入院見舞いの上手な断り方〜上司・友人・親戚へのお断り例文、対策、面会拒否
入院すると「見舞いに行きたい」と上司・友人・親戚などから言われることは、よくある話です。
でも、パジャマ・すっぴん・髪ボサボサ・弱っているところを見られたくない、、などの理由で、お見舞いをお断りしたいことも、よくある話です。
理由はともかく、今後の関係に影響が出ない上手な断り方を、考えてみます。
職場の上司や同僚からの入院見舞いの上手な断り方
一番断りたいけれども、断りにくいのは職場の上司や同僚です。数日の入院であればともかく、1週間以上の入院となれば、1〜2回のお見舞いは避けられないと思った方が良さそうです。
職場関係者のお見舞いには正当な理由もある
もちろん、体調を心配したり、業務関係の確認などもありますが、相手にも正当な理由があります。
- 会社からの入院見舞金を渡すため
- 会社の書類や手続き上
- 本当に入院しているかの確認
急な入院か、ある程度準備期間があっての入院か、短期か中長期かによっても異なりますが、入院すると会社に提出する書類や、必要な事務手続きもあります。
例えば、数日の短期入院であれば有給休暇でいいでしょうが、それ以上になると健康保険傷病手当金の申請をします。手続きには、病院の診断書や所定の申請書の提出があり、会社とのやりとりが必要です。
会社からの入院見舞金等の給付や、体調の確認、場合によっては本当に入院しているかの確認、急な入院であれば業務の引継ぎ、退院や復帰の見通しの確認、、、上司(同僚)には上司(同僚)なりの理由があって、お見舞いに来るのです。
入院中にまで会いたくないと思うかもしれませんが、社会人として会社に属している限りは「来てほしくない」という個人的感情だけでは断ることは難しいと考えた方がいいでしょう。
上司/同僚/職場関係者からの入院見舞いの上手な断り方
どうしても、直接会うことを避けたい場合には、電話やメールで丁寧かつ明瞭にお断りしましょう。その場合には、次のポイントを押さておくといいでしょう。
- 業務を休んで迷惑をかけていることを詫びる
- お見舞いにくるという申し出への、感謝の気持ちを伝える
- 急ぎの要件があるか確認する
- 面会は辞退する明確な理由を伝える
事務手続き上、急ぎ対応する要件があるならば、書類であれば病室宛に郵便で書類を送付してもらうことも可能ですし、家族に受け取ってもらうことも可能です。必ずしも面会が必要なわけではありません。
お見舞いを辞退する明確な理由には、次のようなものがあります。
- すぐに退院するため、ご多忙の折お越しいただくほどでもございません。
- 事務手続きなど必要なことは、退院後すぐに対応いたしますので、面会はお断りしたく思います。
- ご多忙のおり、○○さんに来ていただくのは申し訳なく、今回はお心遣いだけいただき、面会はお断りさせていただきたく存じます。
- 入院中は安静にするよう医師から指示されており、家族以外の面会をお断りさせていただきたく存じます。
- 感染症予防のため医師/看護師から家族以外は面会禁止と言われております。
- 感染症予防のため、医師/看護師からも面会を控えるよう言われております。急ぎ対応する件がございましたら、お手数おかけいたしますが、メールか郵送にてご連絡いただけますようお願い申し上げます。
- まだ体調が芳しくないため、お越しいただいても失礼にあたります。せっかくではございますが、面会はお断りさせていただきたく存じます。
面会は、「したくない」ではなく、「できない」から「来ないでほしい」ということを、明瞭に伝えましょう。
丁重な表現のつもりで、曖昧な断り方をすると、伝わらない、ただの遠慮と誤解されるかもしれません。断るのであれば、相手に間違いなく伝わる言い方が必要です。
ただし、「お見舞いを辞退」とすると、会社からの見舞金なども含めて辞退と取られかねません。一切を辞退するのであれば構いませんが、面会を拒否したいだけれあれば「面会を断る」「面会できない」旨を明確に伝える方がよさそうです。
夫が、ちょっとしたことで1日だけ入院したことがありました。
