美容や健康に関するものには、さまざまな都市伝説があり、それに基づいた商品もたくさん流通しています。
全てが正しい情報であれば、こんなに便利で美しい世の中はないのですが、実際には、企業側の誇大広告、インフルエンサーなる広告塔による報酬を見返りとした過剰な効果の宣伝〜いわゆるステマ(ステルスマーケティング)、中にはデマ情報やフェイクニュースまであります。
ステマに関しては、法改正でステマ規制され「PR表記」が義務付けられるようになりましたが、デマやフェイクはますます過激かつ巧妙。しかも、それを紹介している側が「デマ」「フェイク」とは思っていないこともありますので、ますます厄介です。
でも、少しでも、手軽に手頃にキレイで健康でいたいのは、人間として当然とも言える欲。
かくいう私も、怪しげな情報にオモシロイほど反応し続けてきたわけですが、アラフィフにもなると、反応することにさえ疲れてきます。少し古い情報もありますが、美容に関する都市伝説を調査し、医学的根拠に基づき解説したものがありますので、まとめてご紹介します。
読むと、これまでの自分がかけてきた時間や費用を考えるとガッカリすることもありますが、少なくてもこれからは無駄なことはしなくて済むようになります。
調査主体:美容外科『東京イセアクリニック』調べ
なお、美容外科だしなぁ、、など、不信感がある場合には、こちらの本がオススメです。
国立病院機構東京医療センター形成外科医長を務める落合博子氏から、やらなくていいことをたくさん教えてもらえます。
もちろん、新しい情報だけではなく既知の情報もありますが、短時間で総復習でき、読後の爽快感がたまりません。やらなくていいとわかっていても、加齢に伴う変化がイヤでなんとかしたくなり、アレコレ手を出しつつも、その効果に懐疑的な方には、刺さります。
Kindle Unlimited 対象。無料で読めます。読まないと損レベルの内容です。激推しなので、もう1回。
化粧品は高価なものほど効果がある、お手入れにお金と時間と手間をかけてこその美容と思う方にはむかないかも。
向いている方向がそもそも違います。おそらく、読んでもピンとこないので、時間の無駄と感じるかもしれません。
顔のマッサージは小顔や老け顔改善に効果がある?
回答 ▶ ❌ : 顔のマッサージで、顔の脂肪や筋肉・骨格は変化しません
リンパ流に沿って正しくマッサージを行えば、リンパの流れが改善され一時的にむくみは取れ、顔が小さくなったように感じることはあっても、効果が一時的。むくみが取れる以上の効果はありません。
自己流のマッサージによって「こする」「引っ張る」行為は肌に負担をかけ、逆にシミ・シワ・たるみの原因にもなりかねないので、プロに任せるのが無難。
顔のリンパマッサージは老廃物の蓄積を改善できフェイスラインがすっきりする?
回答 ▶ ❌ : 医学的に顔の老廃物というのは存在しません
マッサージ後、一時的にすっきりした感じがしてもすぐに戻ります。
シワやむくみ、たるみの改善を期待しお顔のマッサージ器具などを使用される方も多いですが、逆に肌への強い刺激や摩擦は肌トラブルやシワの原因になってしまうことも。
近年、正しい洗顔方法として「泡立てネット等を使用ししっかり泡をつくり手と肌が触れ合わない程度に泡で優しく洗う」ことが言われて久しい通り、直接の肌への刺激はご法度。また肌への刺激として「化粧水を手やコットン等でパッティングをしてつける」方がいらっしゃいますが、こちらも基本NGです。多くつけようとして押さえる回数が増えると肌の刺激につながり赤ら顔の原因ともなりえます。
骨格を矯正するマッサージを受けると、小顔になる?
回答 ▶ ❌ : 少しばかりの力で骨自体を動かすことはできません
医学的観点で考えても、骨を動かし小顔になるということはありませんし、もしも動いたとしたらそれは「えらいこと」です。
施術を行なうことでぐっと顔が押さえつけられ一瞬小顔になるように感じますが、すぐ戻ります。また摩擦により将来のたるみの原因にもなりうるので、注意が必要です。
頭皮マッサージで、顔のシワやたるみが改善する?
