初盆/新盆と一周忌が近い場合、一緒にして良いのか、それとも別々にすべきなのか、別々に営む場合はどちらを優先すべきなのか、、など、新盆/初盆と一周忌が近い場合の考え方やお布施相場などをまとめておきます。
新盆/初盆と一周忌が近い場合はどちらが優先?
8月が命日の場合、新盆/初盆と一周忌がかなり近くなります。この場合の考え方は大きくわけると3つあります。
【8月が命日の場合の新盆/初盆】
- 一周忌法要と新盆法要(初盆法要)を別々に行う
- 一周忌法要を優先する
- 一周忌法要と新盆法要(初盆法要)を一緒に行う
故人にとっても、家族にとっても、新盆法要(初盆法要)も一周忌法要も大切なものですが、時期が近いと時間的体力的金銭的にも大変でもあります。
別々に行う余裕がない場合には、優先するのは一周忌です。
一周忌法要が優先される理由
新盆法要(初盆法要)よりも一周忌法要が優先される理由は、故人のみを供養する日だからです。故人にとっても特別な日であり、遺族にとっても喪が開ける大切な日ですよね。
一方、新盆/初盆は、故人の霊が初めて家に帰ってくる日であるため、例年のお盆以上に丁寧なお迎えをしますが、他の祖先も戻ってくる日でもあります。つまり、故人も含めた祖先の霊を迎え供養する日でもあるのです。
故人と祖先と比べるわけではありませんが、故人のためだけの法要という意味から、一周忌法要の方が優先と考えるのが一般的です。
一周忌法要と新盆法要(初盆法要)を別々に行う場合
別々に執り行いますので大変ですが、あまり悩ましいこともありません。
命日によって、どちらが先になるか変わりますので、菩提寺と相談して日程調整するといいでしょう。
一周忌法要を優先する場合
一周忌法要を優先する場合でも、新盆(初盆)を迎えることには変わりませんが、新盆法要(初盆法要)を省略したり簡略化することはできます。
新盆法要(初盆法要)を簡素化する
菩提寺と相談して、新盆法要(初盆法要)は、家族だけで簡素に行い、一周忌の際に親戚等を法事に招待することもできます。法要に集まっていただくのは一度となりますので、親戚の負担も軽減されます。
新盆法要(初盆法要)は簡素化したとはいえ、営むことには変わりありません。不要なトラブルを避けるためにも、事前に電話等で連絡したり、一周忌法要の案内状に一言付け加えておくと安心ですね。
新盆法要(初盆法要)を省略する
菩提寺とも相談し、問題がなければ新盆法要(初盆法要)を省略し、普通のお盆行事を家庭で行うことも可能です。
ただ、この場合には気をつけなければならないこともあります。
- 新盆/初盆参りに来客があることも、、
- 新盆/初盆のお供えが届くことも、、
- 親戚等からなにか言われることも、、
家や地方の慣習、宗派にもよりますが、新盆/初盆の場合には、不要なトラブルは避けたいところではありますね。
一周忌法要と新盆法要(初盆法要)を一緒に行う場合
新盆/初盆の時期に一周忌法要を同時に行う場合には、早い時期に菩提寺に相談する必要があります。
- お盆期間はお寺は極めて多忙なため、希望通りの日程で調整できるとは限らない
- 菩提寺が一周忌法要と新盆法要(初盆法要)を同時に行うことを良しとしない
など、考えられるからです。
一周忌法要と新盆法要(初盆法要)が一緒の場合のお布施は?
一周忌法要と新盆法要(初盆法要)を一緒に行う場合のお布施の考え方です。
【一周忌法要や新盆/初盆法要のお布施相場は?】
- 一周忌法要:3万〜10万円
- 新盆法要(初盆法要):1万〜5万円
同日に複数の法要を営みますが、お布施はそれぞれ別モノと考えます。ただし、「お布施」として、1つの袋にまとめてお包みします。
ご膳料(5千〜1万円程度)、お寺でなく自宅や会館で行う場合にはお車代(5千〜1万円程度)も必要です(お寺で行うのであれば不要)。その他、卒塔婆代や花、ローソク代等がかかることもあります。
実際には、家や地域慣習、宗派、菩提寺との関係によって異なりますので、日程調整する時点でお布施やその他の費用についても確認しておきましょう。
回忌法要の先延ばしはダメなの?
「回忌法要は、命日か、それより前に行うのが望ましい」との考え方が一般的です。先延ばしをすることは、故人を蔑ろにするとの考え方があるからです。
我が家の菩提寺の僧侶に伺ったところ、実際は命日より多少後に回忌法要を行っても問題ないとのことでした。家族の事情などで、回忌法要が命日もしくはその前にできない場合には、菩提寺に相談してみるのが、一番ですね。
ライフスタイルの変化により、お盆期間前後に休みが取れるとも、家族が集まれるとも限りません。
親族が高齢になると、来ていただく負担を考慮する必要もあります。また、他の親族にも回忌法要はあるわけですから、重なる時には頻繁に法事・法要が営まれることもあります。
初盆と一周忌が近い場合には、まずどうしたいのかを、どこまで対応できるのかを家族で話し合い、早い時期に菩提寺に相談するのがなにより大切といえそうです。