多くの人が勘違いしている!? 酸素系漂白剤・重曹の効果的な使い方、やるだけ無駄な使い方

できるだけ労力も費用もかけずに済ませたい日々の洗濯や掃除。消臭や漂白に便利な酸素系漂白剤、エコ系で人気の重曹の効果的な使い方と、やるだけ無駄な使い方をまとめておきます。

目次

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)と洗濯洗剤の相性はイマイチ!?

なんとなく黄ばみが気になったり、ニオイは気になると、通常の洗濯洗剤に酸素系漂白剤を加えて洗濯してしまうことがありますが、若干効果弱めです。

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)に界面活性剤を混ぜると、過炭酸ナトリウムが界面活性剤に反応して酸素が上手く発生しないため、洗浄力が落ちてしまうのです。

もちろん、黄ばみ予防程度の効果はありますが、洗濯洗剤+酸素系漂白剤で日常的な漂白や除菌などの効果は、過剰に期待しない方が無難です。

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)と相性がいいのが洗濯用石けん

洗濯用石けんに酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を加えると、洗浄力は高まります。

使いやすく安価なため「洗剤」の方が一般的ですが、洗濯用でも「洗剤」と「石けん」は別物です。

スクロールできます
品名主成分
洗濯洗剤洗濯用洗剤界面活性剤
洗濯石けん洗濯用石けん純石けん分
・脂肪酸カリウム
・脂肪酸ナトリウム

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)のパッケージ裏面などの使い方等をよく見ると「洗濯用石けんと一緒に」など表記してあります。

洗濯用洗剤(合成洗剤)と使うのがダメなわけではありませんが、オススメは「洗濯用石けん」なのです。

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は冷たい水が苦手!?

酸素系漂白剤で洗濯する時のベストな水温

市販されている酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)が効果を発する最適な水温は40〜50度

それより低い水温、ましては水道水での洗濯時に、酸素系漂白剤を加えても、効果は弱めです。

入れないよりは多少はいいのでしょうが、費用の無駄遣いになりますので、せめて水温は35度くらいには上げておきたいものです。

水道水の場合はそこまで水温を上げるには、結構な量のお湯を足す必要がありますが、残り湯であれば、電気ポットややかん等で沸かした熱湯を加えれば、簡単に温度調整可能です。

熱めのお風呂でも、42〜43度程度です。50度だと、10秒くらいなら手を入れてられる温度とも言われていますが、個人差もあります。

普段のお風呂よりちょっと熱いよね、、くらいでいいかと思います。

熱くて手を入れていられない水温だと熱すぎ。水温は高すぎても、効果が落ちます。

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) だけで洗濯すれば簡単解決

日常的な洗濯を、洗剤を使わずに過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)だけですることもできます。

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)ですから、除菌、漂白効果もあり、洗濯物も、洗濯槽も、排水溝もみんなキレイになるので、こんな簡単便利な解決法はありません。

過炭酸ナトリウム洗濯を初めて行う前には、一度洗濯槽の掃除をしておきましょう

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) だけで洗濯する方法
※泥汚れや、ひどい油汚れなどは固形石鹸等洗い、軽くすすいでおきます。

1. 洗濯機に40~50度のお湯にを入れ、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) を溶かす
 10Lあたり10gが目安.
..洗濯石鹸や洗剤を使わないので多め
2. 洗濯物を入れ、2〜3分攪拌
3. 20分程度つけ置き
4. 2〜3分攪拌
5. 脱水
6. 通常のすすぎ1回
7. 脱水

20分程度の漬け置きは面倒と言えば面倒ですが、タイマーを設定しておけば忘れません。慣れれば気にならなくなります。

【不向きな素材】
・草木染めの布製品
・金属の付属品がある衣類等
・ウールやシルクなどのデリケートな素材
・木製の飾りやボタンが付いている衣類 等

毎日この方法で洗濯してもいいのですが、週1回程度過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) だけで洗濯すると、洗濯槽がキレイな状態で保てるので、洗濯槽の掃除自体が不要になります。

