PTA代表として保護者や児童・生徒の葬儀参列〜弔慰金の袋の選び方、書き方、個人としての香典

PTA会長等の役員は、PTA会員(保護者)や児童・生徒が亡くなった場合に、PTAからの弔慰金を渡すため、葬儀参列することがあります。

この場合の、弔慰金の袋の選び方や書き方、会葬御礼や返礼品の扱い、個人としての香典などについて、基本的な考え方をまとめておきます。

目次

PTAからの弔慰金〜対象・金額

PTAから、その会員(保護者)や児童・生徒への弔慰金に関しては、「PTA慶弔規程」などで明確に記されています。

第4条 会員(児童の父母又はそれに代わる保護者)死亡の場合
1. 香典として金 5,000 円を供し葬儀にはPTA代表が参列する。
2. 当該学級代表は受持教師と連絡の上、同級生一家庭につき 100 円の香典を供し
弔意を表する。

第7条 児童死亡の場合
1. 香典金 5,000 円を供し葬儀にあたってはPTA代表者が学級代表と連絡の上参列す
る。
2. 当該学級代表は、受持教師と連絡の上弔問する。
葬儀に際しては、同級生1人につき 100 円の香典を供し児童の代表の参列により
弔意を表する。

静岡市立中田小学校PTA慶弔規程

1 生徒が死亡した時は,保護者代表および生徒全員が葬儀に参列し,香典として 10,000 円と花輪一対をおくる。
3 会員が死亡したときはその旨を会長に連絡し,会長又は副会長が葬儀に参列し,香典とし
て 10,000 円と花輪一対をおくる。
(教師の親が死亡したときは,香典 5,000 円と花輪一対をおくる。)

観音寺市立中部中学校 PTA慶弔規定

上記は、ネット上で公開されているPTAの慶弔規定の一部です。弔慰金の対象となるのは誰なのか、「香典」をいくら包むのか、誰が参列するのか、といったことが明記されています。

PTAは任意加入です。

非加入でも、児童・生徒への対応は変わらないのが基本です。

一方で、児童・生徒の保護者に対しては、「会員」かどうかで対応がわかれることがあります。これは、任意加入なのですから、当然といえば当然です。

弔慰金と香典の違いは?

ここで、弔慰金と香典の違いを簡単にまとめておきます。

弔慰金
弔意(ちょうい):故人を弔い、遺族を慰めること

弔慰金(ちょういきん)とは、故人を弔い、遺族を慰める気持ちを表し、金銭を会社や団体等が支給するもの

香典
葬儀などの参列者が喪主に渡し、霊前や仏前に供える金品

主目的が、遺族を慰めるものか、お供えなのかの違いがあります。

PTAの弔慰金/香典 表書きの書き方と袋の選び方は?

弔慰金袋や香典袋の選び方について

弔慰金(香典)を入れる封筒については、PTAの慶弔規定により異なります。

  • 香典」の場合 〜 不祝儀袋(水引は「結び切り」または「あわじ結び」)
  • 弔慰金」の場合 〜 普通の白封筒や茶封筒

上記のPTA慶弔規定のように、「弔慰金」も「香典」という形で支給するのであれば、香典袋に包みます。

お葬式(お通夜・葬儀・告別式)ではなく、日を改めてお渡しする場合には「弔慰金」として、白封筒などに包むことになるでしょう。

対応に差ができないように、慶弔規定に明記されているものと思われますが、わからない場合には、学校の先生や、他のPTA役員や前任のPTA会長などに確認してみると間違いありません。

表書きについて

表書は、いつ渡す、どのような名目で渡すかによっても異なります。

  • 「香典」の場合「御霊前」「御仏前」「御香典」等
  • 「弔慰金」の場合:「弔慰金」

仏式の場合、香典の表書は通常「御霊前」、浄土真宗等宗派によっては「御仏前」です。

キリスト教であれば「御花料」または「献花料」。神道の場合は「玉串料」など。

相手の宗教や宗派によって異なりますので、確認が必要です。

「御香典」「御香奠」であれば、宗派を問わず使うことができます

氏名と住所について

氏名や住所の書き方は、個人名で出すときと同様です。

  • 名入れ(氏名の箇所):「○○小学校保護者会」「○○中学校PTA」「○○高校 父母と教師の会」等
  • 住所:PTA会則に記載されている住所
    ※ 通常は、学校内に置かれていますので、学校の所在地を記入します。

