故人宛年賀状への返信、喪中時の寒中見舞いの書き方〜故人の名前、続柄、切手、ハガキ、文例や注意点

身内が他界した場合には、故人の交友関係にも喪中はがきなどでお知らせしますが、喪中はがきが間に合わない、故人との交友を知らず喪中はがきを送っていないなどの理由で、自分宛や故人宛に年賀状が届くこともあります。

この場合、年賀状のお礼や、故人が他界したことの報告は、遺族が寒中見舞いハガキなどで行います。故人宛、自分宛、それぞれの場合の、書き方や文例をまとめておきます。

目次

【故人宛】年賀状が届いた場合の返事は寒中見舞い?

故人宛に年賀状が届いた場合は、寒中見舞いハガキで返信をして構いません。

寒中見舞いの書き方

故人宛に届いた年賀状の返信は、寒中見舞いハガキで構いませんが、服喪中の自分宛に届いた年賀状へのお礼とは、書き方が異なります。

故人宛に年賀状が届いた時の寒中見舞いの書き方は?

  • 定型挨拶文「寒中見舞い申し上げます」
  • 年賀状のお礼
  • 故人に関する報告・連絡不達のお詫び・お付き合いのお礼 などなど
  • 相手への気遣い
  • 日付「令和○年1月」

故人宛に届いた年賀状の返信を、遺族が出すことに疑問や躊躇がある方もいらっしゃるようですが、本人が他界し返信できないのですから、遺族が代わりに寒中見舞いを出すのは、相手に対する礼儀です。

自分の知らない相手に寒中見舞いを送っていいのか、、といった不安も無用です。本人はもう出せないのですから、誰かがお知らせするしかないのです。

遺族の役割
寒中見舞いハガキにて、故人の死を報告し、遺族として生前のお付き合いのお礼や、連絡が遅くなったことへのお詫びをし、相手と故人のお付き合いを終了させることも、遺族の役割なのです。

文例

寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年頭のご挨拶をいただきありがとうございました
父 〇〇は昨年○月○歳にて永眠いたしました
本来ならば旧年中にお知らせ申し上げるべきところ
年を越してしまいましたご無礼の段 どうぞお赦しください
故人が生前賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

文例

寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年始状をお送りいただきありがとうございました
昨年○月に 父○○は他界いたしました
本来であればこちらからご連絡差し上げるべきところ
行き届かずに大変失礼いたしました
生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに
皆様がご健勝でありますよう心よりお祈り申し上げます
寒さ厳しき折柄、ご自愛下さい

故人の情報〜名前、続柄、年齢

故人宛にいただいた年賀状への返信として送る寒中見舞いハガキでは、大切なことが2つあります。

  • 故人が他界したことがはっきりわかる書き方
  • 差出人と故人との関係がわかる

ですから、故人の名前と差出人との続柄を記載する必要があります。

年齢に関しては、相手も故人を知っているわけですから、記入してもしなくてもどちらでも構わないでしょう。

死因は必要?

喪中はがきの場合、天寿を全う(老衰)、病気療養、急逝など、死因に触れることもあります。もちろん、触れなくても構いません。

寒中見舞いハガキは、故人宛の年賀状への返信とはいえ、あくまで挨拶状です。ですから、死因までは書かないことが多いです。

相手が、故人と親しくしていた場合には、寒中見舞いハガキをみて連絡をくださることもあるでしょうから、その際に聞かれたらお答えすればいいでしょう。

【自分用】寒中見舞いに故人の名前や続柄、没年齢などの情報は必要?

結論になりますが、自分宛の年賀状へのお礼や、年賀状代わりの年始の挨拶としての寒中見舞いであれば、喪中はがき同様、寒中見舞いでも故人の名前、続柄、没年齢などの情報は、記入しても記入しなくても構いません

故人の情報は必要?

本来、寒中見舞いとは、1年で最も寒い時期に相手の健康を気遣う季節の挨拶状です。喪中であることや、身内に不幸があったことを知らせる「喪中はがき」と同じものではないのです。

ただ、年賀状などによる年始の挨拶を欠礼した理由として、服喪中であることに触れるだけのです。

実際、市販されている喪中用の寒中見舞いハガキには、故人の情報を入れるものと、入れないものとがあります。

寒中見舞いに故人の名前等を入れるか迷ったら?

上述の通り、故人の情報を記入するかどうかは、ご自身の判断です。自分と故人との関係性、送る相手と故人との関係性にもよるでしょう。

故人の情報を入れる方がいい場合

  • 亡くなったのが年末で、喪中欠礼(喪中はがき)が間に合わなかった場合
  • 喪中ハガキを出していない相手への寒中見舞い など

故人の情報を入れなくてもいい場合とは?

