浴衣に足袋/靴下+下駄の組み合わせ〜正しい着こなし、着付けのポイント、小物の使い方
浴衣の履き物といえば下駄ですが、下駄に足袋の組み合わせはおかしいのか問題をまとめておきます。

私は、浴衣でも足袋or足袋ソックス派です。
浴衣を夏着物のように着るのも1つ理由ですが、足が疲れないし冷え対策・虫対策になります。
浴衣に足袋と下駄の組み合わせはアリなの?
浴衣は、カジュアルファッションです。
きちんとした服装が望ましい席に着ていくのは問題ですが、花火大会や家族や友人との食事など、夏のお出かけ着として着る分には、厳格な着付けのルールはありません。
あなたのファションセンスと責任で自由にコーディネートを楽しんでいいのです。
浴衣の基本は素足に下駄と言われる理由
浴衣には素足に下駄。これが一般的な組み合わせです。
浴衣が庶民にも浸透するのは江戸時代ですが、もともとは湯上り着。その後、室内着(ホームウェア)、寝巻き(パジャマ)としても用いられ、ちょっとした外出着としても着用されるようになりました。
下駄は、江戸時代後期になってやっと、江戸や大阪の庶民に広がり始めます。その頃、庶民は夏に足袋など着用しませんから、下駄と素足の組み合わせは当然の結果なのです。
もともとがそんな感じですから、「浴衣には素足で下駄でなければならない!」というほどのものではありません。逆にそこまで言うなら、バスローブやルームウェアで外出するってどうですか、、、という、意味のない面倒なだけの話になります。



時代や文化と共に、庶民の衣類も履きものの変遷してきました。カジュアルの時には「べき論」はあまり気にしなくても大丈夫です。
浴衣+足袋/靴下+下駄 を合わせても大丈夫
浴衣とは上述の通りなので、浴衣と下駄に足袋や足袋ソックスを合わせてもなんの問題もありません。
他所の家に上がるなど、場合によっては裸足ではない方が望ましいこともあるので、臨機応変に対応可能ですね。
ただ、全体のバランスはあります。どんな足袋や足袋ソックスを選ぶかはファッションセンスの問題です。
浴衣は夏に着ることもあり、下駄用の足袋は「レース足袋」が人気です。透け感の強いものから、あまり透け感のないもの、カラーバリエーションも豊富です。浴衣や下駄に合わせて色を選ぶ楽しみがあります。



私は、年齢的なこともありあまり透け感の強いレース足袋は履きません。
カジュアル感が強い時には足袋ソックス。襦袢と合わせ、夏着物のように着る時には、レースを使った涼しげな足袋や色柄のある足袋を合わせることもあります。
時代や文化と共に、カジュアルファッションは変遷するので、浴衣に足袋や靴下、下駄やサンダル、スニーカーを合わせるのも自由なのです。


浴衣+足袋+草履 なら要検討
草履は、基本的には和装用の履き物です。
サンダルやスニーカーよりも問題なさそうですが、草履によってはチグハグなことになるので、バランスをとる必要があります。
極端な話になりますが、礼装用の金糸や銀糸で織られた草履を浴衣に合わせたらバランスは悪いですよね。タキシードにビーチサンダルを合わせているようなものですから、、
草履といっても、素材や台の高さによってはカジュアル向けのものもあります。カジュアル向けの草履で、浴衣の色柄素材との相性も良ければ草履でも構わないでしょう。



着物でも、紬や小紋の場合、下駄を合わせることもあります。
下駄=浴衣、草履=着物ということではないのです。
浴衣に足袋はおかしいと言われたらどうする?
浴衣はカジュアルファッションで、そもそも厳格なルールもマナーもありません。
ただ、和装に馴染みがない方、和装にこだわりのある方、年配の方などには、浴衣に足袋は受け入れられないかもしれません。
どちらが悪いということではなく、仕方のないことなのです。万人受けするカジュアルファッションなんてありえないのですから。
言われても気にしないに限りますが、気になるようであれば、一般的な着こなしをすればいいだけです。
実際には、ネット上にあるほど、人は他人の服装について本人に直接何かを言うことはありません。極めて”親切”な方や、親・親戚などに言われる程度です。特に反論もせず「そうなんですね〜」くらいで流しておけば済む話です。



