季節をしっかり感じることが出来る、退屈なほどゆっくりとした時間の流れ、それが田舎暮しの魅力であり、地方に移住したからこそ実現可能な贅沢な時間だと思っていました。
私たちも、都会での仕事や生活では出来なかった生き方を求め、意を決して地方に移住し、田舎暮しを始めました。田舎ゆえの不便さや閉塞的な人間関係などは覚悟のうえでした。
暮らし始めは、何もかも新鮮で楽しく、そして慣れない生活で何かと忙しいので感じないのですが、しばらくすると、田舎の実態が見えてきます。
ネットを中心に、テレビや雑誌で見聞きしていた田舎暮しのトラブル話は、大方事実であることを実感しました。
田舎ってどこからが田舎なのか?
人がイメージする「田舎」のレベルには差があります。
地方都市の中心部から多少離れたプチ田舎や、新興住宅地もあれば、数十〜百程度の集落が点在するようなほぼ田舎、基本畑や田んぼばかりの田舎、より少ない集落のど田舎まで、田舎の範疇は広く、曖昧でいくつかの表現もあります。
田舎の区分けは難しいのですが、大きくても数十〜百程度の集落、そのエリアの大部分が畑や田んぼであれば、これからご紹介する「田舎」に当てはまります。
大都市で暮らしている方から見れば、地方の都市は全て「田舎」になるかもしれませんが、SNSなどによりリアルな情報が同じタイミングで入ってきます。社会生活の変化により、人の往来やお付き合いも変わっています。
世代や、仕事によっては、情報格差は小さくなりつつあります。
田舎暮らしの人間関係トラブルは回避できる!【実話からの警鐘】
田舎暮らしを実体験して、つくづく思いました。
悪しき古き日本がそのまま残っている、それが田舎です。
今の時代に考えられないような差別意識やいじめ、排他的で不寛容なことが当たり前だったり、悪気はないのでしょうが悪態をつきまくる人、ありえないくらい自己中な人が存在します。
そんな人間関係の中で生きていく、それが田舎暮らしの実態です。
しかし、相手のことは変えられませんが、自分の対応や態度は自分次第です。全て合わせることはありませんし、受け入れ難いことは拒否すればいいのです。
せっかく移住する/したのですから、都会の生活では実現しようにも実現出来なかった“スローライフ”を満喫するためにも、プラス思考でクリアしましょう。
めんどくさい田舎暮らしの現実① 噂話が大好き
田舎の人たちも、基本的に悪い人たちではありません。でも、噂話が大好きです。
小さな生活圏で長く暮らしてきた人達です。だから、ご近所さんや町内の情報が気になって、広まっていくのです。
基本的に、いい噂話は75日も持ちません。のんびりとしたペースでふわっとひろまり、曖昧なまま、時には妬みが上乗せされ、短期間で語られなくなります。
残念な噂話は、アナログなのに光よりも早いレベルで広まります。75日どころか10年、20年も言われ続けるのです。
そして、1つの噂話をしていると、他の噂話もくっついてきて、話はだんだん大きくなり、飽きることなく時間の許す限り続けられます。
進学、就職、結婚、出産、子育て、離婚、病気、自死、財産、トラブル、、、なんでもアリです。
田舎に限らずよくある話ですが、それが想像以上のレベルなのが田舎です。
噂話の対応策
対応策は2つです。
- 話は聞いても、自分からは混ざらない
- 自分がその対象になった時には、事実でなくても相手にしない
目の前で噂話が繰り広げられた場合、話は聞いたり、相槌程度はしても、自分が加わることは絶対避けましょう。一緒に悪口を言ったりするのは厳禁です。
尚、相槌も「そうなんですか」「へぇ」程度が無難。一緒になって「それはひどいですね」とか、意見は言わないに限ります。
新参者に対するブーメランは、いつどこから、何をきっかけに飛んでくるかわかりません。
自分や家族が噂話の対象になることはよくあります。その多くは、事実ではありません。その場合でも、反論不要。するだけ無駄です。相手にしないに限ります。
めんどくさい田舎暮らしの現実② デリカシーがない
デリカシーがない人も少なくありません。
おそらく悪意はありません。そういう世界で生きてきて、そういう世界しか知らないのです。
特に、結婚、出産、収入などに関しては、ハラスメントに近いレベルで、デリカシーのかけらもないことがよくあります。
我が家は夫と2人です。
田舎暮らしをしていた頃、大家さんから何度も「子作り」のことを言われました。しかも、必ず夫がそばにいない時に。
デリカシーがない人への対応策
対応策は1つです。
- 相手にしない
反論すると、面倒です。反論した自分にも嫌気が差しますし、疲弊します。
無視するのは、コミュニケーションとしてよくありません。
知らない/わからないふりをする、適当に返事して切り上げる、それって「◯◯ハラって言われますよ」など笑って返して終わりにする、、、など、相手にしないに限ります。
可能であれば、以降できるだけ接点を減らしていく方が身のためかもしれません。
めんどくさい田舎暮らしの現実③ 権力に弱い
田舎に限らず、どこでもそうですが、権力に弱いです。
