古民家や築年数の経過した古い家には、土壁・砂壁があります。
土壁や砂壁は、経年劣化で剥がれ落ちてきますが、壁の一部または全体を改装=リフォームすることで、屋内が見違えるようにキレイで明るくになります。
古民家/築古/ボロ家などの土壁・砂壁の補修やリフォームの考え方や方法をご紹介します。
古民家の土壁・砂壁を補修・改装/リフォームする方法
古民家/築古/ボロ家などの土壁・砂壁は、物件の状態にもよりますが、経年劣化による損傷があります。
DIY、つまりセルフで補修・リフォームすることの難易度は低くありません。作業方法によっては、難易度高めです。
そもそも大きな面なので仕上がりが目立つこと、脚立などにあがっての高所の作業もあることなどがその理由です。
吹き抜けのように壁の位置が高いこともあります。
私は、高所が苦手なので、足元がおぼつかず作業がさっぱり進まない箇所もありました。。
業者に頼む方が、費用はかかりますが、早くキレイに仕上がることは間違いありません。
ただ作業箇所の範囲が狭い・低い場合には、自分でもできます。まずは、壁の補修・改装(リフォーム)基礎知識や選択肢を理解しておきましょう。
【土壁・砂壁の補修・リフォーム方法】
- 既存の土壁・砂壁を補修
- 既存の土壁・砂壁を再生/再現
- 珪藻土
- 漆喰
- 塗装
- クロス張り
- 板張り
- 石塗り
それぞれ簡単に解説していきます。予算やスケジュール、自分のイメージに合わせて、補修やリフォーム方法を選んでみてください。
土壁・砂壁の補修・リフォーム:既存の土壁・砂壁を補修
既存の土壁・砂壁の損傷が一部の場合には、傷んだ箇所だけ部分的に補修するのが一番簡単。時間・費用・手間も最小です。
補修剤があります。水を加えて練って、補修するだけです。
※ 砂壁は色も選べます。
土壁・砂壁の補修・リフォーム:既存の土壁・砂壁を再生/再現
古民家の土壁を土の材料から工法まで忠実に再生/再現する方法もあります。
古民家の壁は、地元の気候と風土に合った地元産の土が使われているケースが多々あります。
素材や工法にこだわりがなければ、塗り替えて再生することも可能ですが、かなり難易度は高めです。左官屋さんに頼む方が良さそうです。
土壁・砂壁の補修・リフォーム:珪藻土
古民家に限らず今人気なのが「珪藻土」の壁です。
珪藻土は植物性プランクトンなどが堆積した地層の土で、通気性や湿度調整性能が高いことから、とても人気の壁材です。表面がツブツブとした質感で仕上がるので、上品で温もりのある仕上がりになります。
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古壁 、センイ壁、ジュラク壁、しっくい、コンクリート、モルタル・合板等に使用できます。色も選べますし、ローラー(別)で塗ることができるので、簡単です。
珪藻土の場合には、アク止め、シミ止め、下地補強といった塗り替え前の準備が必要です。↓
私も使ったことがありますが、使いやすくてオススメです。
大きい面に塗る前に、目立たない箇所から始めるとそれなりにコツが掴めます。
土壁・砂壁の補修・リフォーム:漆喰
古民家リノベーションで良く使われるのが「漆喰」です。
漆喰は石灰岩を焼いて作られる材料で、白くてツルツルとした城壁などにも使われるお馴染みの壁材です。江戸時代より前から日本の家屋に使われている材料なので古民家の壁のリフォームにもよく使われます。
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土壁・砂壁の補修・リフォーム:塗装
珪藻土や漆喰の代わりに「塗装」することも可能です。
土壁や砂壁でも表面をキレイにし、損傷などを補修すれば、下地処理をしてそのまま塗装することも可能です。この場合は、既存の壁の質感が残ります。
損傷がひどい場合には、既存の壁に薄いベニヤ板等を貼ってから、塗装することでキレイに仕上がります。
珪藻土や漆喰よりも、質感や色のバリエーションが豊富なので、好みや予算に合わせて選べます。
土壁・砂壁の補修・リフォーム:クロス張り
もっとも効率的な方法は「クロス張り」です。工期も短く費用も安いです。
【土壁・砂壁からクロス張りにする方法】
- 残存する土壁の表面を修繕・平らにし、その上に直接クロスを張る
- 土壁の上に石膏ボードや合板を張って、その上にクロスを張る
クロスの素材は、ビニール、和紙、織物など色々あり、見た目や風合いはもちろん、抗菌性や断熱性、吸音性能など機能も様々です。デザインパターンも豊富なので、部屋の雰囲気に合わせて使い分けることも可能です。
既存の壁にそのままクロスを貼る場合でも、下地調整は必要です。Amazonの1番人気がこちら↓
私たちが住居にした箇所は、私たちの技術では修復不可能レベルに土壁が損傷していました。左官屋さんに再生してもらう余裕もなかったので、合板を張ってクロス張りに。
床は杉の無垢材に張り替えたので、明るく温かみのある部屋に仕上がりました!
