「させていただく」の多用はウザイ!気持ち悪い!だけじゃない、使い方と注意点

目次

させていただくとは?

“させてもらう”という自分の行いをへりくだって述べる言葉〜謙譲語表現。

自分が行うことを相手、もしくは第三者側の許可を受けて行う場合、また、行うことによって恩恵を受けているという事実がある場合に、敬意を表して用いることが適切。(文化庁「敬語の指針」参照

させていただきます症候群とは?

「させていただきます症候群」とは、丁寧な敬語表現だと思い、「させていただきます。」「させていただく。」「させていただいた。」「させていただいて、」を使いまくってしまう人たちのこと。

誉めてません、、揶揄表現です。

気持ち悪い、うざい、バカなのか、と思われることもあります。丁寧な敬語表現として使いたいのであれば、乱用するのは逆効果であり完全な誤用となりますので、注意と理解が必要です。

「させていただく」の適切な使い方・うざい使い方

繰り返しになりますが、「させていただく」には適切な使い方があります。

自分が行うことを
相手、もしくは第三者側の許可を受けて行う
行うことによって恩恵を受けているという事実がある
場合に、敬意を表して用いることが適切。(文化庁「敬語の指針」参照

「させていただく」の適切な使い方

相手、もしくは第三者側の許可が必要、かつ自分に恩恵がある

  • コピーを取らせていただきます
  • 身分証を確認させていただきます
  • 会議室を使わせていただきます

相手や第三者が所有しているものを、許可を得て自分がコピーする、確認する、使用するわけですから、「させていただく」は適切です。恩恵というには少し無理もありますが、規定を守るなどの利益はあります。

「させていただきます」の代わりに「させてください」に言い換えることも可能です。

「させていただく」のややうざい使い方

相手、もしくは第三者側の許可が不要、かつ自分に恩恵がない

  • 館内でのご飲食は禁止させていただいております
  • 今回は申請の承認を見送らせていただきます
  • ⚪︎⚪︎さんと、一緒に学ばさせていただきました
  • メール/電話させていただきます
  • 本日は、休業させていただきます

いずれも自分の行為ではありますが、相手の許可が不要でし、禁止や見送ったところで自分に恩恵はありません。ただ、丁寧な印象は残るので、軽くうざい程度です。

ビジネスシーンで多用される、メール、電話、休業などの自分の行為に対して「させていただく」のは、丁寧な表現と思われがちですが冗長です。相手の許可も不要なわけですから、「〜いたします」で構いません。

「学ばさせていただきました」「共演させていただきました」などは、芸能人あたりも使いがちな表現でかなりうざい感がありますが、相手への最大限の敬意を表したと捉えるとすれば、次のおバカレベルよりはマシです。

「させていただく」のうざい使い方〜ほとんどバカ

相手、もしくは第三者側の許可が不要な場合

  • 感動させていただきました
  • 優勝させていただきました
  • 入学/卒業させていただきました
  • おつきあいさせていただいております
  • 結婚させていただきました
  • ⚪︎⚪︎を担当させていただいていおります、〜です

ただし、本来、優勝・入学・卒業・おつきあい・結婚などをできるレベルではないところを、相手の格別な配慮でなんとか優勝・入学・卒業・おつきあい・結婚などができたのであれば、不適切ではなくなります。

文例

優勝させていただきました
本当は、優勝などできるレベルではありませんが、相手の許可を得て、バレないように相手に配慮してもらい優勝することができました。← 八百長レベル

文例

入学させていただきました
本当は、入学などできるレベルではありませんが、学校側の許可を得て、バレないように配慮してもらい入学することができました。 ← 裏口入学レベル

文例のような意味合いをやんわり伝えるために使うのであれば、適切であり、むしろ日本語能力も高いとみてよさそうです。

言葉遣いの指摘は老害・ハラスメントなのか?

言葉遣いの問題は、いつの時代にもあります。

ちなみに、この「うざい」もそうです。もともとは「鬱陶しい」。1980年代に東京多摩地区で使われた「うざったい」が「うざい」に略され、1990年代には全国的に使われるようになりました。「ウザ」「うぜぇ」などの表現もありました。

当時の、オトナ達にとってはあり得ない言葉遣いだったのでしょうが、そのオトナ達はすでに高齢者となり、当時我が物顔で使っていた青少年達が、今のオトナ(おじさんおばさん世代)です。

「させていただく」の多用・乱用に関しては、若者世代だけではなく4〜50代世代にもあるようですが、相手の言葉遣いを事細かに直接指摘すると、「面倒なこうるさい人」ですまないのが今の時代です。

伝え方によっては、相手が不快感や精神的な苦痛を感じることもあります。そうなれば、十分ハラスメントに該当します。

また、テレビなどの公共の電波で芸能人も多用している日本語の表現であるにもかかわらず、使い方がおかしいと指摘することは、自分の価値観で物事を判断し、時代の変化についていけない老害」やら「ソフト老害」などとも言われかねません。

本来、「老害」という言葉は、世代交代がうまく進まず、老朽化してしまった組織のことを表すものでしたが、意味する範囲は拡大し続けています。今では、自分たちへの理解がない、自分より年齢が上の人から受ける不快な行為はほぼ老害。3〜40代であれば「ソフト老害」とも言われかねません。

言葉遣いが適切でないと気持ち悪さが残りますが、指摘の仕方には配慮が必要です。

かくいう私は、いただいたメールや電話のフシギな日本語表現に対し、一人悪態をつくこともあります。相手は、育てるべき部下ではありませんので、直接伝える必要性もなく、こうしてブログなどでツラツラ呟いています。組織に属さないことで大変なこともありますが、組織に属さないことで免れることも多かったりするものですね。。

過剰な「させていただく」も、あと10年もたてば、普通の日本語になっているかもしれません。確かに、気持ち悪さもウザ感もありますが、慣れてきたのか、年をとっただけなのか、過去に感じたような嫌悪感は最近はないかな。

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