「礼節」という最強の生存戦略を今一度胸に留めておく

礼節」とは、状況や相手にあった礼儀をほどよく示す行動や作法の意味。

  • 敬意や慎みの心をもって相手に接することが「礼儀
  • ほどほどの、度を越さない、適当なほどあい、を意味する「節度

ただ格式ばった形だけの礼儀だけを一方的に相手に押し付けるのではなく、相手のことを考え、相手に失礼に当たらない、また相手が心地よく思う礼儀を示すことを「礼節といいます。

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今、礼節に問題がある

礼節は、年々悪化していると言われています。

アラフィフであるわたしも、礼節の悪化に伴う加害者にもなり得るし、被害者にもなり得ます。とても気をつけなければなりません。

職場など組織や集団、SNSなどコミュニティにおいて、礼節の悪化傾向は顕著です。

上司が一人の部下、または部下が上司ををみんなの前でいじる。バカにする。過小評価する。そして失敗は全て部下、あるいは上司のせいにする。

自分の気に入らないことや、当然と期待するレベルに届かないと、一方的かつ攻撃的に晒す。

それに乗っかり、自分にはなんの害がない人まで、まるで自分が「被害」にあったかのように、まるで自分だけが正義のように、喚き立てる。実際には、SNSで過剰に反応しているだけですが。

あるいは、晒した本人に非があると感じれば/考えれば、逆に徹底的に叩き、晒す。こちらも同様に、別に自分に何らかの害があるわけでもないのに、正義を振りかざします。

相手の尊厳を傷つけることも、配慮に欠いた言動も、過剰なまでの反応も、「自分の思う正義」と「匿名」いう鎧を被り、平気で行われます。

人類はテクノロジーによって凄まじい進歩を遂げたように思えるのですが、そういった行為に関しては変わらない。むしろ悪化しているのかもしれません。

その原因は、グローバリゼーションによる文化の違い、世代間での価値観のずれ、テクノロジーの進歩による対人コミュニケーション能力の進化もしくは退化、などなど、それらによって人間関係が悪化し、礼節も低下、礼節の低下が更なる人間関係の悪化を促進させるといった負のスパイラルに陥っているからなのでしょう。

無礼な態度がもたらす5つの悲劇

  • 人の健康を害する 相手の死亡リスクを高める
  • 経済的損失をもたらす
  • 人の思考力や集中力を下げる
  • 人の能力を下げる
  • 人を攻撃的にさせる

これらは科学的に証明されています。

  • 職場での人間関係が良好な場合とそうでない場合とでは、中年の死亡リスクが2.4倍違う。
  • 日々仕事でストレスを感じている人はそうでない人と比べて、医療コストが46%高くなる。
  • 職場で誰かから無礼な態度を取られた従業員のうち約半数が、意図的に労働力、労働時間、仕事のクオリティを下げていることも判っている。

仕事のストレスが原因で働けなくなったら労働力が減る、病院に通わないと行けなくなったら労働時間が減る、礼節の悪化〜無礼な態度は、自分にとっても会社にとっても国にとっても、誰も得しないのです。

礼節の三原則

  • 其の1「笑顔」 
  • 其の2「相手を尊重する」 
  • 其の3「人の話に耳を傾ける」 

子供は平均1日400回笑うそうです。一方、大人は1日20回程度。

笑顔は長寿と関係があることも判っています。

自分が笑顔であることはもちろん、笑顔をたくさん見ることでも寿命が延びるそうです。

相手を尊重するもっとも簡単な行動・行為は、「3mで目を合わせ1.5mで挨拶する」こと。

その作法を習慣化すれば良いそうです。

人と話す場合は、聞く体制になることが肝心です。

人の話を遮らない、言いたくなっても堪える、話すと聞くの割合は1:2がベターだそうです。

そのために、口は1つ、耳は2つあるとは言いますが、本当ですね。

わかっていても、なかなかできていないことばかりと、反省させられます。

無礼な人への対処法

相手の無礼を正すことは無意味であり、無理です。

無礼な相手のために心を乱され、相手のために時間を使う必要も、相手のためにエネルギーを使う必要もありません。

相手を変えるのではなく、その無礼を自分の成長の糧にするよう心掛けようと思っています。

それは、無礼を許す訳では有りません、無礼を自分のために利用するのです。

どんな無礼や逆境に直面しても成長のチャンスと解釈するのです。自分の都合よく解釈し、前向きに考え自分の成長の糧にするのです。

どんな時でも着実に前に進んでいる、この実感をもてるかどうか、成功を自覚することこそが最大の防御法なのです。

どう対応すればいいかわかっていても、反応しないと心がけていても、脊髄反射のようにまた反応してしまう自分もいます。50年も生きているのに、まだまだですね。。

著:クリスティーン・ポラス, 翻訳:夏目 大
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