狩猟免許のとり方、合格のコツ、猟に出るまでの手順や各種申請〜経験からのアドバイス
狩猟免許の種類と取得する手順、そして合格するためのコツ、さらには猟に出るまでに必要な申請や手順をまとめておきます。
結構大変です。。猟に出てみたい(特に銃)方は、猟に出るまでに必要な申請や講習などを確認してから、判断されることをオススメします。
狩猟免許の種類
狩猟免許には以下の4つの種類があり、その中から一つまたは複数選択して試験を受けることになります。
- 網猟免許:網(むそう網、はり網、つき網、なげ網)による猟の免許
- わな猟免許:わな(くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな)による猟の免許
- 第一種銃猟免許:銃(ライフル銃・散弾銃の装薬銃や空気銃)による猟の免許
- 第二種銃猟免許:銃(空気銃限定)による猟の免許
狩猟免許試験受験資格
20歳以上の者(網猟・わな猟は18歳以上の者)
狩猟免許取得までの流れ
・各都道府県のホームページからダウンロード可
・申請書記入、医師による心身の健康を証明する診断書、写真、返信用封筒など
・決められた期日までに書類を提出
・各都道府県により狩猟免許試験日(年2回程度)が異なります
・手数料は収入証紙や電子納付など、自治体により指定されています
試験の前に各都道府県の猟友会主催で開催される講習会(受講料1万円程度)は、任意ですが絶対受けたほうが良いです(理由は後述)
・午前:狩猟に関する知識試験→合格発表
・午後:知識試験合格者を対象に適性試験(視力、聴力、運動能力)及び、技能試験
>環境省 狩猟ポータル 狩猟免許を取得する(https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/license.html)
試験日から概ね2~3週間後に窓口等での提示&郵送で通知
狩猟免状は狩猟免許申請書を提出した窓口で受験票と引き換えに交付
狩猟免許合格のコツ
狩猟免許講習会は必ず受講すること。
講習会の受講は任意(希望者のみ)です。
日程が合わなくて受講できなかったり、または受講料(1万程度)をケチって受講しない人は、本番の試験ではかなり不利になると思います。
狩猟免許試験の知識試験はさほど難しくありません。テキストを購入するなどして独学可能です。
しかし、初心者(初受験で)技能試験をクリアするのは、ほぼ無理です。
罠(わな)猟の仕掛け方、銃の構え方や分解・組立方法、グループを組んで猟に出るときのフォーメーション、銃の受け渡し方、等々 技能試験ではそんな実技が課せられ一挙手一投足がチェックされるのです。
そういう実技を教えてもらえるのが講習会です。
試験前に各都道府県の猟友会主催で、公民館など数か所で開催されます。日程が合わずに最寄りの会場がダメでも、どこかで必ず受講してください。
知識試験の「ここが出る!」情報は勿論、技能試験における実技を、実際の試験で使われる罠や銃を用いて、手取り足取り教えてくれます。
この講習会の講師の面々は、現役の猟師(猟友会メンバー)で、そのまま本試験の試験官でもあるので超実践的、且つ、スパルタです。服装や姿勢、声の出し方まで指導されます。
狩猟免許取得後、狩猟をはじめるまでに必要なこと
狩猟合格免許試験に合格し免状を受け取ったからといって、それだけでは狩猟をすることは出来ません。
狩猟者登録をする
狩猟の前には、狩猟しようとする都道府県に「狩猟者登録」をする必要があります。
これは狩猟する都道府県ごとに登録が必要で、例えば、神奈川在住の方が神奈川県と北海道で狩猟をしたい場合は、長野県と北海道のそれぞれ両方に申請しなければなりません。
【狩猟者登録に必要なもの】
- 狩猟者登録申請書
- 狩猟免状(免許)
※ 原本もしくは写しの提出 - 損害賠償能力(3,000万円以上の保障が可能であること)を証明するもの
- 写真 2枚
- 登録手数料・狩猟税
損害賠償能力(3,000万円以上の保障が可能であること)を証明するものというと、あまりにもハードルが高いような気もしますが、要は損害保険の加入書があれば問題ありません。
【損害賠償能力(3,000万円以上の保障が可能であること)を証明するもの とは?】
- 一般社団法人大日本猟友会の共済事業に加入の証明書
- 損害保険会社に加入の証明書
- 3,000万円以上の保障が可能な資金信用を有することの証明書
登録手数料・狩猟税は申請する都道府県によっても異なりますが、下記の程度です。
- 手数料:1,800円
- 狩猟税:
第一種銃猟の場合・・・16,500円
第二種銃猟の場合・・・5,500円
わな・網猟の場合・・・8,200円
※ 手数料や狩猟税の納付は、登録する都道府県ごとに必要です
