スモールハウス/タイニーハウスに暮らすメリット・デメリット・注意点

スモールハウスとは、一般的な一戸建てよりも「小さな家」。

必要最低限な間取りとミニマムな設備を備えた住まいで、欧米ではタイニーハウス(tiny house)とも呼ばれ、日本とは比べ物にならないほど大ブームです。

日本でも、300万円程度から1,000万円程度で建てられることもあり、若い人やリタイア組の住み替えとしても新築しやすく、注目を集めています。

この記事では、平屋のスモールハウスを建てるメリットと、日本におけるスモールハウスの人気メーカー一覧(リスト)と合わせて、スモールハウスを注文する際の注意点について解説します。

目次

スモールハウス/タイニーハウスとは?

スモールハウスには、明確な定義はありません。構造や工法などが異なる多くの種類がありますが、ざっくり次のようなものがあります。

  • 基礎がついた狭小住宅
  • 庭などに設置できる小さな小屋
  • 工場で部材を加工し、現地で組み立てるプレハブ住宅
  • 貨物用コンテナを利用したコンテナハウス
  • 車で牽引できるトレーラーハウス
  • キャンピングカー(バンライフ)
  • 軽量の発泡ポリスチレンを使用したドームハウス

ミニマリスト、田舎や別荘地などでの小さな暮らし、リタイア後の住み替え、セカンドハウス、、その理由は様々ですが、スモールハウスを建てたり、コンテナを購入してスモールハウスに改造する人たちは、日本でも増えています。

一方、欧米では昔から「牽引できるトレーラーハウス」や「キャンピングカータイプ」の住まいも多く、安く快適に、そして自由に暮らしたい人達の間で人気がありましたが、最近俄かにノマドスタイルの暮らし方が注目され再ブームとなっています。

このスモールハウス。おしゃれで自由な輸入文化のような気もしますが、800年以上も前に日本でも実践し、その生き方を残した人がいます。

鴨長明の『方丈記』ミニマリストの最強お手本であり、日本最古の災害文学であり、乱世をいかに生きるかという人生論でもあります。

エッセンスを読みとるなら漫画もオススメです。30分かからずに読めます。
※ Kindle Unlimited 対象。無料で読めます。↓

著:鴨長明, イラスト:信吉
¥1,336 (2024/11/18 19:15時点 | Amazon調べ)

もう少し、じっくり読みたくなったら、オススメはこちら。↓
読みやすい現代語訳と、わかりやすい解説です。

スモールハウス/タイニーハウスに暮らすメリット

スモールハウス/タイニーハウスを建てる、スモールハウスに住むメリットはいくつもあります。

建築費用が安いこと

基礎から作り込む狭小住宅でも、敷地、基礎、屋根など全ての面積が小さいので、建築費用が安くなります

建築費用が安ければ、頭金やローンの負担も最小限、もしくは手元資金だけでも一戸建てを購入することも可能。その分、土地代など費用を他の生活環境インフラに充当できるので、より快適な暮らしが実現できます。

維持費が安い

全てがコンパクトですから、維持費の削減につながります。日常的な照明や空調、税金、修繕などの費用が抑えられます。

太陽光発電システムと蓄電池を取り入れて電気の自給自足をすれば、さらに生活コストも下がります。

家自体が狭いので、必要なものだけで暮らすことになり、必然的にシンプルライフになります。

あわせて読みたい
田舎に暮らして自給自足〜仕事をしないライフスタイルの中で稼ぐ方法 都会での生活をやめて、または投げ打って、地方に移住して田舎暮らしをする。そんなことを思い描くとき、必ず頭をよぎる四文字熟語「自給自足」。 自給自足という言葉に...

