厄年の基礎知識〜2025年厄年早見表・厄払い/厄除けはいつまで・代理/喪中でのお祓い・過ごし方・縁起物・八方塞がり・迷信説

厄年(やくどし)の基礎知識をまとめておきます。

対応は人それぞれですが、「厄年」がどういうものなのかわかれば、余計な不安などに振り回されずによりよい1年を過ごすことができるようになるはずです。

目次

厄年は迷信・くだらないよりも、信じた方が得

厄年は厄災が降りかかる、迷信、くだらないのではなく、生き方を良い方向へ変えるチャンスと考える

男性には3回、女性には4回の厄年がありますが、特定の年齢が不運をもたらすことについては、医学的にも、統計学的にも、科学的にも根拠がありません

「厄年に起こった不幸な出来事や災難」などは、検索すればいくらでもヒットするでしょうが、性別や特定の年齢の関係なく誰にでも起こりうる出来事や災難、事故、病気などばかりです。

ですから、厄年は迷信とか、くだらないとか、意味がないとか、考えることもおかしなことではありません

ただ、厄年である特定の年齢に限らずですが、その年齢の頃は、人生の転換期を迎えることもあり、自分自身の身体や精神のバランスを崩しやすい時期であったり、仕事や家族に大きな変化が起こりやすい時期でもあります。

厄年を信じる信じないは別としても、1つのタイミングとして、普段以上に心身の健康管理意識したり、ケアをしたり、安全に注意を払うことで、不運を避けるだけでなく、自己成長や、健康や幸福への意識改善へ繋げるきっかけにもなります

厄年は、「厄災が降りかかる年」と恐れたり、「迷信・くだらない」と切り捨てるのではなく、「これからの生き方を良い方向に変えるチャンス」と考え、前向きに捉える方がむしろ人生にとっては得なのです。

なにか不運や災難が身に起こったとしても、「厄年だから仕方ないよね、、」と言い訳にして、サクッと乗り越えましょう!

厄年とは〜由来や起源

厄年とは

」という漢字は「災難・わざわい・苦しみ」を意味します。

厄の年、厄年(やくどし)は、人生の転機とされる厄災が起こりやすい年齢と考える日本の民間信仰です。

厄年とは、人の一生の中でも体力的、家庭環境的、または対社会的にそれぞれ転機を迎える時期でもあり、体調不良や災難といった災厄が起こりやすい時期として忌み慎まれています。

神社本庁 厄払い

厄年の期間は1年間ですが、前厄から後厄までの3年間を厄年期間として考える場合もあります。

日本では昔から、身に降りかかる災難を避けるため、厄年には神社やお寺で厄除け等の祈祷をする風習があります。

厄年の由来や起源

厄年は、平安時代から室町時代にかけて広まったとされ、中国の陰陽道の影響を受けているとされます。

発祥は定かではありませんが、平安時代の書物には、厄年の厄を祓うために儀式に関する描写があり、古くから根付いていた風習であることがわかります。

心身の成長や仕事、家庭環境などに変化が起こりやすい不安定な時期であり、それが不慮の事故やけが、病気を患うといった厄災につながる一因でもあります。

そのため、普段よりも慎重に過ごすべき年と捉えられてきたのです。

「ハレ」の年齢でもある

災難や厄災が起こりやすいとされる一方で、ハレの年齢として祝われる側面もありました。

厄年を迎えることは、地域社会において一人前として認められ、神社の祭祀や運営に関わる「」を与えられる「役年でもあったのです。

厄年の人が、心身を清め、厄を祓い、慎ましい言動を心がけ、「物忌(ものいみ)」に服したのは、氏神神社での祭祀で、神事を奉仕するという、大切な役割を担うためのものなのです。

現代社会では、氏神神社でのその役割は薄れてきていますが、社会的に「人の役に立てる年齢」に達する頃であることに、変わりはありません。

厄年はいつ〜厄年早見表・年齢の理由

厄年は、本厄を中心にその前年の前厄、翌年の後厄を含めた3年間です。単に本厄のことを厄年と言う場合もあります。

地域や寺社仏閣によって、年齢が異なることもあります。

前厄・本厄・後厄・大厄

  • 前厄(まえやく):変化の兆しが現れやすい年、「厄入り」とも呼ばれる
  • 本厄(ほんやく):最も厄が表れるとされる年
  • 後厄(あとやく):厄が薄れていくとされる年、「厄晴れ」とも呼ばれる
  • 大厄(たいやく):万事慎む年 男性42歳、女性33歳

