飛行機内へのアルコール・お酒の持ち込み、飲酒、持ち込める量や種類の制限、注意点のまとめ
飛行機内へのアルコール(お酒や手指消毒用アルコールなど)の持ち込み、持ち込みアルコール飲料の機内での飲酒、持ち込みの種類や制限、注意点などをまとめておきます。(2024年8月現在)
消毒用アルコールの機内持ち込みは?
消毒用アルコールは、基本的に持ち込み可能です。
お酒などの「液体」とは別カウントです。ただし、詰め替えはせず、購入時のまま製品として持ち込むのが無難です。中身の確認ができないと、成分分析機にかけられる可能性もあり面倒です。
化粧品・医薬品類(医薬部外品)に分類される殺菌・消毒剤や除菌剤(液体・スプレー・ジェルタイプなど、アルコール製除菌製品を含む)は、以下の条件を満たす場合、機内への持ち込みまたは預けて荷物としての持ち込みが可能です。
・一容器あたり:0.5ℓ又は0.5㎏以下
・一人あたり:2ℓ又は2㎏以下
※ その他の「化粧品類」、「医薬品・医薬部外品」および「スプレー缶」の合計数量
機内ではアルコール飲料も無料で飲める?
国内線、国際線問わず、基本的に機内でのアルコール飲料を飲むこと自体に規制はありません。
長距離路線では、航空会会社や座席のクラスによって、アルコール飲料は有料・無料と分かれることがあります。
国内線ではお茶やコーヒーなどのソフトドリンクや水などは無料で提供されますが、アルコール飲料は有料の場合が多いです。LCCになると、ミネラルウォーターやソフトドリンクも有料の場合もあります。
いずれにしても、航空会社や座席クラス、路線等によって、提供されるドリンクは異なります。
CAにお願いするときの注意点は?
食事やドリンクサービス時以外で、ドリンクをお願いしたい場合には、「コールボタン」で呼び出すか、見回りなどで通路にいるCA(客室乗務員)にお願いします。
なんらかのサービス提供時や、離発着前後、乱気流などのシートベルトサインがでているような時でなければ、持ってきてもらえます。
【国内線】機内にアルコール飲料は持ち込める?
国内線では、アルコール度数などによって規制はありますが、アルコール飲料の機内持ち込みは可能です。もちろん、キャリーケースなどに入れて預けて荷物として運ぶことも可能です。
アルコール度数 | 機内持ち込み | 預け手荷物 |
24%以下 | ⭕️ | ⭕️ |
24%〜70%以下 | ⭕️ ※ 預け荷物とあわせて5ℓまで | ⭕️ ※ 預け荷物とあわせて5ℓまで |
70%を超えるもの | ❌ | ❌ |
アルコール度数24%以下
アルコール度数24%以下なら、量の制限もありません。一般的なビール、酎ハイ、日本酒、ワインなどは基本的にアルコール度数が24%以下ですから問題ありません。
アルコール度数24%~70%以下
アルコール度数24%~70%以下の場合、機内持ち込みと預けて荷物で合計5ℓまで持ち込むことが可能です。
アルコール度数70%以上
アルコール度数70%以上の場合、量に関係なく、機内持ち込みも預けて荷物いずれも禁止です。
【国際線】機内にアルコール飲料は持ち込める?
