喪中時の新年挨拶〜挨拶・メール・LINEや返信、身内、上司や同僚・挨拶回りでの文例、訪問客や手土産などの考え方
喪中時の新年の挨拶は、宗教や家によって考え方が異なる場合もありますが、ここでは一般的な「日本の風習」として考え方をまとめておきます。
【年始の基本の挨拶】
- 昨年は大変お世話になりました
※ 年末にも挨拶をしている場合には、省略する - 本年/今年もどうぞよろしくお願いいたします
新年の挨拶の基本は、昨年のお礼と新年の変わらぬお付き合いをお願いすることです。
年末にも挨拶をしている場合には、「今年もよろしく」を伝えれば、新年の挨拶としては十分です。
喪中時の新年挨拶の基本
喪中時の新年挨拶の基本は、「おめでとうございます」を言わない、これに限ります。
自分が喪中であれ、相手が喪中であれ、何を言うかよりも、この一言を言わない、それだけで気まずいモードになる可能性は激減しますし、余計な心配事もなくなります。
当方か相手方が喪中であることを双方で知っていれば、そもそも気にすることはありませんよね。
自分が喪中であることを知らない人から「おめでとう」の挨拶をされた場合には、「おめでとう」を返しても問題はないとされています。
- 自分自身がまだおめでたい言葉を使う気分でなければ、めでたいワードを使わない
- 喪中であることを伝えるかどうかは、相手との関係性次第
- さほど親しいおつきあいがない人にまで、喪中であること伝える必要はない
相手方が喪中であることを知らない場合には、言い慣れた新年の挨拶ですから、ついついめでたいワードを言ってしまうこともあります。これはどうしようもありません。
もし言ってしまった後に知った場合には、「何も知らずに失礼しました」程度の一言を添えるといいでしょう。知らないこと自体がマナー違反なわけではありませんので、あまり神経質にならないに限ります。
服喪期間は1年とするのが一般的ですが、実際に喪に服しつつましやかな生活を送る、本来の「喪中」期間は、現在では短くなっています。大切なのは故人を思う気持ちです。形式的なことに囚われすぎるよりも、相手のことも配慮し新年の挨拶をしたいものですね。
喪中時の新年挨拶〜プライベート編
プライベートでは、故人との関係性や、逝去された時期、悲しみの深さ、挨拶をする相手との関係性によって、臨機応変に対応します。
下記に記す「今年もよろしく」は
・本年もどうぞよろしくお願いいたします
・今年もよろしくお願いします
など、相手やシーンによって、ふさわしい敬語や丁寧語を使いましょう。
自分が喪中の場合の挨拶
自分が喪中であれば、「おめでとう」の挨拶は慎みますので、基本の挨拶で十分です。
【年始の基本の挨拶】
- 昨年は大変お世話になりました
※ 年末にも挨拶をしている場合には、省略する - 本年/今年もどうぞよろしくお願いいたします
相手が自分が喪中であることを知らない、さほど親しい関係ではないような場合には、「あけましておめでとうございます」「おめでとうございます」等を加え、普通の新年の挨拶をすることもあります。あまり意味は深く考えず、年始の一般的な挨拶として流します。
また、相手から「おめでとうございます」と言われた時には、「おめでとうございます」や「こんにちは」などで返します。
ただ、喪中ハガキ等にて、年始の挨拶の欠礼をお知らせしている場合には、「あけましておめでとうございます」をいうと、逆に不自然です。この場合には、「今年もよろしく」で、問題ありません。
自分が喪中の場合のLINE(ライン)やメール
自分が喪中の場合には、お正月中は自分から連絡をすることを控えます。
急ぎの要件などがなければ、あえて正月早々連絡する必要はありません。正月明けに連絡をすれば、挨拶をどうするかなどの心配や悩みもなくなります。
どうしても、お正月中に用事がある場合には、「今年もよろしく」から始めます。
はがきで送る場合には、松の内明けに「寒中見舞い」を出します。松の内は地域によって異なる場合がありますので、1/15~1月下旬までに投函すれば間違いありません。
自分が喪中の場合のLINEやメールへの返信
相手からLINEやメールなどで連絡があった場合には、普通に返信して構いません。
相手が、自分が喪中であることを知っている場合、知らない場合とありますが、いずれにしても「今年もよろしく」から始めればいいでしょう。
自分が喪中であることを、相手が知っていながら「あけましておめでとう」と言ってきたとしても、指摘したり、気分を害す必要はありません。単に忘れていただけかもしれませんし、考え方の違い、信仰の違いかもしれないのですから。
新年の挨拶は、普段の挨拶の延長線、季節限定バージョンくらいで受け止めるといいでしょう。
相手が喪中の場合の挨拶
相手が喪中であることを知っている場合には、「おめでとう」の挨拶を控え、「今年もよろしく」で問題ありません。
相手が喪中であることを知らなかったり、知っていてもうっかり「おめでとう」と言ってしまうこともあります。その場合は、気がついた時に「何も知らず失礼しました」「ごめんね」など、謝ると収まりがいいです。
相手が喪中の場合のLINEやメール