大厄の男性の42歳は「死に」、女性の33歳は「散々」に通じる語呂合わせとの説もありますが、生活習慣や環境が大きく変わりやすい時期でもあるので、気をつけるに越したことはありません。

厄年の数え方

厄年は数え年で数えます。

数え年
数え年では、生まれた時が1歳、1月1日に1歳増えます

  • 1月1日〜誕生日前:満年齢+2歳
  • 誕生日〜12月31日:満年齢+1歳

【満年齢】
満年齢は、誕生日を迎えると1歳増える、現代の一般的な年齢の数え方です

厄年は数え年で年齢を数えるため、早生まれは関係ありません。
その年の誕生日を迎えたかどうかで、数え方が異なります。

2025年厄年年齢早見表(西暦)

女性の厄年早見表

前厄本厄後厄
18歳(2008年)19歳(2007年)20歳(2006年)
32歳(1994年)33歳(1993年)大厄34歳(1992年)
36歳(1990年)37歳(1989年)38歳(1988年)
60歳(1966年)61歳(1965年)62歳(1964年)

男性の厄年早見表

前厄本厄後厄
24歳(2002年)25歳(2001年)26歳(2000年)
41歳(1985年)42歳(1984年)大厄43歳(1983年)
60歳(1966年)61歳(1965年)62歳(1964年)

2026年厄年年齢早見表(西暦)

女性の厄年早見表

前厄本厄後厄
18歳(2009年)19歳(2008年)20歳(2007年)
32歳(1995年)33歳(1994年)大厄34歳(1993年)
36歳(1991年)37歳(1990年)38歳(1989年)
60歳(1967年)61歳(1966年)62歳(1965年)

男性の厄年早見表

前厄本厄後厄
24歳(2003年)25歳(2002年)26歳(2001年)
41歳(1986年)42歳(1985年)大厄43歳(1984年)
60歳(1967年)61歳(1966年)62歳(1965年)

厄祓い・厄除け・厄落としの違い

「厄祓い」「厄除け」「厄落とし」という似た表現がありますので、違いをまとめます。

目的主な祈祷の場厄年以外
厄祓い厄災を追い払う神社
厄除け厄災を予防寺院
厄落とし自分についた厄を払い落とす神社・寺院基本は厄年のみ

厄祓い/厄払いとは

厄祓い/厄払い(やくはらい)とは、降りかかった厄災を祓い追払い、あらたな厄災を呼び込まないようにすることです。

一般に、神社でお祓いをしていただきます。

厄年以外でも、人生の節目や不運が続いた時などに厄払いを受けることができます。

厄除けとは

厄除け(やくよけ)とは、災難を防ぎ除け、身を守り、邪気が寄りつかないよう予防的な意味合いで行います。

一般に、寺院で祈祷していただきます。

厄年以外でも、人生の節目や不運が続いた時などに、厄災を落とし祓い除け、新しい厄災に見舞われにくくするために厄除け祈祷を受けることができます。

厄落としとは

厄落としは、厄年を迎える人が、自ら災厄を作り出すことで、それ以上自分に悪いことが起こらないようにする、厄を祓い落とすことです。

大切にしていたものや普段から身につけているものを故意に落とす・捨てる、大きな買い物をする、宴会で食事を振る舞う、お赤飯を配る、など地域や寺社仏閣によってやり方が異なります。

基本的に、厄年を迎えた人が行う風習です。

厄年のお祓い・祈祷はいつまでに〜代理・喪中

厄年に限らず、厄払いや厄除け祈祷を受ける時期に、決まりはありません。

元日〜節分が多い

厄払い・厄除けは、1月1日から2月3日前後の節分までに行うことが多いです。

旧暦では、節分(2月3日頃)の翌日である立春(2月4日頃)が新年にあたります。

上述の通り、厄とは「災難・わざわい・苦しみ」といった意味があります。

体調不良、病気、ケガ、事故などの災難に合わぬよう、厄を祓い、神様や仏様のご加護をいただき、新年を迎えたいとの考え方から、新年(立春)前日の節分までに祈祷を受ける風習が生まれたと言われています。

