報恩講 お布施〜お包みの袋・水引・表書き・金額・お札の入れ方や向き、熨斗(のし紙)のこと

報恩講でのお布施について、一般的な考え方を簡単にまとめておきます。

報恩講は、親鸞聖人のご法事ではありますが、親鸞聖人のご恩に報い、仏さまの教えや願いをお聞きする「ありがたい日」、感謝する日です。仏事ではありますが、「弔事」にはあたりません

寺院や地域によって考え方が異なりますので、細かいことはご住職や世話人の方に確認すると間違いありません。

目次

報恩講のお布施(お包み)〜袋・封筒、水引

報恩講のお布施を包む封筒には、特に決まりはありません。

【報恩講 お布施の水引や封筒】

  • ご祝儀袋紅白・あわじ結びの水引
  • お布施袋
  • 白封筒など
  • 不祝儀袋〜黒白・あわじ結びや結び切りの水引
    ※ 一部地域では黄白・あわじ結び
  • 寺院からの指定の封筒

水引はあわじ結びが一般的ですが、水引なしの封筒でも構いません

寺院から、袋(封筒)の指定がある場合には、案内所に記載されているはずですので、ご確認ください。

水引の結び方、結び切り、あわじ結び、蝶結び、梅結び

祝儀袋に熨斗(のし)は必要か

ご祝儀袋では、紅白の水引・あわじ結びに熨斗(のし)がついているのが一般的ですが、報恩講では「熨斗(のし)はない方がよい」、寺院や地方によっては「熨斗なし」との考え方もあります。
参照:浄土真宗本願寺派 定秀寺

ただ、「紅白水引・あわじ結び・熨斗なし」の祝儀袋は、実はなかなかハードルが高い。要は、あまり売っていません。水引が蝶結びであれば、熨斗(のし)なしの袋は、普通に購入できるのですが、、

割高にはなりますが、Amazonなどでも購入できます。お布施用の短冊はついていないので、表書きは手書きか、他の不祝儀袋やお布施袋の短冊を流用するかになりそうです。

紅白蝶結びの祝儀袋

ご祝儀袋には、入学祝いや出産祝いなどの際に使う「蝶結び」のご祝儀袋もあります。

こちらを利用しても構いませんが、あわじ結びの方が一般的です。

おすすめは「お布施」袋

上述のように、紅白水引・あわじ結びの場合には、熨斗(のし)がそもそもでついていることが多いので、熨斗(のし)なしの祝儀袋を探す方が大変です。弔事ではないので不祝儀袋を避けたい、違和感がある場合には、水引なしの「お布施」袋が便利です。

表書きが印字された封筒であれば、自筆も不要です。

不祝儀袋(黒白の水引)

不祝儀袋(黒白の水引)でもよいとの考え方もありますが、報恩講は弔事ではないため不祝儀袋は使わないとの考え方もあります。

地域差やお寺の考え方、慣習の違いもありますが、不祝儀袋は避けておくのが無難です。心配な場合には、祝儀袋(紅白)でも、不祝儀袋(黒白)でもない、水引なしの白封筒や、御布施袋がおすすめです。

