仏壇が家にない!新盆/初盆・お盆はどうする!?

お盆は、日本古来の先祖供養の風習です。

お盆に先祖の霊が帰ってくる、というのは仏教の考え方ではありません。

ただ、お盆、特に新盆/初盆では法要を営み、僧侶に読経していただくことが多いため、仏教の行事のひとつのように感じられ、コトが難しくなっているようです。

目次

仏壇の所有率はどのくらい?

仏壇の所有率

2019年4月に楽天インサイトの調査によると、家に仏壇があるのは42%

60代になると所有率が55%になりますが、50代以下では余裕で半数割が現実です。

出典:楽天インサイト

【調査概要】
調査エリア  :全国
調査対象者  :20歳~69歳 男女
回収サンプル数:1,000サンプル
調査期間   : 2019年4月10日と4月11日
調査実施機関 :楽天インサイト株式会社

新盆/初盆を含めたお盆行事や、日々の仏壇へのお参りなど、仏壇があるのは当然のように書かれている記事も多く見かけますが、家に仏壇がある世帯は半数にも満たない、という事実をまず確認しておきましょう。

長男じゃないから仏壇がないのは正しい?

仏壇やお墓は祭祀主催者が承継します。多くの場合、長男です。

次男以降や女性の多くは祭祀主催者でないため、自分の家族(配偶者や子)が亡くなり新しいお墓を建てるまで、管理すべきお墓を持ちません

でも、仏壇は、本尊を祀り仏様に祈りを捧げる場、ミニチュア菩提寺なのですから、信仰があれば誰でも持つことができます。故人の霊が宿る位牌がなくても、仏壇があってもいいのです。

位牌も一霊につき1つ(1基)である必要はなく、複数あってもいいのです。

次男でも、仏壇と親の位牌を自宅に祀ることになんの問題もありません
位牌を複数用意するには、祭祀主催者や家族の理解は必要になるかと思いますが、、

次男だから、三男だから、あるいは次男に嫁いだから、というのは、仏壇を持たない理由にはならないのです。

ただ、仏壇を持たない家の親や配偶者、子が亡くなったことをきっかけに仏壇を用意することが多い、というだけの話です。

故人や先祖供養という意味であれば、仏壇なしで位牌と香炉・花立て・ローソク立てがあれば家でも供養できるとされています。

家に仏壇がない!新盆/初盆・お盆はどうする?

上述の通り、現在家に仏壇のある世帯は半数を切ります。家族の没後、仏壇を用意することもありますが、住宅事情等で仏壇のない家は少なくないのが現状です。

「実家にあっても自宅にない」場合も、「仏壇がない」に含まれます。仏壇のある家でお盆を迎える人の割合ではありません。

仏壇のない家ではお盆を迎えられないなんてことはありえません。仏壇はなくても、新盆/初盆やお盆の行事を営むことはできます。

  • 精霊棚(盆棚)に飾る
  • テーブルや台の上に盆飾りをする
  • 飾りものなしでお盆を迎える

精霊棚/盆棚に飾る

精霊棚/盆棚に盆飾りをします。位牌はあれば位牌も飾りますが、位牌がない場合には飾らなくても問題はありません。

精霊棚/盆棚は、簡易的な台です。ホームセンターやオンラインで数千円程度から購入できます。2段か3段が一般的です。幅も選べます。

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仏壇屋 滝田商店は、東京浅草にある大正2年創業の仏壇・仏具の専門店です。品質も、対応も間違いありません。

盆提灯や白提灯(新盆/初盆用)、仏膳(霊供膳)などまで一式揃っているセットもあります。セット内容もいろいろありますので、サイズ、予算、必要なものを確認して用意されてもいいでしょう。

テーブルや台の上に盆飾りをする

精霊棚/盆棚ではなく、テーブルや台の上に飾っても構いません。

新盆/初盆参りで親戚が訪れる予定があれば、お参りしやすい場所に設置するといいでしょう。

飾りものなしで新盆/初盆・お盆を迎える

自宅でお盆を迎える、訪問客の予定がない、住宅事情やご自身・家族の考え方によっては、一切の盆飾りをしないで、ご先祖様や故人の供養をしても、問題はありません。

香炉・花立て・ローソク立ての3点をそろえれば、仏壇がなくても家で簡単に供養できるとされています。その3点でお盆の供養をしてもいでしょうし、それもない場合には、故人の写真などを飾って供養してもいいのです。

