実務者研修 医療的ケアスクーリング〜1日目・2日目の講義内容、テスト内容、難易度、不合格はあるのか、合格のコツを受講者が解説

介護福祉士実務者研修での「医療的ケア」スクーリングの内容や難易度等をまとめておきます。

スクールによって、スクーリングのスケジュール、テスト方法、チェック項目、課題提出方法などが異なります。

私は、通信教育で受講しています。
テキストは自宅学習、課題はオンラインで回答・採点。
介護課程Ⅲと医療的ケアだけが、スクーリング(通学)です。

目次

医療的ケアのスクーリングって何するの?

介護福祉士実務者研修の「医療的ケア」のスクーリングでは、次の内容の演習があります。

実務者研修 医療的ケア 演習内容

  • 痰の吸引
    口腔内吸引:5回以上
    鼻腔内吸引:5回以上
    気管カニューレ内:5回以上
  • 経管栄養
    胃ろう(または腸ろう):5回以上
    経鼻:5回以上
  • 救急蘇生法:1回以上

最初に指導看護師(実地研修で指導を行う看護職員等)による講義や実演があります。

その後、受講生がシミュレーター(人形)を利用して演習を行います。

医療的ケアのスクーリングの流れと内容

医療的ケアのスクーリングの流れ

医療的ケアのスクーリングでは、次のような流れで行われました。

1日目

  • オリエンテーション 20分程度
    :修了申請の方法、修了証発行に関して等
  • 講義 30分程度
    :人間の尊厳と医療の倫理
    :チーム医療
  • 指導看護師による「たんの吸引」の実演と解説
    ・口腔内吸引、鼻腔内吸引、気管カニューレ内部
  • 受講者の実演(練習)と試験

2日目

  • 指導看護師による「経管栄養」の実演と解説
    ・胃ろう(または腸ろう)、経鼻
    ・救急蘇生法
  • 受講者の実演(練習)と試験

指導看護師による実演と解説(1回)の後、少人数のグループに分かれて、シミュレーター(人形)を使い受講生が実演練習を繰り返します

実演テストでのチェック項目(評価項目)が記載されている「評価票」を渡されます。

評価票」には、準備〜実施〜記録までの手順が示されています。これは、スクール独自のものではなく、厚労省が定めた手順です。

それぞれの手順の項目ごとに、手技や確認事項等が、チェック項目(評価項目)として記載されています。そのチェック項目(評価項目)をすべてこなすことが、合格の条件です。

1〜4回目はグループ内で受講生が相互確認、5回目だけは講師が確認し全てのチェック項目(評価項目)をクリアすれば合格です。

1〜4回目の実演練習をしながら、手順や文言を覚えていきます。間違いやモレなどがあれば、同じグループの人が教えてくれます。

Aさん実演中:
 Bさんが評価票をチェック
 BさんCさんが評価票を見ながら抜けモレを伝える
Bさん実演中:
 Cさんが評価票をチェック
 CさんAさんが評価票を見ながら抜けモレを伝える

という感じですから、自分の実演は4回でも、3人グループであれば最低でも12回見たり確認したりできます。

1〜2回目はミスや抜け漏れが多くても、その箇所を復習したり意識すれば、3〜4回目にはそれなりにできるようになります。他の人の実演を見ながら、自分の評価票でも確認できるので、間違えやすい箇所、抜けやすい箇所も分かります。結果、短時間で効率的に手順や文言を覚えることができます。

4回目が終わった人から、指導看護師やスクールの担当者の前で5回目の実演。これが、試験(テスト)。この5回目で、抜けや間違いがなければ無事クリア。

多少の間違い程度はその場でヒントをもらえたりするのでなんとかなります。
受講生全員の前で実演することもなく、練習したグループでそれぞれ実演するので、緊張感もほとんどありません。

なお、1日目は、午前中に口腔内吸引。午後は鼻腔内吸引、気管カニューレ内部を行いました。いずれも、人工呼吸器装着者や人工呼吸療法利用者を想定したものはなしです。

2日目は、胃ろう(腸ろう)と経鼻による経管栄養法の実演演習・テストと、救急蘇生法の実演。

医療的ケア スクーリング テスト/試験

実演のテスト/試験とは

実演のテスト(試験)があるのは、「たんの吸引」3種と、「経管栄養」2種

実演練習でも使用している「評価票」に基づいて行います。評価票の手順ごとに指定された手技や確認事項をミスなく実行できたかが評価されるのです。

評価は、簡単にいえば⭕️か❌か。要は、自分一人でできたかできないかだけです。

手順自体は、厚労省が定めたものですが、評価項目はスクールによって異なる場合があります。

私が受講したスクールでは、「たんの吸引」が約35項目、「経管栄養」が約20項目。
1項目にも、複数の項目があるので、実際にはもっと多いのですが、流れで覚えればさほど難しくありません。