報恩講のお布施〜金額相場はいくら

報恩講では、寺院によってはお布施の金額が定められています。その場合は、報恩講の案内に記載されているはずなので、まずは案内書をよく確認しましょう。

お布施の金額の指定(案内)がない場合、金額相場は3,000円~5,000円と言われています。

寺院や地域によっても異なりますので、いくら包むかわからない、悩ましい場合には、寺院や報恩講の世話人の方に聞いてみるといいでしょう。

報恩講のお布施〜封筒の表書き

報恩講のお布施では、封筒の表書きに特に決まりはありません。

報恩講 お布施 表書き例

  • 報恩講懇志
  • 御布施
  • 報恩講志
  • 御懇志
  • 御法礼
  • 御仏前

「お布施」であれば、「御布施」専用封筒もあります。これも、表書きが印字されているので、手間なしです。

お布施・懇志・志・志納金の違い

お布施とは

お布施は、ご本尊にお供えするもの

・葬儀、法事法要、月参りなど

懇志とは

懇志(懇志)とは、建物の維持や修繕など、お寺を支えるために寄付するもの、寺財
・金銭の他、お米や野菜、道具などを寄付することもあります

・報恩講懇志、永代経懇志、法座など

【永代経懇志】
故人やその家族に受け継がれた教えや読経が今後も続いていくことを願い、寺院の維持や整備、仏具の購入・修復などのために、お寺へ寄進(寄付)すること

志とは

志・志納金(しのうきん)は、感謝の気持ち(志)によって納めるもの

浄土真宗に限らずですが、寺院へお包みする金銭の表書きは、迷ったら「お布施」に。

「御車代」と「御膳料」は僧侶へお渡しするものなので、「お布施」とは別枠です。

報恩講のお布施〜新札

お布施でお包みするお札は「新札」の方が丁寧とされています。これは、お布施は僧侶に感謝の気持ちを表すものとの考えが、ベースにあるからです。

ただ、決まりごとではありません。用意できない場合には、手持ちの中からできるだけキレイなお札を選ぶようにするといいでしょう。

報恩講のお布施〜お札の入れ方

お布施は、ご遺族にお渡しする香典とは異なります。報恩講に限らず、お布施では通常の包み方(ご祝儀と同じ)をします。

報恩講 お布施 お札の入れ方

  • お札の向きを揃える 
  • お札の肖像画が表向き
  • お札の肖像画が上
施餓鬼でのお布施の包み方、お札の向き、書き方

報恩講のお布施〜金額書き方

ご祝儀や香典と、金額の買い方は同様です。漢数字ではなく、大字(だいじ)で書くのが一般的です。

お布施の金額の書き方

  • 3000円:金参阡圓也
  • 5000円:金伍阡圓也
  • 10000円:金壱萬圓也

千は「阡・仟」、円は「圓・円」のいずれを使用しても構いません
也」はそのあとの端数がないことを意味しますが、省略しても構いません

報恩講のお布施〜いつ渡す・渡す時の挨拶

お寺での報恩講にお参りする際には、受付でお渡しします。

自宅の場合は、基本的にはお勤めの前にお渡ししますが、当日の流れによっては後でも構いません。

お布施を渡す時の挨拶例

  • 本日はよろしくお願いします
  • ご本尊様にお供えください
  • 阿弥陀如来様へお供えください
  • 本日はありがとうございました」

お寺に持参する際には、お布施は袱紗に包み持ち歩くようにしましょう。

自宅での報恩講〜御車代や御膳料は必要か

報恩講でも、自宅や斎場での葬儀や法要と同様に、「御車代」と「御膳料」をお渡しします。

自宅での報恩講 御車代・御膳料の相場

  • 御車代:3,000〜10,000円 
  • 御膳料:5,000〜10,000円 

お車代は、寺院からの距離によります。僧侶の送迎をする、タクシーを手配する場合には不要です。

ご膳料は、報恩講のお勤めの時間に関わらずお渡します。御斎を営んだり、お弁当でお渡しする場合には不要です。

お布施とは異なり、僧侶にお渡しするものですから、お布施の封筒とは別にお包みします。「御布施」「御車代」「御膳料」がセットになった袋を用意しておくと、便利です。

報恩講のお供え〜お寺や僧侶への手土産の「のし紙」や「表書き」

寺院に持参する手土産やお供え、自宅にお越しいただいた際の僧侶への手土産には、掛け紙(のし紙)をかけ、表書きをします。報恩講でも同様です。

報恩講のお供え「掛け紙/のし紙」や「表書き」

  • 掛け紙(のし紙)〜紅白の水引
  • 表書き〜「御供物」「御供」「御仏前」「報恩講志」など
  • 外のし〜包装紙の上(外)に掛け紙(のし紙)をかけます

お布施の袋と合わせましょう。

  • お布施の袋が、紅白の水引であれば、品物(手土産)の水引も紅白に
  • 熨斗の有無もそろえます
  • お布施の袋が「お布施袋」や白封筒であれば、水引や熨斗のない白無地の掛け紙
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