※ 県民税の所得割の納付を要しない方の場合、狩猟税の軽減もあります
申請方法や申請時期など詳しくは、申請先の都道府県担当部局に確認下さい。担当部局は自治体毎に異なります。
狩猟者登録を申請すると、狩猟者登録証、狩猟者記章(バッジ)、鳥獣保護区等位置図、狩猟者必携が交付され、狩猟解禁日から狩猟が許可された区域に限り狩猟することが出来るようになります。
>環境省 狩猟ポータル 狩猟者登録をする (https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/register.html)
銃の保持には銃砲所持許可申請が必要
銃を所持するためには警察署へ銃砲所持許可(猟銃・空気銃所持許可)を申請しなければなりません。
この申請が、また大変です。購入会の受講、申請、射撃教習後に、やっと銃砲所持申請ができるようになります。
・警察署に受講申請し、指定の日に受講
・銃の仕組みや取り扱い⽅法、注意事項などの講習
・猟銃の仕組みや法令、安全面について出題される筆記試験で70点以上で合格
・合格者には「講習修了証明書」が交付されます。
- 猟銃等講習受講申込書
- 写真
- 都道府県の収入証紙 6,800円
・射撃教習を受ける資格があるか調査・審査が⾏われます
・問題がなければ「教習資格認定書」が交付されます。
- 教習資格認定申請書
- 同居親族書
- 経歴書
- かかりつけ医・精神保健指定医等が作成した診断書
- 写真
- 身分証明書 ※市町村役所等で取得
- 住民票の写し ※ 本籍地記載
- 講習修了証明書 ※ 提示
- 都道府県の収入証紙 8,900円
所轄の警察署に申請書を提出し、「猟銃用火薬類譲受許可証」を返送してもらいます
・射撃教習を開催している近隣の射撃場に射撃教習を申し込みます
・実包販売の有無、射撃用ベストなど備品の貸し出し有無、種目、持参が必要なものなどの確認をしてください
・銃の分解・組立方法、構え方、注意事項などを教わり、射撃試験に合格すると、「教習終了証明書」が交付されます。
- 猟銃用火薬類等譲受許可申請書
- 教習資格認定書 ※ 提示
- 都道府県の収入証紙 2,400円
・猟銃を購入する際には、銃砲店に「講習終了証明書 ①」「教習終了証明書(猟銃購入の場合のみ/④)」の持参が必要です
・購入する銃が決まったら、銃砲店から「譲渡等許可書」を受け取ります
・銃砲所持許可申請に際しては、ガンロッカーの購入と設置も必要です
・猟銃の所持許可申請には装弾ロッカーも別途用意して設置が必要、空気中なら不要です
・住所地を管轄する警察署の生活安全課に以下の書類を提出し、銃砲所持許可申請を行います
- 銃砲所持許可申請書
- 同居親族書
- 経歴書
- かかりつけ医・精神保健指定医等が作成した診断書
- 写真
- 身分証明書 ※市町村役所等で取得
- 住民票の写し ※ 本籍地記載
- 譲渡等承諾書 (⑤)※ 銃砲店から取得(⑤)
- 講習修了証明書 (①)※ 提示
- 教習修了証明書 (④)※ 狩猟の場合のみ提示
- 都道府県の収入証紙 10,500円
・申請後、警察官が保管設備の確認に来ます
・許可が下りたら警察署に許可証を受け取ります
・警察署で許可証を受領後、銃砲店に所持許可証を持参し、購入した銃を引き取ります
・銃を受け取り後14日以内に住所地を管轄する警察署に行き、許可証の記載事項に間違いがないかの確認を行います
銃で猟をするには、ここまでしないといけません。
これが面倒だからといって、家族や知人の銃を借りて猟をすることも認められていません。
銃の許可は『一銃一許可』。
銃の所持許可は、本人がその銃を使用できるという許可に過ぎません。他人が所持する銃の所持許可はありませんので、親や友人の銃を借りて撃つことができないのです。
様々な案内が来たり、色々アドバイスやサポートを受けられます。試験に合格すると、地域の猟友会から入会のお誘いがきます。会費は年間約1万円程度です。
罠や網であればさほど大変ではありませんが、猪や鹿、熊などの銃を用いる猟の場合、狩猟免許をとってから猟に出られるようになるまでが大変です。
一度クリアすれば、問題を起こさなければあとは更新するだけです。更新も、講習会などがあるので面倒ですが、こればかりは仕方がありません。
狩猟は古くて新しいライフスタイル。田舎暮らしならではの醍醐味でありお金には代えがたい贅沢なことでもあります。興味がある方はぜひ試してみてください。
私たち夫婦は、敷地が猪に頻繁に荒らされたこともあり、狩猟免許を勢いで取得しました。生活のためとはいえ、現実的に難しいことが途中でわかり、その手間と必要性を天秤にかけ、結局は免許取得のみで終了。
レジャー的な意味もあれば、もう少し積極的に取り組めたかも、、などと今なら思えます。