喪中のクリスマスやお正月〜クリスマスケーキやお節料理を予約/購入した後に喪中になったら

家族や親族の逝去は、突然訪れるものです。

家族や大切な人と過ごすクリスマスやお正月を楽しみに、用意したり、予約した後に、身内に不幸があった時の対応は悩ましいものです。

信仰する宗教や家の考え方、故人との関係、亡くなられた理由、時期、ご遺族の悲しみの深さ、それぞれ受け止め方が異なりますので、正解はありません。判断の基準にもなる、基本的なことをまとめておきます。

目次

宗教による喪中の考え方

まず、「喪中」の考え方を整理しておきます。

下記は、あくまで、社会的な服喪期間のことであり、悲しみの深さとは関係ありません。

仏教・浄土真宗・神道・キリスト教の喪中期間とお節料理や正月飾りの考え方

仏教の場合

仏教の多くの宗派では、故人が無くなってから四十九日法要までが「忌中」、1年間が「喪中」です。

喪中期間は、お正月や結婚式などの祝い事を避けるのが通例です。

浄土真宗の場合

仏教の1つの宗派ではありますが、浄土真宗には「喪中」と言う考え方がありません

これは、故人は、亡くなるとすぐに浄土に迎えられ、仏様に生まれ変わるとされているからです。

ですから、喪中ハガキを送る必要もありませんし、お正月、結婚式への出席なども慎むべきものとは考えられていません。お正月飾りやお節料理なども、例年通り行うことができます

神道の場合

神道では、故人が亡くなられてから、五十日祭までが「忌中」、「喪中」は1年と考えます。喪中期間は、祝い事を避けるのが通例です。

喪中の範囲は、家の考え方や個人との関係性にもよりますが、一般には二等親までの家族と考えられています。故人の両親・祖父母・兄弟姉妹・子・孫がその範囲です。

キリスト教

キリスト教には、そもそも「喪中」という考え方がありません

死とは、神の元に帰ることであるため、葬儀が終われば日常の生活に戻ります。

喪中のクリスマス〜宗教による考え方の違い

クリスマスは、もともとイエス・キリストの降誕を祝う、キリスト教の宗教的な日です。

ですから、本来であれば、仏教とや他の宗教を信仰している人にとっては、祝い事でもなく、関係ないと言えば関係のない日です。

キリスト教徒であれば、当然悩むべき問題はありませんし、浄土真宗含む仏教や神道であれば、自分たちの信仰する宗教行事とは関係ないのですから、慎むべく「祝い事」にはあたりません

「喪中」だからどうのというよりも、悲しみの深さで判断するしかありません。

悲しみが深く、それどころでない場合には、控えればいいでしょうし、落ち着いてきているのであれば、家族や大切な人と穏やかに過ごすことに、なんの問題もありません。

喪中のお正月〜宗教による考え方の違い

上述の通り、「喪中」があるのは、仏教の多くの宗派や神道です。他の宗教であれば、そもそも「喪中」と言う考え方がありませんので、例年通りのお正月を迎えて構いません。

喪中のお正月〜仏教の場合

仏教では、1年間は喪中期間ですから、お正月の飾り物やお節料理は控えるのが、通例です。

喪中のお正月〜神道の場合

神道では、1年間は喪中期間ですから、お正月の飾り物やお節料理は控えるのが通例です。

加えて、五十日祭の「忌中」期間は、祝い事だけでなく、神社へのお参りも控えます忌明け後の「喪中」期間は、祝い事は控えますが、お参りを控える必要はありません

喪中のお正月〜浄土真宗の場合

浄土真宗には「喪中」という考え方はありません。普段通りにお正月を迎えて構いません

日本の文化としての、お節料理を食べたり、正月飾りをしても、なんの問題もありません。もちろん、慎んでもなんの問題もありません。

喪中のお正月〜キリストの場合

キリスト教には、「喪中」という考え方はありません。普段通りのお正月を迎えて構いません。

日本の文化としての、お節料理を食べたり、正月飾りをしても、なんの問題もありません。もちろん、慎んでもなんの問題もありません。

神社への初詣の考え方

神道では、忌中として故人が亡くなってから50日間は神社へのお参りを控えます

他の宗教を信仰している場合でも、神道の考え方を尊重し、故人が亡くなられてから50日間は神社へのお詣りを慎みましょう。初詣は、神道の忌明け後にあたる、命日から50日以上たってからでも遅くありません。