  • 没後、日にちが経っている場合(他界されたのが春や夏などの場合)
  • 故人が、別居している祖父母(2親等)などの場合
  • ハガキを送る相手が故人とは面識がない場合 など

故人と自分の関係性が近い(親や配偶者、子)場合には記入するとの考え方もあるようですが、逆にハガキを受け取った相手が気を遣うかもしれないから書かないとの考え方もあります。

明確な判断基準がないので悩ましいところですが、ご自身やご家族で判断されるしかありません。

喪中時の寒中見舞いハガキの種類や切手は?

喪中時の寒中見舞いのハガキは?

喪中用の寒中見舞いハガキには、年賀ハガキのような専用のものはありません。通常ハガキを使用します。
2024年の郵便料金改定に伴い、ハガキの切手部分の絵柄が変わりました。通常ハガキが「鳩」(画像左)、インクジェット用には「小鳥」(画像右)が印刷されています。

出典:日本郵便

郵便番号欄は赤でもいい?
喪中ハガキの場合、郵便番号欄が赤であることに違和感を覚える方もいらっしゃるようで、あえて「私製はがき」に弔事用切手を貼ることもあります。

寒中見舞いは、季節の挨拶ですから、喪中時であっても郵便番号欄が赤いことに問題はありません

喪中時の寒中見舞いの切手は?

官製ハガキであれば切手を貼る必要がないのですが、寒中見舞い「私製はがき」の場合には普通切手を使います。

寒中見舞いハガキはそもそも季節の挨拶状であり、弔事ではありません。おめでたい柄は避けるほうがいいでしょうが、弔事用切手は避けるのが無難です。

喪中はがきでは、弔事用の切手を使うこともあります。

出典:日本郵便

喪中用 寒中見舞いハガキ 文例

喪中時に寒中見舞いを出す場合の、主な構成内容は次のようなものです。

【喪中時の寒中見舞いハガキの書き方は?】

  • 定型挨拶文「寒中見舞い申し上げます」
  • 年賀状のお礼
  • 喪中で年賀状を出せなかったお詫び
  • 相手への気遣い
  • 日付「令和○年1月」

◉ 故人の情報を入れる場合

文例

寒中見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただきありがとうございました
昨年○月に父○○が○歳にて永眠いたしましたので
年頭のご挨拶を控えさせていただきました
旧年中にお知らせ申し上げるべきところ
年を越してしまいましたこと、深くお詫び申し上げます
寒さ厳しき折柄、皆様のご健勝をお祈り申し上げます
令和○年1月

◉ 故人の情報を入れない場合

文例

寒中見舞い申し上げます
この度はご丁寧な年賀状をいただきありがとうございました
喪中のため年頭のご挨拶を遠慮させていただきました
ご通知が遅れましたこと、どうぞお許しください
寒い日が続きますが風邪など召されませぬようお気をつけください
令和○年1月

年賀状のお礼 文例

  • ご丁寧なお年始状を頂きありがとうございました
  • 早々にご丁重なお年始状を頂戴しありがとうございました
  • このたびはご丁寧な年頭のご挨拶を頂きありがとうございます
  • 新年早々年賀状をいただきありがとうございました

喪中で年賀状を出せなかったこと の文例

  • 喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきました
  • 喪中のため年頭のご挨拶を控えさせていただきました
  • 昨年○月に父 ○○が他界し服喪中のため 年頭のご挨拶を差し控えさせていただきました
  • 昨年○月に父 ○○が○歳にて永眠いたしましたので 年始のご挨拶を控えさせていただきました

連絡が遅くなったことのお詫び文例

  • ご通知が遅れましたことお詫び申し上げます
  • 旧年中にお知らせ申し上げるべきところ 年を越してしまいました非礼をお詫び申し上げます
  • ご通知が遅れましたこと どうぞお許しください

相手への気遣い文例

  • 寒さ厳しき折から皆様のご健勝をお祈り申し上げます
  • まだまだ寒さ厳しいですので、お身体ご自愛ください
  • 暖かな春の訪れまでもう少し 皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます
  • 寒さ厳しき折柄皆様のご健勝をお祈り申し上げます
  • 寒い日が続きますが風邪など召されませぬようお気を付けください

その他

  • 年も皆様にとりまして良い年となりますように 心よりお祈り申し上げます
  • 本年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます
  • 本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます

喪中時の寒中見舞いには、故人の名前、続柄、没年例等の情報は入れても入れなくても構いません。

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