国際線では、テロ対策のために、100ml(100g)以上の容器に入ったあらゆる液体の持ち込みを禁止されています。アルコール飲料も例外ではなく、容器や形状に関わらず、「液体」に該当します。
アルコール度数 | 機内持ち込み ※ 保安検査前 | 機内持ち込み ※ 保安検査後 | 預け手荷物 |
24%以下 | 100mlまで | ⭕️ | ⭕️ |
24%〜70%以下 | 100mlまで | ⭕️ ※ 預け荷物とあわせて5ℓまで | ⭕️ ※ 預け荷物とあわせて5ℓまで |
70%を超えるもの | ❌ | ❌ | ❌ |
2024年9月からEUでは航空機内への液体の持ち込み検査が、再び強化されることになりました。
手荷物検査では、手荷物から取り出し、個別検査を受ける必要があります。保安検査も厳しくなりますので、搭乗前に各航空会社の持ち込み規定を確認されることをオススメします。
保安検査前
国際線では、保安検査の前に持っているお酒やアルコール類は、「容量が100ml(100g)以下の未開封のもの」ならば持ち込むことができます。
ただ、容量が100ml(100g)以下のアルコール飲料自体が少ないので、持ち込める製品自体が限定されています。また、「未開封」ですから、詰め替えしてもダメです。
保安検査後
国際線の場合、保安検査の後に購入したものであれば、機内に持ち込むことができます。
持ち込みルールは国内線と同じです。
アルコール飲料の機内持ち込み時の注意点
上述のように、アルコール度数が規制内であれば、機内持ち込みも可能ですが、いくつか注意点もあります。
未開封品〜容器の詰め替えは不可
アルコール飲料は、購入時の未開封パッケージで、かつそれらを1L以下のジッパー付きの透明プラスチック製袋でパッケージする必要があります。しかも、透明プラスチック製袋の持ち込みは1人につき1つまで。
商品の記載事項が明確に確認でき、未開封であることが条件ですから、タウンブラー等に移し替えたものや、自家製アルコール飲料などは持ち込みできません。
機内持ち込みはできても、持ち込んだアルコール飲料を機内で飲酒することはできません。ただの、荷物としての持ち込みになります。
トランジットでは没収
国際線の場合、保安検査場を通過した後に購入したアルコール飲料は機内持ち込みできますが、トランジットがある場合はトランジット先の保安検査場にて没収されることもあります。
トランジット先の保安検査場で購入したアルコール飲料は、また同様の条件で持ち込むことができます。
持ち出しできるアルコール飲料の量は、国によって規制が異なります。
機内に持ち込んだお酒は飲んでもいいの?
さて、いくつかの規制を乗り越え機内持ち込みしたアルコール飲料ですが、実際に機内で飲酒できるかは路線や航空会社によって異なります。
国内線の場合
国内線の場合、持ち込みしたアルコール飲料は機内で飲酒することができます。ただし、ジェットスター航空はNG。
国際線の場合
ほとんどの航空会社で、持ち込んだアルコール飲料を飲酒することができません。
テロ対策もあり、機内での「液体」や「化粧品類」「医薬品・医薬部外品」および「スプレー缶」などの持ち込める量も厳しく規制されています。
加えて、様々なバックグラウンドを持つ乗客が大量に乗り合わせる国際線では、機内の飲酒によるトラブルも多発していたことや、社会情勢の変化もあり機内飲酒のハードルが上がっています。持ち込んだアルコール飲料の飲酒の規制、機内え提供するアルコールの有料化などもそのためです。
飛行機内では酔いやすいってホント?
機内は乾燥しやすく、長時間席に座っていなければならないため、お酒を飲み過ぎやすくなります。ただ、機内での飲酒は、地上での飲酒よりも体に負担がかかり、酔いやすくなるので、注意が必要です。
アルコールの分解が進みにくく酔いやすい
機内の気圧は地上より低いです。地上と同じように呼吸をしていても、赤血球に取り込まれる酸素の量が減少します。摂取したアルコールは肝臓で分解される際に多くの酸素を必要としますが、酸素が少ないとアルコールの分解速度が落ち、結果酔いやすくなります。
脱水症状になりやすい
アルコール飲料には利尿作用があります。そうでなくても、機内は乾燥しているので、脱水症状を起こす危険性があります。脱水症状はエコノミー症候群を引き起こす原因とも言われるので、より注意が必要です。
脳貧血の可能性
機内では長時間同じ姿勢で座っているため、血液が体の下に溜まりやすくなります。飲酒により血管が広がると血圧が低下します。血圧が低下すると脳まで血液が回りにくくなり、脳貧血を起こす可能性があります。
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持込の規制は厳しくなりつつありますので、あまり欲張らないのが一番ですね。機内での飲酒も、10年20年前とはだいぶ変わりました。楽しみが減ったような気もしますが、健康面でのリスクも指摘されています。いずれもほどほどに。