返信用封筒・ハガキの書き方まとめ〜「行」「宛」縦書き・横書きでの文字の消し方/二重線は縦横斜め/「様」「御中」の書き方と区別/差出人名書き方/封の〆は必要?
返信用封筒や返信用ハガキの書き方をまとめておきます。
普段、何気にしていることでも、勘違いしていることや、時代とともに「普通」が変わっていることもあります。思い出した時にでも、確認して、世間一般の「普通」をアップデートしておくことは必要ですね。
返信用封筒・ハガキの「行」の消し方〜二重線は縦横斜めどの向きが正解?
一般的に、文字の訂正や削除をする際には、いくつかの方法や考え方があります。
- 1文字なら斜線
- 縦書きの場合は縦線で、横書きの場合は横線
- 縦書き横書き共に横線
こんな感じです。↓
これには、唯一の正解はありません。
文字の流れに沿って処理するのが見た目に美しいのでしょうが、削除や訂正する箇所にもよります。文字、ペンの太さや、文字の大きさに合わせて、臨機応変に対応するのがよさそうです。
「行」「宛」の場合には、縦書きの場合は縦の二重線、横書きの場合は横の二重線で消すのが一般的ですが、二重線がわかりにくくなるような時には、斜めの二重線で消しても問題ありません。
大切なのは、その文字を消したことが、間違いなくわかることです。
返信用封筒であれば、定規を使うほどではありませんが、フリーハンドでもきれいな平行線を書くよう心掛けたいものです。
返信用封筒・ハガキの縦書きと横書きでの敬称の書き方
縦書きと横書きでは次のように文字の流れ、読み手の視線の流れにあわせて敬称を書き足します。
「御中」と「様」の使い分けは?
会社や部署などの場合は「御中」、個人名がつく場合は「様」をつけます。
・会社宛:〇〇株式会社 御中
・部署宛:〇〇株式会社 ××課 御中
・個人名:〇〇株式会社 〇〇様
・担当者名不明などの場合: 〇〇株式会社 ××課 ご担当者様
間違いやすいものに「殿」があります。これは、目上の方から目下への敬称ですから、使う相手を選びます。個人名であれば、「様」が間違いありません。
「御中」や「様」を書く場所は?
前述の文字の削除や訂正の仕方と同様に、唯一の正解はありませんが、文字の流れに従って処理すると見た目にも美しいです。
・縦書きの場合:削除した「行」「宛」の左か下
・横書きの場合:削除した「行」「宛」の右か下
・担当者名がシャチハタなどで押印されている場合には、名前は消さずに下(横書きなら右)に「様」を書き加えます
使用頻度が高いなら、スタンプを使うと便利です。
返信用封筒に差出人名を書くべき?
返信用封筒の裏面には、差出人を記入するのが基本です。
・縦書きの場合には左下、横書きの場合には右下に記入
・ビジネスの場合:所在地、会社名、部署名、担当者名
・プライベートの場合:住所、氏名
→ プライベートの場合、返信する相手方や内容によって省略することも可能です
返信用封筒がある場合、相手の宛先は記入されていることがほとんどです。
宛先に間違いはありません(ないはず)ので、差出人の記入は不要にも思われますが、送り主や担当者が誰からの返信かすぐにわかるように記入するのが一般的です。
また、なんらかのトラブルがあって送付先(相手方)へ配達できない場合には、送り主に返送されますので、念のため記入しておくのが無難です。
プライベートの場合には、返信する相手や内容によって、省略しても構いません。
親戚や友人への返信や、開封しなくても差出人がわかってほしいような内容であれば、差出人は記入する方がいいです。
行政や保険会社などへの書類提出などで、返信用封筒の宛先が印字やスタンプの押印がある場合、私は差出人名を省略しています。
返信用封筒が相手の社名入り封筒の場合はどうする?
返信用封筒が、相手方の社名入りであることは珍しいことではありません。
◉ 表面
・通常、表面に会社名や住所がプリントされているはずですが、それはそのままに
・相手の社名等を線で消したり、大きく❌印などをつけるようなことはしない
◉ 裏面
・差出人の住所・氏名、あるいは会社名・所在地・部署・担当者名 を記入
→ プライベートの場合、返信する相手方や内容によって省略することも可能
相手方が差出人ではないので、気になるかもしれませんが、「差出人ではありませんよ」と消してしまうことは、相手に対して失礼とされています。
返信用封筒の封の仕方で〆(しめ)は必要?
封をした後に「〆」「締」「緘」マークを記入するか悩むこともありますが、内容によって使い分けすれば大丈夫です。
【〆マークのもつ意味】
- しっかり封をしたことの確認(自分)
- しっかり封をしたことを相手に伝える
- 開封していないことを示す
- 大事な書類であることを示す
例:契約書、再発行できないもの、重要書類の原本、招待状、領収書など - 親展扱いとなり「宛名の人以外は開封してはいけない」ことを示す
決まりごとはありませんので、相手や同封する内容物の重要度に合わせて、「〆」マークを記入するか判断すればいいでしょう。
「〆マーク」ですが、漢字によって格式の高さが異なります。
緘 > 締 > 〆
「緘」がフォーマル、「締」が丁寧、「〆」はカジュアル、という感じです。
漢字の使い分けが面倒であれば、スタンプに限ります。
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時代の流れなのか、「行」「宛」を二重線で決して、「様」「御中」を書き加えるのは、「めんどくさい」「無駄」とも思われているようですが、これこそ慣習ですからあまり細かいことは気にせずに、「そういうもの」とサラッと作業するのがポイントです。
時間にして数秒です。逆に、そんな些細なことに感情的に反応することの方が、よほど効率が悪いです。
文字の消し方、敬称の書き方、書く位置に、絶対的なルールはありません。相手や文字の大きさ、文字の配置などから、臨機応変に対応するものなのですから、どれか1つをとって「これがマナー」というもの、それはそれでおかしな話だとは思っています。怖いですね、マナー。。
無駄なエネルギーを使わないように、この手のものは基本を時々確認して、条件反射のように対応するに限りますね。