回答 ▶ ❌ : 頭皮マッサージで、顔のシワやたるみは改善されません
頭皮は顔と一枚皮でつながっているため、頭皮をマッサージすることで「顔のシワやたるみが改善する」と言われていますが、マッサージすることによる効果は「血流とリンパの流れをよくし一時的にむくみが改善する」のみで、それ以外の効果はありません。
「ほうれい線」は、「シワ」だと思う?
回答 ▶ ❌ : ほうれい線の正体は「頬のたるみ」
年齢を重ねると肌の水分やコラーゲンが減少し、頬全体を支えている内側の組織がたるんでいきます。そのたるみが下がることでほうれい線となります。
目元のマッサージでクマが改善する?
回答 ▶ ❌ : 目元のマッサージでクマは改善されません
クマには青クマ・赤クマ・茶クマ・黒クマの4つのタイプがありますが、それぞれ原因が異なる上、ほとんどの方が混在のクマになります。
❌ 赤クマ・茶クマ・黒クマ:マッサージで改善しない
❌ ふくらみのあるクマ:目の下のたるみによるため、むしろ逆効果
△ 青クマ:血流が良くなることで改善する可能性があっても、皮膚をこすることで、色素沈着などクマの悪化や皮膚のたるみやシワに繋がることもある
表情筋を鍛えるとシワやたるみの予防になる?
回答 ▶ ❌ : 表情筋を鍛えても、シワやたるみの予防にはなりません
シワは表皮上にできるため、顔の筋肉とは関係ありません。
たるみも筋肉上に発生するものではないため、顔の筋肉を鍛えようと無理に引き上げたり引っ張ったりすると、摩擦によりシワやたるみができやすくなってしまうので注意が必要です。
また、シワの原因の多くは紫外線が大きく関係している事が分かっていますので、シワやたるみを予防したい場合は顔の筋肉を鍛えるより、紫外線対策が何よりも大事です。
蒸気やスチームを顔にあてることは、美肌効果につながる
回答 ▶ ❌ : 保湿効果はなく、医学的観点でいうとそれは逆効果です
蒸気を顔に直接あてることでの保湿効果はなく、医学的観点でいうとそれは逆効果です。あてた直後は保湿された気になりますが、その後すぐに水分は蒸発してしまいます。
そればかりでなく表面の水分だけでなく肌の潤いを保つのに大事な角質層の水分も蒸発させてしまい、結果「乾燥しがちな肌」になってしまいます。
また蒸気をあて続けることで雑菌によりニキビ等の肌荒れを引き起こす原因にもなるので注意が必要です。
「鼻クリップ」を使用すると鼻の形が変わる?
回答 ▶ ❌ : 大人の軟骨が変形しないことは、医者なら誰もが知っています
鼻は主に軟骨で形成されています。 骨には骨細胞があり、骨折などすれば再生しますが、軟骨には細胞がないので再生も成長もしません。
クリップなどで外力を加えたところで、大人の軟骨が変形しないことは、医者なら誰でも知っています。マッサージにより「小鼻を小さくできる」「鼻筋が通るように形を変える」なども、同じく変形はしません。
ヒアルロン酸やコラーゲン入りの化粧水は肌に浸透するのでたっぷりと使ったほうが良い
回答 ▶ ❌ : 医学的観点から「化粧水が肌に浸透する」ことは絶対にあり得ません
保湿で重要なのは外部から水分を与えることよりも「こまめな水分摂取」。
「外部から水を塗る」よりも、食事も水分量の多い野菜等を摂取することで体内の水分量を高めるなど、「内側から水を飲み身体に取り込んで潤う」ほうが医学的観点でも美肌づくりに有効です。
目元の針パック(マイクロニードル)は小ジワやたるみに効果がある?