土壁・砂壁の補修・リフォーム:板張りにする
個人的に最もオススメしたいのが、壁に天然の木を張るリフォームです。
空間全体のグレードがぐんと上がりますし、壁に何かを貼ったり吊るしたりしやすくなります。また、天然木を使った壁材は、手触りも、香りもよく、調湿機能もあるので、部屋を快適に心から癒される心地のいい空間にしてくれます。
経年で色がいい感じに変化していく楽しみもあります。
板の素材、縦に張るか、横に張るか、塗料などによって、部屋の雰囲気が劇的に変わります。ある意味、もっともセンスを問われるリフォームかもしれません。
土壁・砂壁の補修・リフォーム:石張り
日本の古民家にはあまり使われませんが、西洋の古民家では「天然石」の壁は定番です。
天然石は、水や火に強く、耐久性も抜群。経年劣化しにくくメンテナンスフリーで、オシャレで豪華に仕上がります。古民家を店舗にリノベーションする場合にはよく使われます。
様々な色や形の天然石がありますが、消臭性に優れたコーラルストーンや、硬度が高く高級感ある大理石や御影石などが定番です。
壁の下処理含め、DIY上級者向けです。
土壁・砂壁の修繕・リフォームには必要なのは手間と時間
古民家/築古/ボロ家などの土壁・砂壁の補修・改装工事は、損傷部分の深さや範囲を調べ、損傷部分に下地となる土を塗りこんでいく作業から始まります。
塗りと乾燥の工程を何度も繰り返す作業なので、時間がかかります。2時間程度で乾燥するとされているものもありますが、基本的には24時間程度おいた方が間違いありません。
同日に同じ面の作業はできない、と考えておく方が無難です。
修繕/リペア・改装リフォームの範囲が広ければ広い分、時間も費用も手間もかかるのです。
DIY〜セルフリノベーションで壁のリフォームに挑戦してみたい、という方は、ぜひ見てください。↓
塗るだけなら楽しくDIY出来そうなのですが(塗るだけでも難しいですけど)、壁の材料以外にも、養生のためのシートや脚立、いくつかの工具や道具なども必要です。
古民家の壁は、材料が特殊であったり、土壁の場合は骨組み部分の補修が必要であったりと、単なる左官工事とは違うので、工事を請け負ってくれる業者の数自体が限られるケースも少なくありません。技術的にも費用的にも、古民家の壁の改修・改装は難易度が高いです。
上記の方法でもっとも一般的で、もっとも安く早く仕上がり、どの業者でも対応可能なのは「クロス張り」です。
「クロス張り」だと複数の業者に相見積もりをとることができます。競争原理が働き、安価で対応してくれる業者が見つかりやすくなります。
DIY、セルフリノベーション自体に魅力を感じている方は、時間と手間をかけて楽しみながら取り組んでみてください。
手っ取り早くキレイに仕上げたい方は、多少の費用を払って業者にお願いするのがオススメです。
リフォームやリノベーションをするなら、今後のメンテナンスも兼ねて、地元の工務店などに依頼するのが賢明ですが、現在は物件近くの業者を審査してから紹介してくれるサービスもあります。
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