名入れに関しては、PTAによっては「○○小学校PTA 会長××××」と会長名まで書き入れることあるようです。

PTAの会則に基づき支給するわけで、会長個人のお金を包むわけではないので、会長名は不要との考え方もあります。

これも、PTAの慣習によりますので、前任者やPTA担当の先生に確認するといいでしょう。

個人で香典を包む場合には、「○○小学校PTA役員××××」などとは書かずに、個人名だけで構いません。

「PTA」を縦書きにするには?

「PTA」は本来横書きにすべきアルファベットではありますが、以下のように縦書きします。



学校名も含めて文字数が多い場合は、2行にしても構いません。

PTA代表で葬儀参列時の個人的な香典

PTA役員として葬儀に参列する場合、各学校のPTA慶弔規定に基づいた参列であり、弔慰金や香典を持参します。

それは、PTAの仕事の1つです。仕事なのですから、プライベートのお付き合いとは、分けて考えます。個人名で出すかは故人やご遺族との関係により判断することになります。

故人やご遺族ともお付き合いがあった、自分はともかく子供が親しくしているようであれば、個人名で香典を包めばいいでしょう。

故人やご遺族とも面識がない、子供同士も友達ではないのであれば、個人名での香典は不要とも言えます。一方で、お悔やみの気持ちから、個人名で包むこともあります。

なお、故人やご遺族がPTA役員だったような場合には、別途個人で香典を包んだり、「PTA役員有志」として少額ずつ連名で包むこともあります。これも、故人やご遺族との関係によるものですから、プライベートの領域です。

葬儀の受付での記帳と返礼品(香典返しや改装御礼)の扱い

参列時の受付での記帳

記帳では、PTAからの香典の場合は、香典に書いた名前と住所で記入します。

名前はともかく、学校の住所は覚えていないことが普通ですから、参列前に学校の所在地(住所)をメモしておくと、受付で困るようなことは避けられます。

返礼品(会葬御礼や香典返し)の扱い

返礼品に関しても、PTAの慶弔規定で明記されていることが多いです。

第3条 この慶弔に際しては、その祝意弔意を受けても一切返礼をしない。

静岡市立中田小学校PTA慶弔規程

PTA会員であれば、慶弔規則に則り返礼が不要となりますので、渡す必要はありません。

保護者がPTAの非会員であったり、喪家側から渡されるようなことがあっても、「PTAの慶弔規定により」と辞退するのが一般的です。

参列前に、慶弔規定を読み直して確認することをおすすめします。

ただ、地域慣習や家の考え方もありますし、香典に対して、返礼品をお渡しするのは喪家側です。収まりが悪いような場合には、返礼品を受け取り、学校やPTAの会議等で使用することもあるようです。

返礼品がない場合の経費処理

香典袋や弔慰金の封筒を購入する場合には、領収書がありますが、「弔慰金」や「香典」そのものには領収書がありません。

通常は、会葬礼状などが、参列の証拠となります。それでも、包んだ金額の証明にはなりませんが、社内であれば慶弔規定、取引先等であれば「社会通念上」の金額は経費計上することができます。

PTAの場合は、金額は慶弔規定に準じますが、返礼品を受け取らないため「参列の証拠」を残すことが困難です。さすがに、「PTAの経費処理上、会葬御礼の挨拶状だけ欲しい」などとは言えませんしね…

PTAにもよりますが、学校やPTA会員からの訃報(故人の情報、葬儀の日程・場所等)、PTA内の支出申請書、支払い証明書、学校側の確認印などで経費処理をすることができます。

よかったらシェアしてね!
目次