法事を行う際、施主が事前に準備すべきことや、当日の流れや準備物などを備忘録も兼ね、まとめておきます。
法事・法要で施主が準備することは?
法事で施主は様々なことを準備しなければなりませんが、次のような流れが一般的です。
【事前準備の流れは?】
- 寺院との日時調整
- 招待者と会食(御斎)会場の調整
- 法事(法要)の案内状の作成と郵送
- 会食(御斎)の 内容を調整
- お布施、お供え物、引き物の用意
寺院との日時調整
菩提寺に、誰の何回忌の法要を営むか伝え、日時を決めます。
- 法要の日時の調整
- お布施、お供え物、その他必要なものの確認
- 法要後に、会食(御斎)がある場合には、僧侶も列席されるかの確認
招待者と会食場所の調整
法事法要の招待者や、法要後の会食(御斎)の会場を決めます。
寺院で法要を営む場合には、会食(御斎)会場はお墓や寺院から移動が少ないところがいいでしょう。
家で法要を営む場合には、仕出しやケータリングを手配するのか、作るのか、仕出し弁当を渡すのかなども決める必要があります。
法事の案内状の作成と郵送
案内状は、往復はがきが便利です。
最近は、メールや電話などで連絡することもありますが、行き違いを防ぐためにも、形に残るものがいいでしょう。家族分は、電話などでも構いません。
会食(御斎)の内容を調整
法事の案内状への返信がまとまったら、会食(御斎)の最終調整をしましょう。
会場と、人数、予算、メニューなどを確認します。席順は必要に応じて、決めておきましょう。
会食(御斎)に僧侶が列席されない場合には、御膳料を別途用意します。
お布施、お供え物、引き物の用意
- 寺院へのお布施、お車代、御膳料を用意します
- 卒塔婆をお願いする場合には、2週間前くらいまでに寺院にお願いします
- お花や果物、お菓子、引き物、お線香など、当日必要なものを準備します
【自宅で法要を営む場合】
お花やお供え物(果物やお菓子など)は施主が用意します。
【寺院で法要を営む場合】
施主が持参する場合と、寺院側で用意する場合とあります。
寺院側で用意する場合には、「御供物料」や「御花料」を別に包むか、お布施を多めに包むようになります。これは、地域慣習や寺院の考え方によっても異なりますので、寺院や年配者に確認するしかありません。
四十九日法要や納骨式で施主が準備するもの
四十九日法要で納骨式を行う場合は、他にも準備が必要になります。
【四十九日法要を行う場合】
本位牌を仏具店で購入し、戒名、没年月日を入れてもらいます。
葬儀の時点では、白木の仮位牌になっているので、四十九日法要当日に本位牌へ御霊の入れ替えを行います。仮位牌はお寺に納めます。
【納骨式を行う場合】
四十九日法要の際に納骨式を行う場合には、石材店や墓地管理事務所との調整も必要です。
- 石材店に納骨式の立ち合い依頼をするため、納骨式の日時を連絡し、墓石(または墓誌)に戒名を入れてもらいます。
- 墓地の管理事務所に納骨式の日時を連絡します。
※ 菩提寺にお墓がある場合には、管理事務所への連絡は不要です
法事・法要の準備はいつまでに行うの?
一般的に、法事の案内状は1ヶ月前には相手に届くように送ります。
案内状を1ヶ月前に発送するには、寺院との調整はさらに前になります。寺院側の都合もありますので、3ヶ月前には相談するといいでしょう。
本位牌の注文、石材店への連絡と墓石彫りなどは、遅くても法事の約2週間前までに依頼する必要があります。法要の日程が決まった時点でお願いしておくと、忘れることも慌てることもなさそうです。
その他、会食メニューや引き物、お供え物についても手配に時間がかかることから、早めに決めて準備する方が良いですね。
法事当日の流れは?
法事当日は、次の流れで行います。
(1)お墓掃除など
開始約30分前には出席者が揃うため、それより早く寺院に行き、お墓掃除をしておきましょう。また、御布施やお供え物などを僧侶に渡します。
(2)法要(30分~1時間)
法要の流れは、僧侶の読経、出席者の焼香、僧侶の法話となります。焼香は、施主が最初に行い、その後は故人との関係が近い順に行います。
(3)墓参り(30分~1時間)
寺院とお墓の距離によって所要時間が変わります。
四十九日法要で納骨も行う場合は、僧侶に読経してもらい、石材店に納骨作業をしてもらうため、もう少し時間がかかります。
(4)会食(1~2時間)
会食の前と最後に施主が出席者へお礼の挨拶を行い、帰る前に引き物を渡します。
法事当日の施主の持ち物は?
法事当日に施主が準備すべきものとしては、以下のようなものがあります。
寺院に渡すもの
- 御布施
- 卒塔婆料
- 御膳料(僧侶が会食に列席する場合や、仕出し弁当をお渡しする場合は不要)
- お車代(お寺での法事なら不要)
- お供え物または御供物料、御花料
【御供物料、御花料とは?】
寺院によってお供え物と御供物料のどちらが必要か、また、どんなお供え物が必要かが異なります。日程調整時などに、当日必要なものも寺院に確認しておきましょう。
お花やお供え物を何品か指定がある場合、寺院で一式用意するため御供物料包む場合、御布施以外は一切不要の場合など、さまざまです。
お墓に用意するもの
- 生花1対
お墓参りをするので、生花1対を用意します。活けるのは法要前か法要後のどちらかになります。
後で慌ただしいのは嫌だと法要前に掃除をした際に活ける方もいれば、法要後のお詣りの際に活ける方もいます。 - お供え物
お墓に食べ物を供える場合には帰る前に持ち帰りましょう。食べ物を残したままにするとカラス等が食い荒らしてゴミが散乱したり、腐敗したりします。 - 線香、ライター等
列席者へ渡すもの
- 引き物
- 仕出し弁当(会食をする場合は不要)
四十九日法要や納骨式を行う場合に必要な物
- 遺骨
- 本位牌、仮位牌
- 石材店への心付け(5千円程度)
その他、石材店へ納骨料、墓石彫刻料金等の支払いも必要です。支払時期は石材店によって異なります。
法事をお寺で行う場合の御布施やお供え物については、近年の傾向としては「当日持参する」という形式になっていますが、本来は「事前にお届けしておく」ものでした。
ですから、寺院に法事の日程をお願いする時点で、御布施は当日で良いのか、お供え物は必要なのか、必要な場合は当日持参すればよいのか等のことも確認しておきましょう。