だから、権力がない人が権力のある人に無駄にペコペコします。見ていて哀れなほど、ペコペコし、持ち上げます。
一方で、自分より下だと思ったら、明らかに見下したような言い方や態度を平気でします。
それなのに、「人には優しく」など、同じ口で平気で言います。
権力に弱いへの対応策
対応策は1つです。
- 相手にしない
権力に弱い人は、自分が弱い分、自分よりさらに弱いと思う相手に対して、ひどい態度をとることもあります。
でも、そういう人は強くありません。ですから、相手にしない、ペコペコしないに限ります。
時々、煽てていい気分にさせておけばいいのです。
協力が必要な場合は、ペコペコし持ち上げるのではなく、誠意を持ってきちんとお願いし、それにみあったお礼をすればいいのです。
尚、権力に弱い人は、自分が相手に何かしたことを「◯◯してやったのに、、」的ないい方をよくします。お世話になった時には、お酒や菓子折りなどをお渡しすると、ニコニコになり、「オレがしてやった」発言をしなくなります。
めんどくさい田舎暮らしの現実④ 考え方が古い
考え方が古い方も少なくありません。
「昭和か?」「戦前か?」と思うほどのアドバイス(と本人は思っています)をいただくことも、珍しくありません。
考え方が古いへの対応策
対応策は1つです。
- 反面教師と思ってありがたく拝聴する
考え方が古い場合、反論しても無駄です。
ビジネスパートナーならば別ですが、ビジネスに関わらないのであれば、反面教師としてありがたく拝聴するに限ります。
ただ、考え方が古いことは全て悪いとは限りません。中には、「なるほど」と思うこともあるものです。多種多様な考え方を聞く、いい機会でもあるのです。
めんどくさい田舎暮らしの現実⑤ 口約束が多い
田舎では「口約束」が多いです。モノの貸し借り程度であればいいのですが、家や畑の使用など、中長期的に関わることでも、口約束で済まそうとすることがあります。
- 長い暮らしの中での信用や慣習
- 契約書や覚書を交わすのがめんどくさい
- 形として残したくない
など
金額が金額なので仰々しく契約書の取り交わしを要求することが、相手を信用していないように思われる、という変な遠慮の気持ちが生じることもあります。「俺が信用できないのか」的扱いを受けることもあります。
そして何より、相手(持ち主)が高齢で、面倒な手続きを嫌がるので、つい口約束と領収書で済ませてしまいがちなのです。
でも、大きなトラブルは後からやってきます。
それは、口約束した持ち主が亡くなったり、病気になることで起こります。
契約書が無いために、何も知らない親族に一方的に値上げや追加請求されたり、契約自体を無いことにされるケースもあります。
地方(田舎)の土地は所有者が細かく分かれていることも多く、一つの土地が借りられなくなることで全てのアクセスを絶たれる、ということも起こるので、重大問題になりかねません。
権利に関することへの対応策
権利(売買・賃貸借など)に関する契約は、どんなに少額取引であっても全ての契約書や覚書を取り交わしましょう。
契約書の内容も双方でしっかりと確認し、トラブルになりそうなことは全て紙(契約書・覚書)に記載しておきましょう。
口約束であることをいいことに平気で反故にする人もいるのです。
ちなみに、田舎暮らしの楽しみ・魅力の一つである畑のトラブルも少なくありません。
基本的に、農地は営農計画を持ち、年間150日以上農業に従事することが前提でなければ購入・賃借できません。その全ては、農業委員会への申請と許可が必要です。
農地には建物を建てたり、駐車場にすることも出来ませんし、整地すら許可されないこともあります。
田舎暮らしの人間関係トラブルに耐えられない時には
田舎暮らしは魅力的ですが、人間関係が濃厚なだけに、めんどくさいことも多々あります。
相手や程度、自分の考え方や性格によっても、どこまでが許容範囲かは異なります。
でも、どうしても無理、耐えられない、という人は、一日でも早く再移住を考えましょう。耐えるだけ時間の無駄です。人生の無駄使いです。
もちろん、あなたが悪いわけではありませんし、負けたわけでもありません。
その地は、その地に暮らす人達は、あなたに合わないのです。ただ、それだけのことです。
あなたに合う移住先があるはずです。良い人との出会いが待っているはずです。何度でもやり直しましょう。人生の過程だと思いましょう。
何事にも執着しないこと、早く決断し、早く行動するのが移住の基本です。
移住先で良い人たちに出会い、幸せな田舎暮しを満喫している人は大勢いるのですから。
私たちも、田舎暮らしでの楽しい思い出もたくさんありますが、思い出すだけでゲンナリする、イラッとする、思い出もたくさんあります。
でも、こちらがその人たちの暮らしの中に、入っていったのです。ビジネスに関わることはドライに解決し、プライベートに関することは適度な距離感を持って接するしかありません。
田舎にも、厄介な人もいれば、理解ある協力的な人もいます。どんな人と関係を深めていくのか、それを選ぶのもあなた自身なのです。