どうしていいかわからなくなることもあります。
私自身何度か経験していますが、毎回悩みます。幸いなことに今そのような状況ではありませんので、今までの経験も踏まえて、その時のために基本的な考え方などをまとめておきます。
親しい友人が癌になったら入院見舞いはどうする?
親しい友人やお世話になっている人が、癌のような難しい病気で入院すると連絡があった時の考え方です。
最優先は本人の気持ち
自分にとって大切な人が癌などの難しい病気にかかっていることを知れば、応援するためにもすぐにでも駆けつけたいところですが、最優先すべきは本人の気持ちです。
- 本人から入院の連絡があり、病院や病室を教えてもらっている
- ご家族からお見舞いに来て欲しいと連絡があった
- お見舞いに行く日程の確認が取れている
- 入院を本人から聞いたわけではない場合
- 本人がお見舞いを遠慮している/望んでいない場合
- 本人やご家族とお見舞いの日程の確認が取れない場合
本人は病気がわかり精神的に不安定なこともあります。検査などで忙しい、入院している姿を見られたくない、体調が悪くて会いたくないなど、お見舞いを遠慮する/望まない理由は様々です。
患者本人が望まない場合には、相手の気持ちを優先し、少し時間を置いたり、手紙やメールなど別の方法で連絡することが大切です。本人ではなく人伝に聞いた場合はなおさらです。
加えて、コロナ禍以降は、病院の面会ルールも変わってきていますので、事前に確認も必要です。
入院見舞いを控えるべき期間
本人から入院の知らせがきたら、すぐにでも駆けつけたい気持ちになりますが、面会を控える方がいいタイミングもあります。
- 入院直後
- 検査などが入っている日
- 手術の前後
- 抗がん剤治療期間
患者やご家族と日程の確認が取れていれば別ですが、入院直後や検査などで慌ただしいときや、体調がよくないとき、体力が落ちているときなどは、控える方がいいでしょう。
がん患者へのお見舞いで絶対やってはいけないこと
こちらは良かれと思っての言動や、心配からくる質問なども、相手にとっては負担になることが多いものです。よく言われることですが、いざとなったら相手を思い、やりかねないような例をあげておきます。
健康食品、サプリメント、治療情報、信仰、宗教といったものは、自分がどんなにいいと思っても、頼まれない限り勧めない
本人から頼まれた場合を除き、健康情報や信仰などに関わる情報を提供するのは避けるべきです
治療内容や病気の経過、今後の仕事、生活のことを聞かない
治療内容や、病気の経過、今後のことアレコレ聞くのは、相手を心配していると言うよりも、ただの自分の興味本位の質問であることを理解しましょう
相手の言うことを否定しない
そんなことはない、それではダメ、弱気になったらダメ、○○だからよくない、、、など、過去も含め相手の言動を否定するのは避けましょう
一方的無責任な励ましをしない
絶対治る、私も○○を頑張っているからあなたも頑張って、頑張って早く治して、、、など、すでに頑張っている相手をさらに追い込むような言い方は避けましょう
私の父の時もそうだったのですが、同じ病気を患った人の情報、「◯◯で治った」「◯◯がいいらしい」情報はホントいらないです。それと、現状や治療内容、治療方針をアレコレ聞くのもホント勘弁して欲しいです。
がん患者のお見舞いでかける言葉
興味本位での詮索や、一方的な情報提供や励ましはせず、相手に寄り添い相手の話をよく聞いていれてば、多くの言葉はいりません。これは、病気に限らず普段からそうですね。
相手との関係性や、相手の性格にもよってかける言葉も変わってきますが、あなたがどうしたいかではなく、相手がどうして欲しいか、自分だったらどうしてほしいか、考えてみるしかありません。
言葉が出てこない場合には、無理に話題を探したりせず、そばにいるだけでもいいのですよ。
- 大変でしたね
- 1人じゃないですよ
- ゆっくり休んでください
- あなたを応援しています
- 早く良くなるよう祈っています
- 必要な時はいつでも声をかけてね
- 何かできることがあれば言ってくださいね
病気の辛さは本人にしか分かりません。周囲からの言葉が嬉しく励みになることもあれば、励ましや同情を苦痛と感じることもあります。
だからと言って、腫れ物に触れるような接し方ではなく、相手のことを大切に思っている気持ちを伝え、相手に寄り添い、相手の話をよく聞くようにしたいものです。
自分とは考え方が違う場合でも、即否定するようなことはせず、「そうなのね」「大変だったね」など、一度相手の思いや考えを受け止め、必要に応じて自分の話をするように心がけましょう。
相手の今までの生活や考え方などを否定するのは最悪です。
患者を否定して自分の考えを押し付けるなら、お見舞いは来てほしくないレベルです。
相手が話したがらないのであれば、無理に話をしてもらう必要はありませんし、相手が病院外のことなどを聞きたいのであれば、その内容を簡潔に答えるのがいいでしょう。
コロナ禍以降面会ルールも変わっており、面会時間が短い病院もあります。15分程度だと、本当にあっという間です。
お見舞いの手紙やメール文例
お見舞いに行けないならどうする?