「幸先参り」として前年12月

最近では、「幸先参り(さいさきまいり)」で、前年の12月中に翌年の厄除けや厄払いの祈祷を受ける方も増えています。

12月は何かと多忙ではありますが、年始の混雑を避けることで静かに祈祷を受けられます。

本来の意味から考えると、前年度に受ける方が自然な気がします。
我が家は幸先参り派。
年末に静かにお参りし、初詣は日の出の時間帯の元朝参り。その後、3が日を過ぎてからゆっくりお参りするという、三段構です。

厄年のお祓い・祈祷は年中受けられる

神社でも寺院でも、1年を通して受付ていますので、年中受けることができます。

代理での厄祓い/厄払い・厄除け祈祷

自分の病気やケガ、育児、介護、仕事などの都合で、厄除けや厄払いに行くことができない場合には、配偶者や他の家族、パートナーが代理で行うこともできます。

基本的には、名前と生年月日がわかればいいとされていますが、代理を受け付けていない寺社仏閣もありますので、事前に電話等で確認しておく必要があります。

喪中時の厄祓い/厄払い・厄除け祈祷

喪中でも、厄払いや厄除け祈祷を受けることができますが、神社と寺院では異なる点があります。

お寺の場合

仏教の寺院では、喪中・忌中に関わらず、厄除けや厄払いを行うことができます。

神社の場合

神道では、忌中(没後50日)期間が神社に立ち入ることを控えます

喪中期間でも、厄払い等のお祓いを受けることができますが、忌明け後にします。

神道での忌明けは50日です。

厄年以外でも運が悪いなら

厄年でなくても、お寺や神社で祈祷を受けることができます。例えば:

  • 不運が続くとき
  • 心配事があるとき
  • 新しい事柄を始めるとき
  • 新天地に行くとき
  • 状況を変えたい時
  • 新しい車を買ったとき、引っ越すとき など

一般に、神社で受けるのが「厄払い」、寺院で受けるのが「厄除け」ですが、いずれも神様・仏様の力を借り厄災を遠ざけ、身を護ることを目的としています。

これといったトラブルや不安がなくても、今後も平穏に過ごすための祈願としても受けることができます。

科学的根拠はないといっても、気分転換になったり、考え方や生き方を変えるきっかけにはなったり、気持ちの整理になったりするものです。

厄年の過ごし方〜やってはいけないこと

厄年は、厄災が降りかかりやすい時期と言われますが、やってはいけないことなどはありません

上述の通り、厄年という特定の年齢に不運や厄災に見舞われるわけではなく、身体的にも社会的にも転換期を迎えやすい時期というだけなのです。

転換期には、体調を崩しやすくなったり、不安やストレスを感じやすくなります。大きな挑戦や決断が多くなれば、その分、ミスや失敗、不運、精神的負担なども増えたりするものです。あまり気にしすぎない方が身のためです。

厄年の過ごし方

  • 厄年であることを気にしすぎない
  • 普段以上に安全管理に心を配る
  • 心身の健康管理やケアをする
  • 生活環境や将来のことを見つめ直す
  • これまで無事に暮らせてきたことに感謝する
  • 不安や困難さを感じる時は、無理に進めず、準備期間と捉える
  • 不運は厄年のせいにして乗り越える
  • 厄払いや厄除け祈祷を受け、気持ちを切り替える

厄年と八方塞がりや方位除け、八方避け

厄年とよく混同しやすいのが「八方塞がり」や「鬼門」などがあります。

八方塞がり・鬼門・裏鬼門・困難宮とは

八方塞がり」や「鬼門」「裏鬼門」「困難宮」は、9年に一度巡ってくる最も注意が必要な運勢の状態のことですが、これは九星気学(きゅうせいきがく)という、古代中国の思想に基づいた占術のひとつによるものです。