お節料理を予約/購入後に喪中になったら 

予約済みや購入後のお節料理は、キャンセルすることもできませんし、喪中だからと捨ててしまえば、正月早々のフードロスであり、あまりいいことでもありません。

食べていけないものではありませんので、少し手を加えることで、「普通の食事」としていただくことができます。また、故人が「おせち料理」を好きだった場合には供養としていただく、という考え方もあります。

ただ、悲しみの深さや、家・人の考え方によっても異なります。

悲しみが深い場合には、無理に食べる必要はないでしょうし、親族や客人とはお節料理以外の食事にし、家族だけで静かにいただくようにするといいでしょう。

ここでは、おせち料理をいただく時に、気をつけたいことまとめておきます。

重箱から出して、器に盛り付ける

お節料理は、重箱に詰めてあることが多いです。この「重箱」には、「おめでたいことが重なりますように」との願いが込められているとされます。

喪中では、「重なること」を避けますので、重箱から出して、器に盛り付けるといいでしょう。

飾りものは下げる

お節料理には、紅白や金の水引や、南天など、縁起の良い飾りものがついています。

器に盛り付ける際に、めでたさを表すような飾り物を外します

祝い箸を使わない

「祝い箸」とは、お正月や結婚式などの祝い事の際によく使われる、縁起の良いお箸のことです。

柳の木から作られ、両口で、両端が細く、中央が太い、長さ約24cmで「末広がり8寸」とも呼ばれます。

祝い箸ではなく、日常的に使用しているお箸などを使用します。

柳箸(やなぎばし)

柳の木は、丈夫でしなやか、折れにくいことから、「折れないように」との縁起を担いで、お祝いの席で使われます。また、柳の木は水で清められた神聖な木、白木の香りが邪気を祓うとも言われています。

両口箸(りょうくちばし)

両口箸とは、箸の両側が使えるように細くなっている箸です。

片側を人が、もう片側は神様が使うという「神人共食(しんじんきょうしょく)」の考え方に由来します。

俵箸(たわらばし)

俵箸とは、箸の中央部は膨らんでいる形状の箸です。

膨らんでいる中央が米俵のようであることから、五穀豊穣を願い俵箸と呼ばれます。

末広がり八寸

「八」の字は、下の方が広がることから「末広がり」として縁起の良い感じです。

一寸は約3.03cm。祝いの席では、末広がりの八寸で、約24cmの箸が使われます。

縁起物の食材

お節料理の食材には、鯛、伊勢海老、紅白の食材、昆布巻きなど、縁起を担いだものが多いです。

冷凍保存できるものは冷凍保存する、日持ちするものはお正月が明けてから食べる、日持ちしないものは、「普通の食事」として食べるなど、分けて食べることもできます。

喪中でもおせち料理を食べたい…

お節料理が好き、家族がおせち料理を楽しみにしている、などの理由から、喪中期間でもおせち料理を食べたい場合にも、同様です。

重箱ではなく器に盛り付ける、飾り物は外す、祝い箸を使わない、縁起物の食材は後日にする、などすれば、食べることもできます。

客人を招いて、、とかではなく、家の中のことであれば、故人との関係性や亡くなられた時期などによっては、あまり気にする必要がないこともあります。家人と相談して決めればいいことです。

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これはあくまでも、判断の基準です。家や人によっても異なります。

浄土真宗やキリスト教のように、宗教・教義としてはなんの問題がなくても、日本の風習として、社会通念上として、お正月を控えることも珍しくありません。

他にも、家族では普通にお正月を迎えても、信仰が異なる親族への新年の挨拶を控える、喪中ハガキを出す、家の外の飾り物は避けるなど。

本来、他人の目を気にする必要はないのですが、双方が不快な思いをしないよう、不要な波風を立てないよう過ごすという、考え方に基づくものでもあります。「べき」論に振り回される必要はありません。

仏教・浄土真宗・神道・キリスト教の喪中期間とお節料理や正月飾りの考え方

私の友人の義祖母が亡くなった際には、天寿を全うされたこと、おせち料理やお餅が大好きだったこともあり、喪中期間のお正月も「供養だから」と、お節料理を用意したそうです。長男家に嫁いだ友人は年末には困惑していましたが、お正月には親族が集まり、故人の思い出話をしたりと、義理のご両親も喜んでいたそうです。
故人との関係性や家の考え方、それぞれですね。

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