タイミングや相手の状態でお見舞いに行けない、自分の都合でお見舞いにすぐには行けない、、そのような場合には、手紙で連絡することもできます。現在、多くの方は病室にスマートフォンやタブレットなどを持ち込みますので、メールやLINEでも気軽に連絡できます。
お世話になっている目上の方であれば、手紙を送ってもいいでしょう。病院によってはホームページ上で見舞いメールシステムがあります。システム上でお見舞いメールを送ると、きれいな用紙に印刷して本人に手渡してくれるサービスです。
拝啓 突然の入院のお知らせを聞き、心配しております。お体の具合はいかがでしょうか。
入院生活では慣れないことや不便も多いかと思いますが、まずは治療に専念し十分養生なさってください。
体調が回復しましたら、また一緒に○○(趣味や活動など)を楽しめる日を心待ちにしています。
少しでも心安らかに過ごせるよう、何かお役に立てることがあれば、いつでもご連絡くださいね。できる限りのサポートをさせていただきます。
どうぞお大事になさってください。早くお元気になられることを心よりお祈り申し上げます。
敬具
前略 先日、入院されたと伺い大変驚きました。
ご自宅にご連絡したところ、手術前とのことでしたのでお手紙にてお見舞い申し上げます。
気がかりなことが多いかと存じますが、先ずは治療に専念して
一日も早く全快なさいますことを心から願っております。
ご容体が落ち着かれた頃にお見舞いに伺いたいと存じます。
早々
突然の入院、驚きました。体調はいかがですか? 今は無理をせず、焦らずにゆっくり養生してください。 私が力になれることがありましたら、何でも言ってくださいね。一日も早いご快復を心から願っています。
お体の具合はいかがでしょうか。一日でも早い復帰を願っていますが、しっかりと治るまでは焦らずに静養してくださいね。
癌患者のお見舞いにオススメの品物は?
お見舞いの品は、入院生活が快適になるものを選ぶのが基本です。
入院生活が快適で明るくなるようにハーバリウムやブリザーブドフラワー、かわいいクッション、パジャマ、タオル、ニット帽など。食事制限のない方には、フルーツや、小分けの調味料、ハーブティーなども人気です。
ただ、お部屋によってはハーバリウムなどは置き場所の問題もありますし、退院時の扱い(処分できるか家に持ち帰るかなど)の問題、パジャマなどは好みの問題などもありますから、ネット情報などは鵜呑みにせず、相手の性格や好みから判断するのが無難です。
食事制限があったり、薬の副作用などで匂いに敏感になっていることもあります。飲食物に関しては、本人やご家族い希望を確認してから差し入れるといいですね。
以前は、本や雑誌、ポータブルのゲーム機なども人気でしたが、最近はスマートフォンやタブレットを持ち込む方も珍しくありません。本も読めるし、映画も見られるし、音楽も聴けるし、ゲームも、メールもチャットもできます。本や雑誌などの現物は相手次第と言えそうです。
※ 本を差し入れる場合には、文字の小さいものは避けた方がいいでしょう。病気の時は、小さな文字を読むと結構疲れると言われています。
タブレットなども持ちこんでいる場合には、現物(本や雑誌など)よりも、アマギフ(Amazonギフト券)のようなギフト券の方が使いやすいでしょう。「好きな本読んでね」などと渡せば、双方にとって気楽で使い勝手のよいお見舞い品となりますよ。
私は友人のお見舞いにはアマギフを使っています。
現金を渡すよりも気が楽ですし、3,000円程度であれば相手にも気を使わせずお返し不要レベルです。Kindle本のほか、入院中の買い物にも使えますので、かなり便利です。
病室でWi-Fiを使えることもあります。タブレットでAmazon Prime Videoを見まくっていた友人もいます。
癌患者への見舞金はどうする?
見舞金を持っていくべきかも、相手によっての悩みどころです。
家族や親族、取引先など仕事関係であれば見舞金でも気にならないでしょうが、友人の場合には双方気を遣うこともあるかもしれません。
友人の見舞金は3,000〜5,000円が相場とも言われていますが、年齢や社会的立場、関係の深さによっても異なります。
現金を包むことに抵抗を感じる場合には、Amazonギフト券などがおすすめです。百貨店などの商品券は退院後か、家族などに頼んでの買い物でしか使えません。退院祝いであればいいですが、入院のお見舞いには不向きと言えるでしょう。