回答 ▶ ❌ : 根本的に小ジワやたるみには効果がありません
最近では、ヒアルロン酸ナトリウムを角質内に浸透させるためにマイクロニードルを用いた方法が開発され、効果が認められたためさまざまな製品が販売されています。
シワに効果を発揮するためには真皮層に達する必要があります。
角質の厚さは0.02mm(表皮全体で0.2mm)なので、0.2mm以上のマイクロニードルであれば、真皮層に注入されます。真皮は平均2mm(0.6から3mm)の厚さなので、真皮に刺激を与えるためには、0.5mm以上のニードルの刺激が必要だと考えます。
市販のものは0.2mm前後のものが多く、小さい文字で「※角質層まで」の記載のものがほとんど。
つまり、マイクロニードルの効果は角質層までのため、真皮に届かず小ジワやたるみに効果は発揮できません。
肌の質感の向上として多少の効果はあるかもしれませんが、針が入る層が浅いので、目元の針が付いたパックを貼るだけでは根本的に小ジワやたるみには効果がありません。
スキンケア商品で顔のシミがポロリと剥がれ落ちる?
回答 ▶ ❌ : 一般のスキンケア商品によって、シミがポロリと剥がれ落ちるようなことはありません
医療機関が処方する薬や、ドクターズコスメなどはシミを薄くする効果はありますが、一般的に売られているスキンケア商品を使用して短期間でシミがポロリと剥がれ落ちることはありません。
食事やサプリメントで「ビタミンC」や「コラーゲン」を摂取すると、美肌効果がある?
回答 ▶ △ : ビタミンCやコラーゲンを経口摂取したからといって直接的に美肌になる訳ではありません
日焼けをした際などは元々体内にあるビタミンCやコラーゲンが破壊されるためシミの原因ともなりうるので、それらを含んでいる食事やサプリメントを摂取することで長期的なシミ予防となります。
「水素水」や「水素サプリ」を飲むと美容効果が得られる?
回答 ▶ ❌ : 美容に直接的に繋がる有益なエビデンスはありません
「水素」が身体にいい事は分かっていますが、使い方により効果は異なります。
最も摂取効率が高い方法は「吸入」。血中濃度を高くすることで、その効果を得ることができます。
「水素水」や「水素サプリ」の経口摂取では摂取効率が低いため、現在のところ美容に直接的に繋がる有益なエビデンスはありません。
「温泉」や「半身浴での長風呂」は、美肌に良い?
回答 ▶ ❌ : 太古から言われる伝説の1つ
「温泉ですべすべになる」のは、古い角質をはがし取る天然の「ピーリング効果」。
酸性泉は刺激が強く、肌のキメやバリア機能が低下し乾燥肌や肌荒れを悪化することにつながる可能性があります。
「半身浴」には、長時間入浴&発汗作用からのダイエット効果や美容(美肌・保湿)効果があるいう医学的根拠はありません。
日焼け止めは、1年通じて塗った方が美肌に良い?
回答 ▶ ⭕️ : 通年塗布したほうが美肌には良いと言えます
シワやシミの原因となる紫外線は、冬であっても曇りの日でも降り注いでいます。
UVケアを一切せずに過ごすと、肌の弾力が失われる原因になるため、日焼け止めは通年塗布したほうが美肌に良いと言えるでしょう。
PM10時~AM2時までのゴールデンタイムの睡眠は、美肌に良い?
回答 ▶ ❌ : 医学的根拠はありません
成長ホルモンは入眠直後の熟睡期に分泌されます。目安としては入眠3時間後。睡眠は健康な肌作りにとても大切で、新陳代謝を促し美肌を維持し、シミやシワの予防にもつながります。
マスクを着用すると、保湿され美肌に良い?
回答 ▶ ❌ : 喉のケアのためにマスクをつけるのは効果的でも、「美肌の保湿目的」となると話は別
雑菌が増えニキビや肌荒れをおこす可能性があります。ニキビ等を隠すためにマスクを使用すると、外部からの刺激や摩擦により炎症が悪化したりつぶれてニキビ跡となってしまいます。長時間の着用は気をつけましょう。
スマホの使い過ぎは「首にシワ」や「顔のたるみ」の原因になる ?
