エアコンを使わない高齢の母向け熱中症対策〜熱中症で◯◯のは高齢者と言ってみた

2024年は観測史上最高の暑さになる可能性があるとも言われています。

少しでも涼しく過ごせるようにしないといけないのですが、上がり続ける食費や、この時期に一気に値上がりとなった電気代で、例年以上に高齢の母がエアコンをうまく使うよう促すのに苦労しそうな予感しかありません。

熱中症対策は、テレビ、雑誌、ネットなどで散々特集されていますが、コレといった新しい解決策や対処法がないのです。

こまめに水分や塩分を補給し、食事や睡眠をしっかりとり、体に熱がこもりすぎないよう、エアコンや扇風機を利用し室温管理をする、保冷グッズなどを使い体温の上昇を抑えることくらいしか、できないのです。

一般的に、長い時間テレビを視聴する傾向のあるシニア世代であれば、私たちアラフィフ・アラカン世代よりも、むしろ熱中症対策には詳しいくらいです。人に語るくらい詳しい方もいます。

私の知人や高齢の親も、ご多分に漏れずそんな感じ。

人には語るのに、シニア世代である、高齢である自分の熱中症に対する危機感が薄い

出かける時には、日傘だとか、アームカバーだとか、保冷グッズだとか使うのに、家にいる時はさほどでもないのです。

「水分補給してます」主張はしても、実際にはさほど水分を取らない、「暑い」と言いつつエアコンはつけない、アレがいい、コレがいいと買い揃えるわりには使わない。挙句、「コレ便利よ」とこちらにくれようとする。

熱中症の危険性や対策への知識は豊富でも、自分が自宅にいる時は関係ないと思っている。危機感なさすぎです。

あなたが熱中症で倒れないように、その有り余るほどの知識をご自身のために役立ててください。

という、数年にわたる不毛のやり取りの末、たどり着いたのが「熱中症で死ぬのは高齢者」という脅し。昨年は、連絡する度に、申し訳なく思いつつも繰り返しておりました。

言い方としていいものではありませんが、都合の良い時だけ「後期高齢者」になる、我が母親や知人にも、他のどんな説得よりも効いたようです。

エアコンの効果的な使い方や、節電方法まで、私がご教授いただいたくらいですから、去年はエアコンを上手に使っていたことが伺えます。

どんな説明をしてもなかなか理解を得られない時の、1つの方法としてお役立てください。

健康で自立心の強い方には、効果的な可能性もあります。自分の命に関わる危機感が、事故予防につながります。

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熱中症で死ぬのは高齢者

時期になると、熱中症で何人救急搬送されたとか、何人亡くなられたとか、連日報道されます。

消防庁の発表によると、2023年5月1日〜10月1日の間に、熱中症が原因で救急搬送された方は9万1,255人。大半は軽症でしたが、初診時に死亡していた方は107人。

あれ、それだけ? 意外と熱中症って騒がれてるほど、ヤバくないわけ?

とか、なりそうですが、勘違いです。

初診時、つまり救急搬送から医師に引継ぎされた時点で死亡していた方が、107人。その後亡くなられた方を含めると、1,500人を超えるかもしれません。2023年のデータがまだでていませんので、過去のデータを上げておきます。

スクロールできます

救急搬送初診時
死亡者数
搬送時
重症者数
熱中症
死亡者数
2023年
内65歳以上割合
91,467
54.9%
1071,889
2022年
内65歳以上割合
71,029
54.5%
801,6331,477
86.3%
2020年
内65歳以上割合
64,869
57.9%
1121,7831,528
86.1%

※ 救急搬送時の人数は、消防庁発表、死亡数は厚生労働省 人口動態統計(確定数)より
※ 2021年は、救急搬送、死亡者数ともに半減しているので、データ不使用
※ 2023年の厚生労働省 人口動態統計(確定数)は記事執筆時点で公表前のため不明

この数年、熱中症で亡くなる方は1年で1,500人にもなるのです。

病気でも事故でもなく、暑さで年間1,500人もの方が亡くなるのです。しかも、その85%以上が65歳以上

熱中症で死亡する人は、50代ぐらいから増え始め、男性は70代、女性は80代が一番多くなっています。

なお、年代別に救急搬送された割合だと、65歳以上は約55%。救急搬送された年齢の割合と、熱中症により死亡する年齢の割合は、比例しないのです。

熱中症で、人は死にます。高齢者は、他のどの世代よりも危険です。言い方を変えれば、熱中症で死ぬのは高齢者なのです。

熱中症による救急搬送者数のピークは年によって異なりますが、7月下旬〜8月上旬が最も多くなる傾向があります。
2022年は、6/27〜7/3が7月下旬〜8月下旬の約2倍に。そういう年もあるので、6月でも油断できません。

家にいても、エアコンを使わないと熱中症で死にます

消防庁のデータによると、2023年熱中症で倒れた場所で一番多いのは「住居」、つまり自宅、約40%です。

東京都監察医務院の報告によると、2022年東京23区内で熱中症で亡くなられた232人のうち、エアコンを使用していなかった方は187人(80.6%)。故障等の事情で使用できない方もいるとはいえ、設置済みであるにも関わらず使用していなくて亡くなられた方は137人、59.1%
令和4年夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)】

大阪府監察医事務所によると、2023年に大阪市内で熱中症で亡くなった方は少なくとも43人、8割近くは65歳以上の高齢者でした。場所は多くが自宅、エアコンを使用していなかった人は27人と全体の6割余り。
熱中症死亡の6割はエアコン不使用 大阪

家にいても、エアコンを使わないと熱中症で死にます。高齢者は、他のどの世代よりも危険です。言い方を変えれば、家にいても、エアコンを使わず熱中症で死ぬのは高齢者なのです。

エアコン節電方法

言い尽くされていますが、、夏場のエアコンを節電しながら使う方法です。

  • 2週間に1度はフィルターの掃除をする
  • 室外機付近には物をおかず、空気の通り道を塞がない
    ❌ 室外機カバー…放熱を妨げ、余分な電力がかかる
  • 室外機に直射日光があたらないようにする
    ⭕️ 日陰におく、日除する
    室外機の上に濡れタオルを置く時は、吹き出し口や吸い込み口を塞がないようにする
  • 風量は自動設定が基本
  • 風向きは水平
  • 温度を下げるよりも、風量を強くすると快適
  • エアコンと扇風機やサーキュレーターを併用
    エアコンから来る風と同じ向きで風を送る
  • 短時間の外出と、夜間はつけっぱなしにする

温度設定28度では、部屋は暑いです。室内の温度を28度にするには、エアコンの温度設定はそれよりもさげておく必要があります。設定温度は、部屋の広さや温度にもよるので、温度計等で確認が必要です。

*****

家にエアコンが設置されている高齢者でも、経済的事情や故障、その他の事情でエアコンを使えない方もいます。その場合には、その方の生活にあった対処法を提示する必要があるでしょう。

認知症等なんらかの疾患を患っていたり、物忘れが激しいなどで、脅すことがなんの役にも立たないこともあります。その場合には、見守り用のアプリやアイテムの利用も必要になるかもしれません。

我が母や知人は、「自分のことは自分で」派のアクティブシニア。昨年はこの方法でうまくいきましたが、今年はどうなることやら。気温が高い日などに、探りを入れながら今年の作戦を練る予定です。

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