相手の悲しみの深さにもよりますが、相手が喪中と知っている場合には、新年早々の挨拶は控えると賢明です。
急ぎでなければ、松の内明け(関東や九州では7日、関西は15日)、もう少し早く連絡する場合でも、3が日は避ける方が無難です。
自分が喪中時と同様に、「今年もよろしく」はら始めるといいでしょう。
相手が喪中の場合のLINEやメールへの返信
相手から、新年の挨拶がきた場合には、普通に返信します。
相手が「新年おめでとう」というのであれば、「おめでとう」と返信しても構わないでしょうし、「おめでとう」はなしで「今年もよろしく」だけでもいいでしょう。
LINEなどのチャットやメールでのやり取りの場合には、挨拶もより簡略化されていますよね。
季節の挨拶の1つとして、「あめでとう」を使っても、双方気にならないようなお付き合いであれば、それはそれで問題ありません。
身内との新年挨拶
身内の場合には、双方とも喪中であることが多いので、さほど気を使う必要はありませんね。
気をつけなければならないのは、自分の配偶者の親族や、兄弟姉妹の配偶者の親族が亡くなられた場合です。
地方や家族により捉え方も異なります。正月の訪問や連絡の前に、配偶者や兄弟姉妹に確認しておきましょう。
正月明けのご挨拶がいい場合と、例年通り正月にご挨拶するほうがいい場合とあります。いずれにしても、相手側の気持ちや慣習を思いやる気持ちが大切ですね。
喪中時の新年挨拶〜ビジネス編
喪中はあくまで個人のこと。
ビジネス上のお付き合いに個人的なことを持ち出す必要はなく、公私を分けた対応も必要とされます。むしろ、個人的な事情をビジネスに持ち込むことで、相手に不要な気遣いをさせてしまうこともあります。
相手との関係性や、故人が逝去された時期などによって、臨機応変に対応しましょう。
喪中であることを知らない相手や上司からの「おめでとう」の挨拶には、同様に「おめでとう」の挨拶をするほうが無難です。
上司や同僚への挨拶
上司や同僚など、社内の人であれば、自分が喪中、相手が喪中、いずれでも知っている可能性が高いです。新年の挨拶は慎み、「今年もよろしくお願いします」でいいでしょう。
挨拶回り
取引先との挨拶では、プライベートは入れずに、ビジネス上のお付き合いとしての挨拶と考えることもできます。
自分が喪中であれば、仕事と割り切って、「新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」と言って構いません。
取引先の担当者個人との挨拶で、相手が喪中であることを知っていれば、「おめでとうございます」は慎み、「本年もどうぞよろしくお願いいたします」から始めればいいでしょう。
複数名での挨拶回りの場合には、ビジネス上の社交辞令ですから「おめでとうございます」から始まります。
形式的には服喪期間は1年ではありますが、お葬式が終われば日常生活に戻りますし、故人との関係性によっては、3ヶ月程度でお付き合いも通常に戻ります。忌中であればまた別ですが、忌明けであれば、ビジネスでは「喪中」を気にする必要性はないと言ってもいいくらいです。
社長や社長の親族が亡くなった場合
社長や、社長の親族が亡くなっても、会社は「喪中」にはなりません。
会社と個人は別人格だからです。会社として、新年の挨拶状や挨拶回りは例年通り行うのが通例です。
ただ、家族経営の場合は、会社と個人が別人格といっても、難しいですね。他の社員がご遺族にあたりますので、この場合には、「おめでとうございます」といった挨拶は控える方が無難です。
喪中時、訪問客への新年挨拶
喪中時、新年の訪問客への挨拶も考え方は同様です。
こちらが喪中であることを知っている相手が訪問した場合には、特に気にする必要はありません。めでたいワードを使わず、「本年もよろしくお願いします」で問題ありません。
こちらが喪中であることをご存じない方の訪問の場合には、喪中であることをお伝えし、昨年中のお礼等のご挨拶をします。
相手から「おめでとう」との挨拶があった場合には、相手との関係性から臨機応変に対応するようになります。
家の飾り物がないことで気が付かれる場合もあるでしょうが、口に出さないまでも相手方にも不要な気遣いをさせてしまう可能性もあります。そのようなことがないように、当方からお伝えする方が無難かもしれません。
相手が喪中時、新年の訪問時の挨拶、手土産
相手方が喪中時、新年での訪問時の挨拶や手土産はどうでしょうか。
よほどの事情や、長年のおつきあいなどでなければ、正月期間を過ぎてからの訪問をするほうが、お互いに気を使わずにすむことと思います。
その際の手土産は、華やかなものを避け、仏壇がある家が場合には仏壇にお供えしてもいいようなお菓子やお花などをお持ちするといいですね。
紅白の水引や熨斗飾りのついた「のし紙」は使用せず、無地ののし紙に「ご挨拶」や「寒中見舞い」の表書きをします。
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悲しみの深さにもよりますが、現代における新年の挨拶に関しては、日常的な挨拶の延長線くらいで捉えておくと、疲れずに済みます。