回答 ▶ ❌ : 医学的根拠はありません
昨今スマホが原因で老け顔になるともいわれますが、鵜呑みにする必要はありません。信じ込むことにより精神的にも負担がかかるので注意が必要です。
“シルバー世代”に近づくにつれ「体毛は徐々に薄くなる」?
回答 ▶ ⭕️ : 「毛が生えにくくなった部位」は毛が薄くなったように感じます
加齢に伴い体毛が薄くなるように感じるのは、年を重ねることにより“毛を生み出す「毛母細胞」が衰える”ことが原因。毛母細胞が衰えることで、「毛が生えにくくなった部位」は毛が薄くなったように感じます。
“シルバー世代”に近づくにつれ「鼻毛・耳毛・眉毛は伸びる」?
回答 ▶ ⭕️ : 抜け落ちずにそのまま残り続けるため、実際「伸びている」ようにみえます
加齢に伴い毛母細胞が衰えることが原因で起こる「毛の生え変わりの周期が長くなる部位」が【鼻毛・耳毛・眉毛】の部位になります。
年を重ねると鼻毛や耳毛、眉毛部分の毛は長く伸びるまで抜け落ちずにそのまま残り続けるため、実際「伸びている」ようにみえます。
加齢に伴い「ニキビはできにくくなる」?
回答 ▶ ⭕️ : 年を重ねるとニキビができにくくなります
加齢とともに、“男性ホルモンや皮脂の分泌が減ること”が原因です。
男性ホルモンや皮脂の分泌が減ると、毛穴に皮脂がつまりにくくなります。また、アクネ菌が増殖せず炎症を起こしにくいため、年を重ねるとニキビができにくくなります。
“シルバー世代”に近づくにつれ、「顔の形が変わる」?
回答 ▶ ⭕️ : 顔の形が変わることがあります
年を重ねて起こる皮膚のたるみや眼球を支える筋肉のたるみが原因で顔の形が変わることがあります。
頬の位置や眼球の位置が垂れ下がることで見た目にも大きく変化し、老けて見えてしまうことも。また頭蓋骨の骨密度の減少により、骨萎縮が起こる可能性があります。
“シルバー世代”に近づくにつれ、「鼻や耳が大きくなる」?
回答 ▶ ⭕️ : 耳や鼻が大きくなります
耳は軟骨でできています。加齢により軟骨が薄くなると皮膚を支える力が弱まり皮膚が垂れ、結果、耳が大きくなります。
また耳と鼻は耳管で繋がっているため、耳が下がると鼻も引っ張られ大きくなります。耳たぶが厚くなる福耳もたるみが原因で起こります。
“シルバー世代”に近づくにつれ、「赤いホクロ」ができる?
回答 ▶ ⭕️ : 加齢とともに「赤いホクロ」ができる人がいます
加齢とともにできる「赤いホクロ」の正体は、『老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)』。紫外線を多く浴びることも原因とされています。特に害はなく、そのままにしていても問題ありません。
「加齢臭」とは別途、「老人臭」がある?
回答 ▶ △ : 個人差があります
一般に「老人臭」とは、加齢臭を含めた様々なニオイのことを指します。
身体の代謝が落ちアンモニアが分解できずに発生するニオイや、内臓機能低下による口臭など様々なニオイがあります。日々の食生活や運動、喫煙等、生活習慣によって人それぞれのニオイを発生させるので、老人臭がある人・ない人は様々で個人差があります。
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《世間のウワサ》vs《医師のホンネ》美容にまつわるウソ・ホント
【美肌にまつわる12の都市伝説】調査結果の正誤を美容専門ドクターに聞いてみた
「敬老の日/シルバー世代(高齢者)や加齢にまつわる都市伝説アンケート調査
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