私の母親は、洋装和装に限らず、私の着ているものに何か一言、言わずにはいられない人です。面倒なので、言うだけ言わせておき、あまり聞いていません。
ただ、時には「ごもっとも」なこともあるので、言わせておくのも大事だな…など、思っています。
浴衣でも足袋を合わせるほうがいい時はあるのか
浴衣に足袋を合わせるべきTPO(Time/時間、 Place /場所、 Occasion /場面)はあるのか問題も考えてみます。
そもそもで、浴衣はカジュアルファッションですから、改まった場面で着用するものではありませんが、次のような時には足袋を合わせておくと安心です。
- 電車などでの長めの移動があるとき
- 歩く距離があり鼻緒ずれ/靴擦れが心配なとき
- 日焼けや虫刺されが気になるとき
- 他所の家などで履き物を脱いであがるとき
- 会社の業務関連で浴衣を着用するとき
- 茶道や日舞などのお稽古に行くとき
- 神仏の前に出るとき
- 素足に抵抗を感じる年齢になったとき など
社内の夏祭りやビアパーティなどであれば、浴衣・素足・下駄で構いませんが、イベントなどで取引先の対応がある場合には足袋を履いている方がスマートです。冷え対策や足の疲労予防にもなります。
茶道などの習い事においては、足袋を履くのは必須です。素足で行っても構いませんが、その場合には、待合の場所で足袋を履いてから上がります。お茶の席などでは、それぞれのマナーがありますので全く別の話です。



ある程度の年齢になると、素足に下駄に抵抗を感じることもあるかもしれません。その場合には、足袋の着用はオススメですよ。
浴衣にあう足袋
浴衣はカジュアルファッションですから、合わせる足袋にも、色や柄のルールは特にありません。
今は足袋といっても麻やレース等の足袋や、半足袋、足袋ソックスなど形も生地も様々です。夏の浴衣に合わせるのであれば、麻足袋やレース足袋がおすすめです。
レース足袋や足袋ソックスには、足底に滑り止めがある商品と無い商品があります。
滑り止めがないと、歩く時に足に負担がかかり、ものすごく疲れます。滑り止めのない足袋や足袋ソックスの場合には、ジェルクッションなどで対策をする必要があります。


浴衣に足袋の正しい着こなしのポイント
浴衣、足袋、下駄、草履には、上述の通り3パターンあります。それぞれで、着付けも変わってきます。
【浴衣と履き物の組合せパターン】
- 浴衣+素足+下駄
- 浴衣+足袋/靴下+下駄
- 浴衣+足袋+草履
履き物に合わせた着物/浴衣の裾の位置
それぞれを美しくスマートに着こなすための最重要ポイントは裾の位置です。
- 素足+下駄:裾をくるぶしに
- 足袋+下駄/草履:くるぶしを隠し足袋と浴衣の間の肌が見えないようにする
浴衣+足袋+草履での 襦袢や半衿
浴衣に足袋+草履を合わせると、カジュアルといえども少し改まった感じがあります。
下駄ではなく、草履を合わせる場合には、襦袢や半衿は必須とのご意見もありますが、それにも根拠はありません。
結局、浴衣の色柄素材や、コーディネート次第、ファッションセンス次第です。
半衿をつけるとオシャレ感はかなりアップしますが、浴衣の色や柄にもよります。襦袢を合わせると、浴衣特有の涼しげな印象が変わるかもしれませんが、単衣(ひとえ)の着物のようになり、上品な装いになります。



私は、浴衣に草履を合わせることはしませんが、浴衣の色柄によっては問題ないと思っています。襦袢を着るか、美容襟などを利用する方がバランスがいいですね。
襦袢を着なくても、襦袢風になる肌着もあります。袖がついているので汗対策にも便利です。


浴衣+足袋+草履での 帯
浴衣に足袋+草履を合わせる場合、帯の選び方や結び方、小物の使い方は、着物感覚です。
さすがに袋帯を合わせるのは厳しいですが、半幅帯、名古屋帯であれば大丈夫。半幅帯でも、アクセサリー感覚で帯締めを使うと、イメージが変わります。
お太鼓結びにすると暑苦しいとのご意見もあるようですが、これは着方や小物の合わせ方次第かと思います。



大人でも兵児帯を合わせられます。コーディネートは楽しくなる一方ですね。
私は、浴衣や単衣の着物では、半幅帯+帯締め派。結び方によって、帯揚げも使います。
浴衣の履き物は素足に下駄が一般的ですが、足袋に下駄、足袋に草履という組み合わせも問題ありません。
カジュアルファッションとして、気楽に楽しみたいものですね。



