2025年 茅の輪くぐり〜夏越の祓・大祓はいつ、神社にある大きな輪の名前、由来、くぐり方、作法、帰り方
6月末や年末になると、神社本殿前などに設置される大きな輪についてまとめておきます。
神社に設置されている大きな輪の名前や由来は?
大きな輪の名前や呼び方・読み方
6月下旬や年末になると、神社の境内に大きな輪が設置されます。
これは「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれます。チガヤやススキなどのイネ科の草で編んだ輪です。

「茅の輪」の形状は、時期や神社によって異なります。基本的には、氏子や地域の世話人などが協力して毎回新しい茅の輪を製作しています。
採ったばかりの緑色の草から作る「茅の輪」もあれば、乾燥して茶色くなった草で作る「茅の輪」もあります。ぎゅっと縛られたものもあれば、モサモサしているものもあります。


「茅の輪くぐり」の由来
神社の境内に設置された大きな「茅の輪」を潜り抜けるのが、「茅の輪くぐり」。地域によっては「輪くぐりさん」などとも呼ばれます。
半年間の罪や穢れを祓い清め、病気や厄災を免れることができる、厄落としとして行われます。
この「茅の輪くぐり」は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の神話に由来します。
素盞嗚尊が旅の途中で日が暮れてしまい、一夜の宿を求めていました。
裕福な暮らしをしていた巨旦将来(こたんしょうらい)に宿を求めますが、彼はこれを断り、素盞嗚尊を追い出しました。一方、貧しいながらも心優しい蘇民将来は、素盞嗚尊を快く家に泊め、栗飯などで精一杯もてなしました。
素盞嗚尊は、蘇民将来の親切に深く感謝し、お礼として「もし疫病が流行したら、茅(ちがや)で作った輪を腰につけなさい。そうすれば疫病から免れることができるだろう」と伝えました。
その後、世に疫病が流行し、巨旦将来の一族は滅びてしまいましたが、素盞嗚尊の教えに従って茅の輪を身につけていた蘇民将来の子孫は、疫病から逃れて繁栄したと伝えられています。
「茅の輪」が飾られている期間
茅の輪は毎年6月30日に行われる「夏越の祓」と、毎年12月31日に行われる「年越の大祓」に合わせて設置されます。
設置期間は神社によって異なりますが:
6月中旬から下旬頃に設置され、6月30日を挟んで7月上旬まで飾られていることが多いようです。
早い神社では6月1日から設置されるところもありますし、遅い神社では6月下旬から飾り7月中旬まで飾っているところもあります。
12月中旬から下旬頃に設置され、12月31日を挟んで正月三ヶ日まで飾られていることもあります。
夏越の祓・大祓とは
大祓(おおはらえ)とは、自らの心身の穢れや災厄の原因となる諸々の罪・過ちを祓い清める(引用:神社本庁)ために、6月・12月の末日に宮中や神社で行う神事のこと。
夏越の祓(なごしのはらえ)
毎年6月30日に行われる大祓を「夏越の祓」(なごしのはらえ)、「夏越大祓」(なごしのおおはらえ)、「茅輪神事」(ちのわしんじ)、「六月祓」(ろくがつばらえ)、「水無月祓」(みなづきばらえ)などとも呼びます。
- 時期:毎年6月30日
- 目的:
上半期の罪穢れを祓い清め、残りの半年間を無事に、健やかに過ごせるように祈願する
特に、暑い夏を乗り切るための無病息災の意味合いが強い - 主な行事:
茅の輪くぐり:茅(ちがや)で作られた大きな輪をくぐることで、心身の穢れを祓い清める
人形(ひとがた)祓い:紙で作られた人の形に自分の名前や年齢を書き、息を吹きかけたり、体をなでたりして穢れを移し、それを神社に納めてお祓いしてもらう(または水に流す)
年越の大祓(としこしのおおはらえ)
毎年12月31日に行われる大祓は「年越の大祓」、「師走大祓」(しわすのおおはらえ)、「年終い大祓」(としおおいのおおはらえ)などとも呼ばれます。
- 時期:毎年12月31日
- 目的:
下半期、そして1年間を通しての罪穢れを祓い清め、清らかな心身で新しい年(新年)を迎えられるように祈願する - 主な行事:
茅の輪くぐり:夏越の祓と同様に、茅の輪をくぐり、心身の穢れを祓い清める
人形(ひとがた)祓い:夏越の祓と同様に、人形に穢れを移して祓い清める
大祓詞(おおはらえことば)奏上:神職が、罪穢を祓い清めるための祝詞である「大祓詞」を読み上げる
2025年の夏越の祓・大祓はいつ
6月の夏越の祓も、12月の年越の大祓も、月末に行われる神事です。曜日に関係なく、毎年日にちで行われます。
夏越の祓:2025年6月30日(月)
年越の大祓:2025年12月31日(水)
茅の輪くぐり〜意味、くぐり方・やり方・作法・帰り方
茅の輪くぐり(ちのわくぐり)とは、 神社の境内に設置された大きな「茅の輪」を潜り抜けることで、半年間の罪や穢れを祓い清め、病気や厄災を免れることができる、厄落としとして行われます。
茅の輪のくぐり方
茅の輪の設置期間や作法は神社によって異なりますが、一般には8の字を描くように左・右・左と3度くぐり抜けます。その際に、「ご神歌(かみうた)」や「唱え詞(となえことば)」を唱えたり、心で念じながらくぐります。

各神社のくぐり方/やり方の作法は、設置された茅の輪の近くに掲示されています。くぐる前に確認しましょう。

お正月は、新年のお詣りで混雑することもあり、茅の輪を3度くぐるのではなく、1度くぐって参拝する場合もあります。
茅の輪くぐりからの帰り方
参拝後は、もう一度茅の輪を潜る必要はありません。茅の輪の横を通って帰ります。
茅の輪くぐりのやり方を間違えた!
茅の輪のくぐり方を間違えてしまうこともあります。
その場合は、やり方を確認し、一息ついて、最初からやり直してみましょう。
日本の神様は、心が広いです。悪意のない間違いに対して機嫌を損ねたり、バチがあたるようなことはありません。