筆記試験はあるのか

受講している実務者研修が通信教育であれば、スクーリング時に筆記試験がない可能性が高いです。

その代わり、スクーリング前に課題提出が義務付けられているなどの縛りがあるはずです。

私が受講しているスクールでは、課題は全てオンラインで回答・採点。その結果を受講票で報告する形になっています。
スクーリングは実技(実演)試験のみ。筆記試験はありませんでした。

5回連続でクリアしないとテストに合格できないは本当か

ネット上には、5回連続間違わずにできないと合格できないとの情報もありますが、おそらく「5回目だけ」は間違わず正しくできないと合格できない、の間違いです。

実演は練習も含めて5回以上です。

5つの手技をそれぞれ5回連続ミスなしでクリアする必要があるとすれば、スクーリングが2日間では非現実的です。

スクールによって、実演練習の方法やテスト/試験方法が異なりますので、もう少し難易度が高いスクールもあるのかもしれません。
私の受講したクラスは結構ゆるゆるでした。

医療的ケア スクーリングの難易度

医療的ケアは難易度が高いとの情報もありますが、スクーリングに関していえば、さほど難しいものではありません

上述の通り、自分も4回実演練習し、評価票でチェック項目(評価項目)を確認しながら受講者の実演を何度も目の前で見ているのです。

手技は5種類ありますが、大きく分ければたったの2種類。「たんの吸引」は3種あっても、違いはほんの少し。同様に、経管栄養も2種ありますが、手技の大まかな流れは同じです。

つまり、2種の手技と、その応用編を含めた全5種の試験です。時間的にもそれぞれ数分程度。相手も、動かないシミュレーター(人形)です。

感じ方には個人差があるでしょうが、難易度的は決して高いものではありません。

あくまで、スクーリングの難易度の話です。
実務者研修での医療的ケアはあくまで「基本研修」にすぎません。この後、必要な方は「実地研修」として、それぞれ20回以上の実施が必要で、さらに業務として実施するには医療機関との連携が必要になります。
つまり、実務者研修修了者が、現場で医療的ケアを実践できるわけではないのです。あくまで、そのための基本研修にすぎないのです。

医療的ケア スクーリングで不合格者はでるのか

私は受講したクラスでは、不合格者はでませんでした。

上述の通り、難易度も高くありませんし、何度も見たり練習できますし、テスト/試験本番でも指導看護師や担当職員からのヒントのような応援もあります。

とはいえ、あまりにヒドイと不合格になることもあるでしょう。

マジこんなレベルでいいんですか? でも合格しています。
落とすための確認テストではありませんし、ただの基本研修に過ぎないでの、あまり緊張したり心配しなくても大丈夫。

医療的ケア スクーリングで軽く合格するためには

スクーリングで軽く合格するためのコツをあげておきます。

テキストの実施手順は読んでおく

スクーリングの前に課題提出などで、テキストを読む機会はあるはずですが、直前、せめて前日にはテキスト内の「実施手順」を数回読んで、ざっくりとした流れを掴んでおくと楽です。

用具や配置、利用者への確認事項、指定の文言などがテキストと異なる可能性が高いです。丸暗記は不要です。

スクールの事前学習用の動画があれば見ておく

スクールごとに、事前学習用の動画を用意していると思います。

ざっくりとした流れを掴むためにも、前日や当日朝に数回視聴しておくと楽です。

文字起こし機能などで、文言全てを覚えておく必要はありません

評価票のチェック項目/評価項目に忠実に

当日は、評価票のチェック項目/評価項目に基づいて指導看護師による実演と解説があります。

そこで、必要な確認事項や指定の文言などを教わります。覚えるのはコレ。

テキストや動画と異なる可能性があります。
丸暗記していることで、むしろ戸惑いやすくなるかもしれません。

あくまでただの実演試験と割り切る

スクーリングでの実演練習や試験では、指導看護師が行った通り、言ったとおりの文言をマネすればいいだけです。

実際の介護現場において必要とされるようなコミュニケーションなどは、不要です。

普段のような声がけをしようとするあまり、手数や言葉が増える人も少なくありません。それで、スムーズに行く方は何の問題もありませんが、決められた時間内で決められた回数をこなし、課題をこなすには手数も文言も必要最低限にするのがコツです。

「いい介護職員」ほど、スクーリングでも丁寧に行おうとするのかもしれません。
私はまだ初心者ですし、あまり性格もよくないので、とにかくさっさとクリアすることに重点を置き、必要最低限の手技と文言だけで済ませました。

この基本演習は、あくまで実務者研修の必須項目に過ぎません。

修了するには、指定の項目を全クリアするだけです。⭕️か❌かしかないのです。

丁寧だから評価があがるわけでもありませんし、今後の介護職としてなんらかのプラスになるものでもありません。

手数や文言を減らし、最低限の労力で確実にクリアすることが重要です。

とにかくクリアすること
これを意識すれば、当日ややるべきことが見えてきます。

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