デザイン性が高い

スモールハウスですから狭小です。

でも、デザインの自由度はむしろ高く、近年はよりスタイリッシュ且つ機能的なタイニーハウスも増えています。

より簡単に施工できるユニットタイプのスモールハウスさえあります。

多くの狭小住宅を出がけている SHDL (Small house design lab.) のサイトを見ていると、驚きます。こんなにスタイリッシュな家があるなら、もうこれでいい!くらいな気持ちにさえなってきます。

参考~スモールハウスの魅力を知る

Netflix(ネットフリックス)で、スモールハウス(欧米ではtiny house~タイニーハウス)をテーマにした番組が放送され、大ブームにもなっています。

タイニーハウスの本場、アメリカのバラエティー豊かなタイニーハウス/スモールハウスが見られるほか、セルフビルドなど「手作りで家を建てたい」方向けの、施工のヒントもたくさん詰まっています。

>参考リンク:タイニーハウス〜大きなアメリカの極端に小さな家〜(Netflix) 

あわせて読みたい
田舎に土地だけ購入しローコストでおしゃれな平屋を新築するメリット・デメリット 近年、おしゃれで住みやすそうな平屋住宅が増えています。 大手住宅メーカーでも、機能的でデザイン性にすぐれた平屋住宅の注文は、年々増えていますし、「スモールハウ...

スモールハウス/タイニーハウスに暮らすデメリット

スタイリッシュで魅力あふれる、メリットだらけのようなスモールハウス/タイニーハウスですが、デメリットもあります。

生活空間が狭い

スモールハウスですから、当然狭小です。狭いです。

物を増やすこともできません。使える生活家電なども限られてきます

そもそもで、モノが多い、モノを捨てられない、コレクションがある、新しい生活家電はとにかく揃えたい、、という方にはそもそもで不向きです。

家族で暮らす場合、部屋数も限られてきますので、プライベート空間の確保も難しくなります。電話やオンライン会議などでは、会話が筒抜けになったりもします。

ライフスタイルの変化に合わせにくい

生活空間が限られているため、ライフスタイルの変化に合わせて暮らしかたを変えにくくなります。

例えば、家具のレイアウトを変える、家具を入れ替えることも、自由自在ではありません。

初期に、生活動線、家事動線も含めてよく考えておく必要があるのです。

防犯性に欠ける

一般的な戸建住宅に比べ、防犯性に欠けることがあります。

デザイン等にもよりますので、必要に応じてセキュリティや防犯対策は講じる必要があります。

耐久性に欠ける

構造や工法によっては、耐久性に欠けることもあります。

もちろん、狭小住宅として、基礎からきちんと施工する場合には、一般住宅と変わらないこともあります。

想定していた費用よりも建築コストがかかることもある

建て方や敷地にもよりますが、水道や電気などのインフラ工事が必要な場合、想定した費用よりも建築コストが高くなる可能性もあります。

スモールハウス/タイニーハウスを建てる際の注意点

メリット・デメリットを理解した上で、スモールハウス/タイニーハウスを建てる場合、さらに注意点もあります。

スモールハウスのサイトでは、建築物本体価格しか表示されていない

スモールハウスを販売しているメーカーサイトでは、基本的に建築物の本体価格が表示されています。費用に含まれているもの、含まれないものを、よくご確認ください。

土地は自分で用意する

スモールハウスを建てる場合には、当然ですが「土地」が必要です。

家の建築工事とは別に、「土地代」が発生します。

敷地や広さ、周辺環境など、妥協しないことが賢明です。家が狭くても庭が広いとか、とても便利な立地にあるほうが断然こころ豊かに暮らせるからです。

土地は、自分でお気に入りの場所を見つけてください。

生活インフラの工事費用がかかる

電気や上下水道、光回線、テレビなどの、生活インフラを引き込む工事費用は別途かかります。

住宅設備は基本は別

一般の戸建て住宅を新築する場合には、住宅設備も一緒に工事してもらうため、基本的にはその費用も見積もりに入ってきます。

スモールハウスの場合には、基本的には建物本体価格です。住宅設備は含まれていませんので、別途依頼、あるいは自ら手配する必要があります。

建築確認は必要

スモールハウスとはいえ、基本的に建築確認の申請/審査が必要です。

より小規模な倉庫や小屋の場合は、建築確認申請が不要になりますが、住居とするレベルであれば建築確認申請が必要なものと認識しておきましょう。

【建築確認申請が不要なケース】

  • 10平方メートル以下の建築物であること
  • 増築・改築・移転であること
    ※ 新築の場合は不可
  • 防火指定のない地域(防火地域・準防火地域以外の地域)

