古民家をリノベーションするのは、家を新築するよりも面白いです。
学ぶべきことも沢山あり、それは今後の暮らしにとても役立つことになります。
ちなみに、リペア・リフォーム・リノベーションは、意味合いが異なります。
- リペア:基本的に原状に基づいて修繕・修復すること
- リフォーム:部分的に新しくする、交換する、模様替えすること
- リノベーション:間取り変更や床壁張り替えなどの大規模な改装、または、古民家レストランやカフェなど営業仕様にすること
【リノベーションとリフォームの違い】
Wikipedia
リノベーションとリフォームは混同されやすい言葉である。
どちらも住宅に手を加える点では同じだが、厳密にはその目的の部分で次のような違いがある。
リフォームは「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」を指し、元に戻すための修復の意味合いが強い。
古くなったキッチンを新しいものに変えることや、汚れた壁紙を張り替えるなどの小規模な工事は「リフォーム」に分類される。
一方リノベーションは、修復だけでなく「用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりする」行為も含むため、より良く作り替えるという目的が含まれている。
工事の規模も、間取りの変更を伴うような大規模なものを指すことが多い。
英語ではどちらも「renovation」であり、reformは住宅の改修という意味では使われない。
古民家/ボロ家 リノベーションのプランニング
古民家やボロ家、築古物件をどうリノベーションするか、、
何はともあれ、先ずはプランニングです。
プランニングが古民家リノベーションで最も大事なフェーズであることは言うまでもありません。
古い柱や梁はそのままに、無垢材の床、珪藻土の壁など、自然素材を生かした空間にしたり、既製品ではなくオリジナルキッチンや洗面カウンター、ヒノキのお風呂などを造作することも可能です。
また、都会暮らしではできなかった、ウッドデッキ、庭にピザ窯やBBQコンロを作ったり、自然菜園やビオトープを作ったりと、古民家リノベーションの可能性は無限大、夢が広がります。
しかし、いくら古民家物件を格安で手に入れたとしても、リノベーションにかかる費用は都会の戸建てやマンションをリノベーションするのと同じ、もしくはそれ以上かかります。
そもそもで物件が古いので、現在仕様の設備がスッポリ収まらないことは珍しくありませんし、解体してみたら構造部が腐食して耐久性に問題あった、大丈夫と思っていた箇所も改修が必要だった、、など、想定外のことは普通に起こります。
むしろ、そのまま進まないことが想定内くらいな感じです。
そのため、古民家リノベーションにかかる費用は、マンションなどのリノベーションと違い、事前に判りにくいのです。
プランを固めて見積もりを取り、予算内で収めていても、工事中に変更や追加工事が必要となり予算オーバーとなるものと思っておいた方がいいです。
それを理解した上で、早い段階から専門家と相談しながらプランを練り上げていくのが賢明です。
物件の状態によって異なりますが、古民家リノベーションプランを相談する際のポイントを記します。
イメージを具体化・言語化していく
どのようにリノベーションしたいかを、具体化・言語化して、相手に明確に伝える必要があります。
- 間取りをどうするか?
- 床、壁をどうするか?
- 窓をどうするか?
- 水回りの位置をどうするか?
- キッチン、トイレ、風呂をどうするか?
- 玄関、外壁、外構をどうするか?
- インテリアをどうするか?
- バリアフリーなどの考え方
希望するイメージや理想像の写真やイラスト等の画像、箇条書きでもいいので相手に間違いなく伝わる言葉で伝えなければ、やり取りに無駄な時間や労力がかかります。
費用に含まれる範囲の確認
見積もりを取る場合、リノベーションの工事に関わる箇所だけに注目しがちですが、古民家/ボロ家などの場合には、残置物の撤去、解体、廃材撤去費用なども含まれているのか、必ず確認してください。
リフォームやリノベーションの場合、解体や廃材撤去費用は「一式」などで含まれることが多いです。この場合の「廃材」とは、工事に関わるもののことです。特に、残置物がある場合には、よく確認しておきましょう。
工事内容をグループ分け
自分の希望などを具体的に伝えることとは別に、希望内容をグループ分けしておく必要があります。
- 絶対に必要なこと
- できればしたいこと
- 予算内ならしたいこと
これは、初期の段階で明確にグループ分けしておくことで、予算オーバーになった場合の判断基準になります。
もちろん、途中で変更しても構いません。その場合でも、きっちりグループ分けし直すことが大切です。
リフォーム業者に伝える必要はありません。ただ、家族の中では共通理解としておくと、モメたり、後悔したり、完工後誰かのせいにしたり、、、というトラブルの予防になります。
尚、予算も同様。自分たちの中でのマックスの予算と、業者に伝える予算とをわけておくのも基本です。
