本人死亡の知らせ方〜喪中ハガキ、死亡通知状、寒中見舞いの違い、使い分け、文例は?

故人の友人知人関係に連絡する際の伝え方をまとめておきます。

喪中ハガキでの本人死亡の伝え方、似たような挨拶状である「死亡通知状」、「寒中見舞い」の違いと、どのような文例が相応しいのか等もまとめました。

目次

本人死亡の連絡は喪中はがき?

基本的には、故人の友人知人関係者へは、死亡通知状(死亡通知はがき訃報ハガキ)にてお知らせします

ただ、亡くなった時期や、遺族の考え方、あるいは故人の生前のおつきあいの整理状況などから、喪中はがきでの連絡となっても、問題はないとされています。

これも、地域慣習や家の考え方によって異なりますので、唯一の正しい方法というものはありません。

身内や本人の死亡を伝える挨拶状は?

身内が亡くなった際に、故人や遺族の友人知人関係者に伝える書面(挨拶状)は、主に3種類あります。

死亡を伝える挨拶状

  • 死亡通知状(死亡通知はがき、訃報ハガキとも呼ばれます)
  • 喪中はがき(喪中欠礼、年賀欠礼状 とも呼ばれます)
  • 寒中見舞い

この3種は、送る相手、送る時期、送る目的が異なりますので、別なものと考えます。

死亡通知状・喪中はがき・寒中見舞いの違いは?

死亡通知状・喪中はがき・寒中見舞いは、それぞれの送る相手、送る時期、送る目的から、区別し連絡方法を選びましょう。

死亡通知状とは?

死亡通知状とは?

上述の通り、死亡通知状とは、主に家族や親族が亡くなった際に、生前お世話になっていた方々に訃報や葬儀日程をお知らせすると共に、生前お世話になったことにお礼を伝える書面です。葬儀後にお知らせする際には、葬儀を滞りなく済ませたことを報告するものでもあります。

死亡通知状を送る時期は?

死亡を知らせ、お葬式(通夜、葬儀、告別式)の日程をお知らせするのですから、没後早々、お葬式の日程が決まり次第のご案内です。

時間的な問題もあるので、近年は「通知状」といった形ではなく、電話やFAX、メールなどを使用し連絡することが多いです。

社葬やお別れ会のように、他界後時間がある場合には、ハガキや封書などでお知らせするのが一般的です。

葬儀後に送る場合には、葬儀後速やかに送るとされていますが、実際には四十九日の法要や納骨など、故人のお見送りにひと段落ついたタイミングが目安となっています。

死亡通知状を送る相手は?

親族、故人の友人や関係者(知人、会社関係、学校関係、その他の活動関係など)、遺族の関係者(親しい友人や勤務先など)

喪中はがきとは?

喪中はがきとは?

喪中はがきは、身内に不幸があったため年始の挨拶を欠礼するお知らせです。

喪中はがきを送る時期は?

11月上旬〜12月15日(年賀状の開始まで)に届くように送ります。亡くなった日によっては、12月下旬までに届くように送ります。

喪中はがきを送る相手は?

基本的には、遺族が「年始の挨拶を欠礼」する相手、つまり遺族の友人知人関係者などに送ります。

寒中見舞いとは?

寒中見舞いとは?

寒中見舞いとは、1年のうち最も寒さが厳しいとされる時期に交わされる挨拶状です。他にも

  • 年賀状が遅れた場合
  • 自分が喪中期間にいただいた年賀状の返事
  • 相手が喪中の場合の年賀状の代わり
  • 年末に身内が亡くなり喪中はがきが間に合わなかった場合

などにも、使われます。

寒中見舞いを送る時期は?

松の内が明けてから立春の間に送ります。松の内が開けるのは1月7日の地方と、1月15日の地方とあります。松の内明け(翌日)から立春前日までに送るものですから、一月中旬〜下旬に送れば、間違いはありません。

寒中見舞いを送る相手は?

基本的には、相手の健康を気遣う挨拶状ですから、どなたに出しても構いません。

本人が亡くなったことは何でお知らせするのが一番いい?

本来であれば、死亡通知状でお知らせするのが一番いいのでしょうが、実際にはなかなか難しいこともあります。

過去のように、忌中(仏式で49日)期間は、遺族が家に籠り、故人を偲び、冥福を祈ることができればいいのですが、数日〜1週間程度の忌引き休暇が終わると社会復帰する現代では、遺品の整理をすることもままならないのが現実です。

年賀状のようにまとまっていればまだわかりやすいのですが、メールやLINEなどのチャット、FacebookなどのSNSで連絡を取り合っている場合には、連絡すべき相手やその連絡先を把握することは簡単ではありません

年賀挨拶の欠礼(喪中はがき)で故人の死亡を知らせるのはおかしいとのご意見もありますが、忌明け後に速やかに死亡通知状を出せなかったのであれば、喪中はがきでお知らせしても責められるべきことではないでしょう。

また、亡くなった日にもよります。

亡くなったのが、11月や12月であれば、時期的にも喪中はがきでお知らせしても問題はないでしょう。12月中旬以降であれば、喪中はがきさえ間に合いませんので、松の内明けか、忌明け後に死亡通知状でお知らせするといいでしょう。

【死亡通知状は香典の催促?】
「喪中はがきであればお悔やみの手紙を送る程度で十分だけど、死亡通知が届いたら香典を送る」「死亡通知を送ることでお悔やみを催促していると思われる」という地域もあるとの意見を伺ったこともありますが、これは地域性なのでしょうか。

私個人としては、喪中はがきであれ、死亡通知状であれ、「お悔やみを催促されている」と感じたことは今まで一度もありません。訃報を受けると「お悔やみを催促されている」と感じるのであれば、それはそれでなんだか悲しい気がします。

喪中はがきで本人死亡を知らせる文例

喪中はがきで、故人の友人知人関係者に本人の死亡を知らせる場合には、生前のお付き合いのお礼を一言添える、あるいは挨拶文にお礼を加えるといいでしょう。

文例
  • 生前○(続柄など)が大変お世話になり深く感謝しております
  • 生前に賜りました一方ならぬご懇情に故人に代わり深くお礼申し上げます

挨拶文に加える場合、故人と面識のない遺族の関係者にも同じ文面が届くことになりますが、特に気にする必要はないでしょうし、相手も「故人知らないし、、」などは(普通は)言いません。

死亡通知で年末に出す場合の文例は?

他界後数ヶ月経過してから、年末に死亡通知状を出す場合には、お知らせが遅れたことのお詫びを加えておきましょう。

文例

本年○月に父 ○○○○が○歳にて永眠いたしました
故人の希望により 葬儀は身内で執り行いました
ここに生前のご厚情に深謝いたしますとともに
ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げます
寒さに向かう折から皆様のご健勝をお祈り申し上げます

身内が亡くなると、故人を弔うことで精一杯になるものですが、遺族はそれ以外にも、故人が生前関わっていた方々に「故人の死」「生前の付き合いへの感謝」を伝え、故人の代わりに相手と付き合いを終了させるという役割があります。

昔のように、忌中期間は家に籠り、故人を偲び冥福を祈りつつ、整理する時間もありません。そもそもで、故人の関係者全てに遺族が面識があるわけではありませんし、デジタル化とともに見えないお付き合いも激増しています。

死亡通知状であれ、喪中はがきであれ、故人の名前を見れば、受け取った相手は送信者が遺族であることを理解するでしょうから、お知らせの方法を深く悩む必要はありませんよ。

昔からのしきたり、通例通りできるとも限りませんが、故人が生前お世話になった方々へは失礼のないよう、お知らせしたいものですね。

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