その際には、洗濯物の量に関わらず高水位で洗濯するのがオススメです。洗濯しながら、洗濯槽の掃除もしている感じです。

週1回程度、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) だけで洗濯していると、洗濯槽も汚れません。高水位で洗濯しても、洗濯物は汚れませんので大丈夫です。

【注】その前に、、洗濯機も大掃除

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤) だけで選択するなら、その前に洗濯機の大掃除も必要です。

でないと、洗濯機の大掃除をしながらの洗濯という、惨事が起こりかねません。

画像引用:Amazon

メーカーによって異なりますが、酸素系漂白剤の使用量目安は↓

お湯 50度 10L あたり 酸素系漂白剤 100g

酸素系漂白剤の量や水温50度程度を守れば、もっと短時間でも可能です。↓

1. 洗濯槽に焼く50度のお湯を高水位までいれる
 ※ 湯温が洗濯機の耐熱温度を超えないよう、耐熱温度は洗濯機の取扱説明書で確認します
2. 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を入れる 
3. 標準コースで、2〜3分攪拌
 ※ 過剰に泡だったら、洗面器などで泡をすくい取って捨てます
 ※ 洗濯槽の汚れが多いと泡立ちが多くなります
4. 1〜2時間放置
 洗面器や風呂椅子等を一緒につけ込むと、湯垢が落ちやすくなります
5. 標準コースで、2〜3分攪拌
6. 汚れを掬い取る
 ※ 目の細かい網などですくい取っておくと、後のすすぎが楽になります
7. 排水
8. 高水位ですすぎ1回 +脱水


水の汚れや黒カビ等が気になる場合には、すすぎと脱水を繰り返します

容量50〜60Lの場合、一度に使う酸素系漂白剤は500g程度。結構使いますので、3kg入りなどの大容量が便利です。

こっそり伝えます ナチュラルクリーニングの勘違い

重曹やクエン酸を使ったナチュラルクリーニング、シンプルクリーニングは、環境にもお財布にも優しいと大人気です。

私自身も重曹は消臭に使用し、その後キッチンの掃除などに使用しているので、それらを使うこと自体は批判も否定もしませんが、あまりにも勘違いな使い方が表に出過ぎています。

それ、資源と労力と費用の無駄です。

と言いたいところですが、大きな声でいうと激しい攻撃を受けそうなので、こっそり記しておきます。興味のない方は、この先は読まなくて構いませんし、読んだら忘れてください。

アルカリ系ナチュラルクリーニングの基礎知識

同じアルカリ系でも、アルカリ度数が異なるので、洗浄力や除菌・殺菌力に差があります。

過炭酸ナトリウム、酸素系漂白剤、セスキ炭酸ソーダ、重曹のアルカリ度数
スクロールできます
過炭酸
ナトリウム
セスキ
炭酸ソーダ
重曹クエン酸
pH値の度合い10.59.88.42.3
酸性・アルカリ性弱アルカリ性弱アルカリ性弱アルカリ性酸性
衣類の漂白
黄ばみ落とし
油汚れ
タンパク質汚れ
洗濯槽の除菌・消臭
カビ・雑菌
水への溶けやすさ
研磨力
消臭効果汗・体臭
靴など
汗・体臭
靴など
汗・体臭
靴など
アンモニア臭
生臭いニオイ
水アカ
石けんカス
参考:ナチュラルクリーニング

アルカリ洗剤使い分け

アルカリ洗剤の使い分けの基本はコレ↓

除菌・殺菌・漂白・汚れ落とし・研磨・消臭 目的別アルカリ洗剤の使い分け

やるだけ無駄 重曹+過炭酸ナトリウムのペースト

重曹と過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)にお湯を混ぜて、ペースト状にし、お風呂などのカビ取りに使用する方法も紹介されているようですが、資源と労力と費用の無駄遣いです。

重曹1択よりもアルカリ度数は上がりますが、過炭酸ナトリウム1択よりもアルカリ度数が落ち、結果、過炭酸ナトリウムのカビを分解する力は弱まります

しかも、過炭酸ナトリウムに水分を加えペースト状にして放置することで、酸化力のある過酸化水素が水と酸素に分解され、カビを分解する力は弱まります

汚れ落とし用の研磨剤として使うのであれば重曹単体カビや雑菌対策なら過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)単体と分けて使うに限ります。