固定資産税はかかる

タイニーハウスでも、建物に基礎があると土地に定着していることになり、固定資産税が発生します。

固定資産税は、評価額に標準税率の約1.4%(税率は自治体によって異なります)を掛けて算出されます。

車で牽引できるトレーラーハウス以外は、基本的には固定資産税がかかります

貨物などのコンテナを利用したコンテナハウスでも、内装を整え、地面に定着すれば建築物扱いとなり、固定資産税は課されます。

コンテナを地面に直に置かず、コンクリートブロックの上に設置し移動可能にするなどの逃げ道もありますが、土地が更地扱いになるため土地の固定資産税が上がる可能性もあります。

施工会社や自治体に、事前に確認をとっておくと間違いがないでしょう。

土地はメーカーや建築士と確認しておく

ハウスメーカーの建築家(設計士)や工務店の担当者と一緒に土地を見に行くことも重要です。

たとえ、ユニット式でも、メーカーの担当者と土地を確認しておきましょう。

現地を見ないで契約するようなメーカーは断ったほうが、身のためです。

スモールハウスの人気メーカーと参考費用

スクロールできます
メーカー名参考費用
無印良品の小屋300万円〜
スノーピーク「住箱」605万円~
天城カントリー工房amagear(旧kobako)215万円~
BESS「第三のトコロ IMAGO」179万円~
アメリカンホームシステムジャパン「キャンピングドーム」141万円~
casa cago270万円~
Tinys INSPIRATION750万円~

※メーカー名をクリックするとメーカー公式サイトにリンクし施工例が確認できます。

バス・トイレの有無、トレーラーハウスか、建築物かによっても、費用はかなり異なります。

スモールハウス自作(DIY)キットの参考価格

スモールハウスには自作(DYI)用のキットも販売されています。

スクロールできます
メーカー名参考価格
株式会社ビックボックス FINLAND HOUSEフルキットミニログ105万円~
TALO 小さな家Kukka TALO [クッカ タロ]578万円~
ジェイスタイル・ガレージ株式会社 CEDARSHEDクラブハウス77万円~
ベストログ研究所 ミニログ74万円~
キットハウスKOYA 480万円~

※商品名をクリックすると実際にどのような小屋が建てられるのか、手作りキットの画像が確認できます。

スモールハウスであれば、無理なく新築一戸建てが実現できます。

キットがあれば、スモールハウスをセルフビルド(DIY)することも可能です。

いずれにしても、立地は重要です。そして、その土地にあうよう設計する、あるいは最も適するハウスキットを選び、建材や住宅設備を調達することで、小さくても快適な住まいに仕上がります。

安いとはいえ、大きな金額・大きな買い物ですし、面積が狭いだけで工事の内容は通常の一戸建てとほとんど変わりありませんので、工事を依頼する前には最低限知識を頭に入れておくことをおすすめします。

騙されない失敗しない為に知っておくべき「住まい」に関する基礎知識のレポートをNOTEにアップしています。無料部分だけでもお読み頂ければと思います。

ちょっと宣伝

家を建てる・注文する・リノベーションする、その前に、最低限必要な知識があります。
騙されない/失敗しない家の買い方、発注の仕方、見積もりの読み方、そして住宅ローンの借方をガイドしているマニュアルNOTEで一部無料公開しています。
うん千万の買い物を失敗しないためにも知識武装してください。

よかったらシェアしてね!
目次