お盆は宗教儀式ではなく風習

お盆時期に、新盆/初盆法要もありますが、お盆そのものは宗教儀式ではなく、先祖供養の風習です。風俗習慣です。

そのため、行事や飾るもの、飾り方も、宗派よりも地域慣習や家の考え方が強く影響するのです。同じ県内でも、先祖供養の意識が強い、ムラ社会的な慣習が根強い地域もあれば、ユルユルの地域もあります。

風習として伝えられたものが、「一般的」とされることはありますが、必ずしもそれに従わなければならないものでも、従わないとバチがあたるわけでも、故人が成仏できないわけでもありません。

風習ですから、一般的な方法が難しい場合には、別に他の方法でもいいのです。大切なのは、故人を偲び、ご先祖さまに感謝する気持ちです。

お盆にまつわる細かな疑問

お盆は、先祖供養の風習ですから、あまり細かいことは気にしなくても大丈夫です。

家や仏壇の引越しをしたら故人の魂はどこに帰る?

家の引越し等で、仏壇や位牌も引越しをした場合でも、迎える家族のいる新しい場所にご先祖様や故人の魂は戻ってきます

ご先祖様や故人と新しい地が関係ない場合、「帰る」「戻る」というのはおかしな日本語ですから、正しく言えば「来る」ことになるのかもしれませんが、、いずれにしても、迎える家族のもとに戻ります。

ご先祖さまも故人も、戻られるのは「魂」です。迎える家族の「心」に戻ってくるので、物理的な住所は関係ありません。知らぬ土地だからと、迷子になることもありません。

どうしても気になるなら、お盆前に仏壇や墓前で新しい住所を伝えておくと、安心ですね。

空き家の実家に仏壇があるなら故人の魂はどこに帰る?

空き家の実家に仏壇がある場合、家族が「普段空き家の実家」でお盆を迎えるなら、ご先祖様や故人の魂は、「普段空き家の実家」に戻ります。

仏壇のある実家ではなく、仏壇のない自分の家でお盆を迎えるなら?

なんらかの事情で実家に帰れない場合も同様です。

仏壇のある実家で誰もお盆を迎えず、仏壇のない自分の家でお盆を迎えるなら、あなたや家族のいる家にご先祖様や故人の魂が戻ります

ご先祖さまも故人も、戻られるのは「魂」です。迎える家族の「心」に戻ってくるので、物理的な住所は関係ありません。

実家は実家でお盆を迎え、自分は自分でお盆を迎えたとしても、あなたの心にご先祖様や故人の魂は戻ります。

要は、迎える側、供養する側の気持ちの問題なのです。

どこにいようと、仏壇があろうとなかろうと、ご先祖様や故人を思い供養する気持ちがあれば、そこにご先祖様や故人の魂は戻るのです。それが、日本の先祖供養の心です。

新盆/初盆・お盆期間は仏壇を閉める?開けたまま?

仏教では、お葬式(通夜・葬儀・告別式)でも、基本的には仏壇を閉じることはありません。お盆も同様です。

ただ、地域慣習、菩提寺や家の考え方によっては、閉じることもあります。他にも、お盆飾り(精霊棚/盆棚等)の配置等によって、仏壇が空っぽになる場合には閉めることもあります。

仏壇の扉の開け閉めに関しては、朝開けて夜閉める、常に開けておくでも、考え方が分かれます。宗派というよりも、寺院(僧侶)や家の考え方の違いで、これにも正解はありません。

風習は時代と個々人の都合によって変化するもの

風習は、時代と共に変化します。加えて、個々人の都合によっても、変化します。

これ以上でも、これ以下でもないと思うのですが、それでも心配な方のために、もう少し。。

風習は、風俗習慣でしかない例をご紹介しておきます。

浄土真宗ではお盆をしないのに提灯は飾るの!?