過炭酸ナトリウムは、水に溶かすと炭酸ナトリウムと過酸化水素になります。
Na2CO4 + H2O → Na2CO3 + H2O2

・過酸化水素(H2O2 ):酸化力があるので漂白剤、除菌剤、消臭剤として働きます
・炭酸ナトリウム(Na2CO3):アルカリ性で過酸化水素の分解の速度を速くする働きがあります

ただし、過酸化水素(H2O2)は使用後には、H2O(水)とO(酸素)に分解されます。

最終的に、Na2CO3(炭酸ナトリウム)とH2O(水)とO(酸素) に分解されるため、生分解の必要がなく環境に優しいと言われているのです。

過酸化水素(H2O2)が発生している時には、その酸化力でカビを分解することもできますが、H2O(水)とO(酸素)に分解されてしまったら、、、これ以上は言いません。

やるだけ無駄 重曹での洗濯槽の掃除

重曹には消臭効果はありますが、カビを分解して除去する効果はありません。

言い換えれば、重曹で洗濯槽の掃除をしたところで、一時的な消臭効果しかなく、カビは残ります

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)であれば、消臭・除菌・漂白・ヌメリの除去などができます。

効果が中途半端な重曹での洗濯槽の掃除は、時間と労力、重曹、水、電気すべての無駄遣いです。

セスキ炭酸ソーダでの、洗濯槽の掃除もイマイチです。重曹よりはマシですが、除菌・殺菌効果はないので、メリット少なめ。

やるだけ無駄 重曹スプレー

重曹は水に溶けにくいので、スプレーにすると目詰まりしやすくなります。

弱アルカリのスプレーを使うなら、セスキ炭酸ソーダ(pH9.8)。
水に溶けやすく、重曹よりもアルカリ度数が高いので、油やタンパク質の汚れの洗浄力が高まります

ただし、研磨剤として使うのであれば、重曹。セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいため、研磨剤として不向きです。

スプレーにするなら、セスキ炭酸ソーダの方が、ずっと便利で効率的です。

セスキ炭酸ソーダ

  • アルカリパワーは重曹の約10倍
  • 極めて水に溶けやすく、スプレーにしても目詰まりしにくい
  • 重曹よりも油汚れ、血液汚れ、汗や靴下のニオイ取りに効果的
  • 過炭酸ナトリウムほど強くないので、シルクやウールの洗濯にも使える

過炭酸ナトリウムでスプレーすればより効果的な気もしますが、こちらはスプレーとしての使用はNG。水と反応して、ガスが発生するのでスプレー容器の破裂や変形の可能性があり、危険です。

やるだけ無駄 重曹+クエン酸/酢

排水溝の掃除などで人気のある重曹+クエン酸/酢。

アルカリ性の重曹に賛成のクエン酸や酢を加え、ぬるま湯をかけるとシュワシュワと泡立ち、掃除がしやすくなります。

でもコレ、汚れが浮いて落ちやすくなるだけで、こびりついた汚れをはぎ取ってくれるわけではありません。

そのため、シュワシュワ泡立ちのあと、こすり洗いが必要になります。しかも、アルカリ性+酸性の中和反応でシュワシュワしているわけですから、アルカリ性ならではの効果も、酸性ならではの効果も薄まっています。

それではあれば、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)だけを使用して排水溝の掃除をする方が、無駄なくキレイになります。

汚れの度合いによりますが、大さじ2杯〜計量カップ1/2程度を排水溝にふりかけます。50度程度のお湯をコップ杯程度ゆっくり流しかけ、1時間程度放置。その後お湯で洗い流すだけで、キレイになります。

なお、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)は熱湯だと効果が落ちます。40〜50度くらいが一番効果的な温度とされていますので、くれぐれも熱湯はかけないようしましょう。

万能の神扱いの重曹ですが、消臭用に使い、その後はシンクなどの研磨剤として使うと、いろんな意味で無駄がありません。なにごとにおいても、過信は禁物です。

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