九星気学は、その人の生まれ年により「本命星(生まれ星)」を9つに分類し、吉凶を占う考え方です。

個々人の運勢や性格、さらには人間関係や環境との相性を占い、日常生活や行動、避けるべき方位の指針として活用されてきました。

九星気学では、良くない年回りが4つあります。

中央:八方塞がり
一度悪い方に向かうと、よくないことが立て続けにおきる、災難を招きやすい年

数え年:
1歳、10歳、19歳、28歳、37歳、46歳、55歳、64歳、73歳、82歳、91歳、100歳

北東:鬼門
変化や変動が多く、運気が衰える年

数え年:
4歳、13歳、22歳、31歳、40歳、49歳、58歳、67歳、76歳、85歳、94歳

北:困難宮
最も運気が停滞する年

数え年:
6歳、15歳、24歳、33歳、42歳、51歳、60歳、69歳、78歳、88歳、96歳

南西:裏鬼門
前年までの運気が徐々に好転する年でがあるが、特に年の前半は要注意

数え年:
7歳、16歳、25歳、34歳、43歳、52歳、61歳、70歳、79歳、88歳、97歳

いずれも、病気、ケガ、事故、人間関係のトラブルなど、不運/不幸なことが起こりやすく注意が必要な年とされています。

人生の約半分は凶方。
そんなものですよね。

「方位除け」とは

方位避け」とは、この九星気学を基にし、「八方塞がり」や「鬼門」といった凶方に位置するとされた年に、災難が降りかからないようにする祈祷のことです。

その1年を無事に過ごすための祈祷ですから、新年早々から旧暦の新年である立春までに受けるのが良いとされています。

「八方除け」とは

八方除け」は、地相・家相・方位・日柄などに起因するすべての禍事・災難を取り除き家業繁栄・福徳円満をもたらすよう祈祷するものです。

「八方塞がり」の年の祈祷であれば、新年早々から立春までに、

転居、転勤、旅行、出張などで占いでよくないとされる方角へ移動する前の祈祷であれば、移動の前に受けます。

占術ですから、厄年同様科学的根拠はありませんが、気になる場合は神社やお寺で「方位除け」「八方除け」の祈祷を受けることができます。

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【おすすめギフト】厄年の縁起物〜七色・長い物

厄年を気にされている方には、本厄の時に贈り物をし、相手の体調を気遣う気持ちを伝えることもできます。

厄年の縁起物

  • 七色のもの
  • 長いもの

「ラッキーセブン」という言葉があるように、「7」は縁起の良い数字とみなされていますが、日本でも厄除けには「七色のものを持ち歩く」との風習もあります。

これには諸説あるようです。

  • 七つの色を一度に持つと 七つの災いから身を守り 七つの幸運を招く」の言い伝え
  • 七難即滅 七福即生」〜仏教の経典「仁王般若経」にある言葉
  • 七福神

「仁王般若経(にんのう‐はんにゃきょう)」は、中国の大乗仏教の経典です。

お経を読んだり信仰することで、七つの災難がすぐに消えて七つの福が生まれるとの教えです。

ここでの、7つの災難とは、太陽や月、星の異常現象による災難、火災、水害、風害、干害、賊による侵略。7つの福とは、律儀、有福、威光、愛嬌、大量(豊作)、人望、寿命。

ここから、日本の独自信仰である「七福神信仰」へ発展したと考えられています。

七福神の場合には、単体ではなく、「七福神」であることが望ましいようです。

置物には多くの種類がありますが、持ち歩くのは困難です。七福神全てを彫ったブレスレットであれば、いつでも身につけて持ち歩くことができます。

「法徳堂」は、高野山にある表装・宗教用品専門店。Amazonや楽天でも購入できますが、その辺の雑貨とは異なりますので、ご安心を。

なお、最強真言とも言われる「光明真言」を高野槇(こうやまき)に刻んだブレスレットもあります。

他にも、厄年には「長寿」への願いを込めて、「長いもの」を送る風習もあります。これは、まだ平均寿命が短かった時代に、人生の節目において長寿を願ったものと考えられています。

振袖の着物や袋帯などでしたが、社会生活の変化もあり、ネクタイやベルト、マフラー、ネックレスなども人気です。

***

厄年にしても、八方塞がりや鬼門などにしても、科学的根拠・医学的根拠・統計学的根拠があるものではありません。

気にする気にしないも、厄除けや厄払いも、個々人の自由です。

気にしすぎず、より平穏な日々を過ごせるよう、普段以上に安全や健康に心を配りたいものです。

夫は還暦間近。
しかも、二人とも同じ本命星なので、良くない年回りが続きます…
なかなか上手くいかないことは、厄年やら凶方のせいと考え、あまり気せず無理をせず、健康に留意して過ごしたいと思っています。

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