仮に、自分たちのマックス予算が1000万円だとしたら、業者に伝えるのは800〜850万円とかにしておくのです。そうすれば、追加工事などが発生しても、マックス予算内に収めやすくなります。
家に関する工事は、高額になります。DIYでセルフリノベーションもできますが、一般には専門職にお任せするものなのです。
でも、業者お任せで安心安全ではありません。騙されない、後悔しないためにも、施主自身も知識武装しておく必要があります。
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古民家リノベーションを相談し委託する
どんなに希望しても叶わないことが多いのも古民家リノベーションです。
費用にも大きく影響するので、上記の相談ポイントを整理し、専門家に伝え、今後の作業工程と費用見積もりと合わせて、デザイン提案してもらいましょう。
ここでいう専門家とは、建築家(設計士)のことですが、リフォームやリノベーションを手掛ける工務店など業者にも建築家(設計士)はいます。
建築家の事務所にお願いするか、リフォーム業者にお願いするかは、最初の窓口となる会社が違うだけのことですので、どちらにお願いしても同じです。
いずれにせよ、信頼できる人に相談することが肝心です。
特に、古民家の場合には特殊案件とも言えるので、実績がある人/会社にお願いするようにしましょう。
知り合い関係で信頼できる専門家が見つからない場合は、一括見積もりサイトを利用して、地域の業者を紹介してもらうのがオススメです。
リフォームやリノベーションをするなら、今後のメンテナンスも兼ねて、地元の工務店などに依頼するのが賢明ですが、現在は物件近くの業者を審査してから紹介してくれるサービスもあります。
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古民家リノベーションを予算内に収めるコツ
予算には限界がありますから、どこかで妥協することも必要になります。
基本的にリノベーション費用は面積に比例します。その中で一番費用がかかるのは床材です。
面積が広ければ広いほど、床材選びで大きく費用が変わってきます。
例えば、床材を複合フローリングにするか、無垢材にするか、無垢材なら木材の種類をどうするかで、材料費は倍〜数倍程度も違ってきます。一番目立つ、いつも触れる、快適性にも影響する箇所なので床材選びは大事です。
地方のホームセンターでは、無垢材がセールで格安に手に入ることもあります。時間的に余裕があれば、店頭になくても取り寄せてもらうこともできます。
業者に依頼する場合でも、施主支給、つまり建築資材等を施主側で用意してもいいか聞いてみるといいでしょう。
私たちはセルフリノベーションでしたので、ホームセンターから杉の無垢材を購入し、軽トラで何度か運びました。費用は、相当抑えられますが、結構大変です。
ホームセンターの場合、配送(おそらく有料)もしてもらえます。
あとは住設、システムキッチンやバス、トイレです。これも選び方によっては費用に大きく影響します。
さまざまなグレードがあり、オプションの違いもありますが、最新型ではなく少し古い型のものは安く提供されています。性能的にはさほど変わりませんので、旧年式/型落ちを手配できるかどうかも相談してみると良いでしょう。
全ての希望を専門家に伝えてください。
そして提示してもらう見積もりには、どんな材料や設備を使うのか記載してもらい、仕様書なども必ず確認しましょう。
予算を一番抑える方法は、DIY・セルフリノベーションです。多少の建築知識があり、手先が器用で、DIYを楽しめて、時間にも体力にも余裕がある方であれば、大丈夫でしょう。
建てるとなると、建築申請や基礎工事、躯体(建築物の構造体)などもありますので、セルフビルドはハードルがかなり高いです。
でも古民家のリノベーションであれば、既存の基礎や構造物を利用します。補強等が必要でも、柱や梁、屋根など難易度が高い工事箇所をそのまま生かすこともできます。
時間はかかるかもしれませんが、床・壁、外装など、自らが手がけることは不可能ではありません。
中古物件(しかも格安)なこともあり、大胆に、そして気軽にやれるので、ものづくりが好きな人にはオススメです。
セルフリノベーションにチャレンジしてみたいと思ったら、まずは少し勉強することから始めましょう。
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古民家リノベーションで大切なものを再生させる
格安で手に入れた、それだけの価値しか無いとされた古民家が、あなたの手でリノベーションすることで、物件価値は格段に高まります。
将来的に、自分が住まなくなり、手放すことになっても、手に入れた価格よりも遥かに高く売却または貸すことが出来るので、古民家リノベーションは自己投資でもあり不動産投資にもなるのです。
あなたの手によって建物も、その土地も再生される古民家リノベーションは、その場所を次代につなぐ意義あるソーシャル活動でもあるのです。
自分のため、古き良き家と暮らしの”再生”とその地の景観の”保存”のため、古民家リノベーションはこれからの時代に相応しい”仕事(私事)”だと思います。
再生と保存の仕事(私事)=古民家リノベーションは”解体“から始まります。↓