上善如水(じょうぜんみずのごとし)
「上善」とは、最も理想的な生き方のこと。
上善如水〜最も理想的な生き方は、水のようなものであるという。
水には、万物に利益をあたえながらも、他と争わず器に従って形を変え、自らは低い位置に身を置くという性質があります。
水は己の形に囚われることがありません。
雲となり雨となり雪となり、氷にもなる。
時に静かに、時に激しく、様々な姿に変化しながらも、その特性や性質を失うことはありません。
上善如水〜水のあり方のような生き方こそが、理想的な生き方であると説いているのです。
今までの私たちの、今の私たちの生き方はどうなのでしょうか。
過去に囚われ、常識に縛られ、間違った思い込みをしているのではないか?
「これはこういうもの」「こうあるべき」だと物事を決めつけていないだろうか?
自分の価値観、物差しだけで判断し、自分の正義を振りかざしていないだろうか?
自分とは異なる考え方を受け入れること、理解しようとすることなく、否定していないだろうか?
「自分」という曖昧なものに囚われ、コトの本質を見逃していないだろうか?
まったく柔軟性がない、全然しなやかではない生き方をしてきてはいないだろうか?
「人より上に立ちたい」「自分だけ損をしたくない」「少しでも得したい」、そうやって常に上か下かと無意味な比較をし、損か得かにばかり心を奪われているのではないだろうか?
私たちは、無意識のうちに、あるいはわかっていながらも、自ら不自由で苦しい生き方を選んでしまっているのです。
自分を飾ることなく、何物にも囚われず縛られず、自由に、柔軟でしなやかに、水のように、生きていけば良いのでは?
自分を常に低いところに置く謙虚さを忘れない。
環境や流行りに惑わされず、自分の本質は変えない。
でも、どんなふうにも変化することができる。
こだわりがなく、執着がない、しなやかな生き方。
上善如水。
水で気づく生き方。水に気付かされる生き方。
何歳になっても、どんな経験を積んでも、自然には学ぶことはたくさんあります。