1日なのでお見舞いも想定せず、親しくしていた上司には「◯◯で1日入院」と、話のついでに軽く伝えたそうです。退院日(入院の翌日)の朝、私が迎えにいったら、上司が出社前にお見舞金を持って立ち寄ってくださいました。
なにも知らず、すっぴんぼんやり顔で迎えに行った私はひっくり返りそうになったものです。しかも、朝イチ退院手続きだったので、お会いしたのは会計ロビー。油断なりません。
友人からの入院見舞いの上手な断り方
友人からの入院見舞いを断りたい場合には、例外なく全てお断りするのが無難です。
そのためには、基本的には入院すること自体伝えない。どうしても伝える必要があれば、「他の人には言わないでほしい」ことなどを、事前にきちんと説明するといいでしょう。
どこからか聞いて「お見舞いに行きたい」と連絡がきた場合には、丁寧にお断りすれば問題ないでしょう。
- 感染症予防のため医師から家族以外は面会禁止(面会は控えてほしい)と言われているので、お気持ちだけいただきます。
- 検査とかで忙しい/すぐに退院する/同室の人の体調が悪い/ から、面会は遠慮します。お気遣いありがとう。
Aさんのお見舞いは受けたのに、Bさんは断ったとなると、相手が知ればいい気分ではありませんし、後々面倒にもなりかねません。
断るなら例外なく、明確に断ることをオススメします。
親戚からの入院見舞いの上手な断り方
親戚からの入院見舞いは、断りにくい可能性があります。断りにくいものは、断る環境を作らないよう自己防衛するに限ります。
配偶者、パートナー、自分の親兄弟姉妹にも、「◯◯以外は面会を断りたい」ことを伝え、理解してもらい、協力してもらうしかありません。「入院することを言わないでほしい」など、入院が決まった時点で伝える必要があります。しつこいくらい、何回も。
理由は、正直に伝えなくてもいいのです。
・治療に専念したい
・検査など忙しいから、空いている時間は静かに過ごしたい
・体が辛い
すっぴん、髪ボサボサ、疲れた顔をしている、寝ているところを見られたくない、、など、極めてもっともな理由でも、伝わらない人には伝わりません。「治すために治療に専念」系がオススメです。
世代差や個人差はありますが、「入院」と聞きつけると恐ろしい速さでお見舞いに駆けつけてくださる人もいます。知った人を止めること、情報が広まるのを止めることは結構大変(ほぼ無理)ですので、そもそも拡散しないよう自己防衛+病院側に面会拒否を伝え協力してもらうしかありません。
急な入院の可能性もあるので、私は夫に「夫と実母と妹以外の面会拒否」は、明確に伝えてあります。
お見舞いの「面会拒否」を病院にお願いできるものなのか
面会を断っても病院に来る方もいるでしょうし、事前連絡なしで来る方もいるでしょう。この場合には、病院に面会拒否を伝えておくと、強行突破される可能性がかなり低下します。
幸か不幸か、コロナ禍以降は、面会の制限が増えています。一時期よりはかなり緩和されていますが、過去程自由ではありません。
病院によって面会ルールは異なりますが、基本的に受付やナースステーションで氏名記帳してから病室に行く、もしくは面会スペースで会うようになります。面会拒否を伝えておけば、受付で面会できない旨相手方に伝えてもらい、見舞い品などがあれば預かってもらうことができます。
病院によっては面会受付が形式だけのものであったり、受付せず面会に来る強者もいますので、考えるとキリがありません。個室であれば「面会謝絶」などの札も出してもらえるかもしれませんが、相部屋だとそれば難しいです。
自己防衛として、そもそも入院を伝えない、病室を教えない、家族にも他の人に入院や病室を伝えないようにしてもらうことが大切です。
*****
入院中のお見舞いは、相手を心配したり、元気づけようと思ったり、話を聞いてあげようと思ったりという、厚意です。もちろん中には、噂好き、興味本位だけの人もいるでしょうが、、
お見舞いを断るということは、相手の厚意を無碍(むげ)に扱うようで心苦しさを感じることもあるでしょうが、入院や療養中の場合は、自分が苦しくない方を選ぶに限ります。
そして、自分を苦しませることのないように、情報の自己防衛がなによりも大切になります。