浄土真宗には、初盆や毎年のお盆という考え方がありません。

浄土真宗では、亡くなるとすぐに成仏します。この世に故人の霊が留まるという考え方も、家にお迎えする故人の霊もないのですから、いわゆる新盆・初盆がない、そもそもでお盆という考え方がないのです。

その代わり、故人に感謝し、故人を偲びつつ、仏様の教えに触れる大切な機会として、歓喜会(かんぎえ)が営まれます。

先祖供養ではなく、現世に生きる者たちのために、僧侶に読経していただきます。僧侶の説法を聞き、仏様の教えに触れ、念仏を唱え火を灯し、香や花をお供えし、この機会を与えてくれた先人に感謝するのです。

お盆期間には、歓喜会の飾りつけをしますが、迎え火・送り火を焚いたり、精霊棚・精霊馬・盆提灯などの飾りはありません

ただ、地方や家の考え方によっては、盆提灯や白提灯を飾ることもあるようです。

その場合、ご先祖様や故人の魂が戻ってくるための道標という意味はなく、あくまでも飾りつけの一つにすぎないと、解釈されます。

道標・目標ではなく、ただの飾りとしての盆提灯・白提灯というのは、お盆行事を大切にしている方から見れば腑に落ちないかもしれませんが、結局風習とはそういうものなのです。

精霊馬はナスとキュウリじゃないの!?

盆飾りの代表でもある、「精霊馬(しょうりょううま)」。キュウリとナスに4本のお箸を差し、馬と牛を模した盆飾りです。

キュウリ…「迎えの馬」
「ご先祖様が足の速い馬に乗って、はやく戻ってこれるように」
ナス…「送りの牛」
「ご先祖様が足の遅い牛に乗って、お土産と一緒にゆっくり帰れるように」

いつからそうなったのか、なぜナスとキュウリなのか由来は不明とはいえ、風習です。お盆が終わると、「役が終わった」ということで、過去には川や海に流したり、土に埋めて還したり、お焚き上げをしていました。

現在は、環境への配慮や条例の規制もあり、家に庭があれば土に埋めることはあっても、家庭ゴミとして処分することが多いです。

夏の蒸し暑い時期に飾るものですから、傷みもありそもそも食べられる状態ではないのでしょうが、言われとしては「役を終えた」ので、適切な方法で処分します。

でも、近年はちりめん、ガラス、クリスタルなど、繰り返し使える精霊馬も人気です。可愛いのもありますが、食品ロスやSDGsへの配慮などさえ謳われます。

それはそれなのですが、飾る人も、売る人も、時代に合わせて、自分の都合に合わせて拡大解釈しているのです。風習とは、そういうものです。

なお、この精霊馬でさえ、ナスときゅうりの向きが、地域慣習や家によって異なります。

先祖や故人の霊が家にいるのに、旅行に行ってもいいの!?

お盆には、ご先祖さまや故人の霊が家に帰ってくるのですから、過去にはお盆時期に旅行に行ったり、親戚以外の人の家に遊びに行くようなことは、非常識と考える家も少なくありませんでした。

社会生活の変化もあり、近年は、本家や墓守りの家のように親族が集まる家でなければ、そのように考える方も減少しています。

実際、お盆期間に海外・国外旅行に出かける人は多くいます。

「お墓参りは別の時に」「帰省もお墓参りも義務じゃない」「今しか休めない」など、様々な理由があります。もちろん、7月盆であれば、8月はただの夏季休暇ですし、国内の場合には帰省もありますので、必ずしも「お盆なのに遊び歩いている」とは言えませんが。

これは、否定・非難されるべき考え方ではありません。みんなそれぞれ、自分の都合のいいように解釈し、風習にも臨機応変に対応しているというだけの話なのです。

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私は、お盆行事や作法を否定しているわけではありません。

ただ、ネット上にある声の大きな人が主張するお盆行事やお盆の作法は、確かにそのようにされてきたものではあるのでしょうが、日本の大多数が今でも当然のこととして、続けているわけではないのも事実です。

風習は、時代と共に変化します。時に、個々人の都合のいいように解釈もされます。

加えて、ライフスタイルや働き方、価値観、家族との関わり方、信仰のあり方も、ほんの10年20年前とも変わってきています。

あまり深く悩まずに、大きな声に振り回されずに、自分自身のやり方でご先祖様と向き合えばいいのだと思います。

今はなんでもネットで検索できるので、検索上位に来るものが「正義」であり「正しさ」となりがちですが、人の気持ちも暮らしも、常に黒白・○✖️はっきりするわけでも、ありません。

自分のライフスタイルや家族との関わり方の中で、気持ちの折り合いをつけることで、心穏やかな暮らしにつながるような気がします。

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この記事を書いた人

アラカン夫婦の備忘録

これからの人生をより心豊かに、より穏やかに生き抜くため知恵や情報をツラツラ綴っています

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